木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

収束について

何度か話題になってますし、自分も何度か意見を書いたことはありますが、ブログに書いたことは無かったので改めて書いてみようと思います。

 

まず大前提として、「ブレ」はハンド数の平方根に比例して大きくなります。

標準偏差という概念があるのですが、それはあるハンド数をこなしたときに、平均的にどれくらい平均値から離れるか、というものです。

例えば、コインの裏表のゲームをしたとしましょう。

100回繰り返すと、不正がない限り平均で50回表が出ます。

そして、この問題の場合、標準偏差は5です。

つまり、50回からのブレを計算した場合、その平均値は5となるのです。

さらに、平均値(=期待値)から1標準偏差以内である、45回から55回までの間に来る割合はざっくり68%、2×標準偏差以内の40回から60回までの間にくる割合はざっくり95%となります。

五分のオールインを100回やって39回以下しか勝てなかったり61回以上勝てたりするのは合わせて5%しかないんです。

 

ところでこの標準偏差、ハンド数のルートに比例して大きくなるのです。

100回なら標準偏差は5でしたが、400回なら2倍の10、900回なら3倍の15、10000回なら10倍の50となるのです。

つまり、100回のオールインをした場合5回くらいブレるのが普通ですが、10000回オールインを場合、50回分くらいブレるのが普通なのです。

「確率は収束するって言うじゃない?おかしいじゃん?」

って思うかも知れません。しかしですよ、1回当たりで見ると100回のときは100回中5回のブレ、だいたい5%ですが、10000回のオールインなら0.5%。

そう、トータルでは平均との差は増えていくのですが、1回あたり(100回あたり、でもいいけど)で見ると、平均との差は小さくなっていくのです。

 

さて、100回コイントスをして、58回表がでました。この時、40回から60回の間に来る確率は95%なので、まあ確率の範囲内と言えるでしょう。

では表が62回出たら?

35回から65回の間に来る確率は0.5%くらい。そろそろイカサマを疑いますが、確証があるほどではありません。

しかし、表が75回出たら?

これが本当に起こったのなら、確率のブレと言うよりはこのコインで表が出る確率は50%よりは高い(=イカサマ)可能性の方が高いと言えるでしょう。

 

 

 

では逆に、表が出る確率が53%のコインを使ってこのゲームをしたとしましょう。

 

100回すると、期待値は53回ですが、標準偏差は5なので、48から58回に来る確率が68%。期待値はプラスですが、まだ負ける可能性は普通にあります。

この状態で、100回は確率が収束したと言えるでしょうか。普通は言わないでしょう。

 

900回すると、期待値は477回ですが、標準偏差は15なので、462回から492回の間に68%、447回から507回の間に95%。

まあまあ負ける可能性は低そうです。これは収束したと言えるのかどうか、ひとそれぞれな気がします。

 

10000回すると、期待値は5300回。標準偏差は50なので、5250回から5350回の間に来る確率が68%。5200回から5400回の間に来る確率は95%。5150回から5450回の間に来る確率は99.5%。

つまり、10000回やれば、必勝と言っていいのです。

この状態だと、多くの人は収束したと呼ぶんじゃないでしょうか。

 

 

つまり、一般的に収束したと呼ぶには、その人がどの程度勝てるかに依るのです。

そして、トータルでマイナスの人は、どんなにプレーしても収束することはないとも言えるんじゃないでしょうか。

 

 

矢澤亜希子さん、2回目のバックギャモン世界チャンピオンに

既報の通り、バックギャモンの世界選手権で矢澤亜希子さんが2回目の優勝、世界チャンピオンになりました。本当におめでとうございます!

https://twitter.com/akikoyazawa/status/1026210698316140546

 

この大会は、ポーカーで言うところのWSOPメインイベントに相当する大会で、本当の世界チャンピオンです。

矢澤さんは2014年に優勝してます。2回の優勝は日本人初、女性初の偉業です。

自分は矢澤さんとはお互いがバックギャモンの超初心者の頃からよく一緒に遊んで来た仲で、もう知り合ってから17年になります。

当時良く一緒に夜通し遊んでいたのは矢澤さんの他に、2009年のチャンピオンで世界ランキング1位の望月さん、将棋のプロ棋士の片上七段、2011年のチャンピオンの鈴木琢光、T君、F君、Nプロなどなど。当時はみんなお金が無かったけど、とにかく若くて体力があったし、よく朝まで一緒に遊んでました。

矢澤さんは当時は阿部さんで、旦那さんの矢澤広伸さんは当時のバックギャモンの日本トッププレーヤーの一人。矢澤広さん、Nさん、Kさん、Iさんなどがプロではない当時のトッププレーヤーでしたが、みなさん他に仕事があったりであまり朝まで遊ぶことは無かったです。そう考えると、朝まで遊んでいたメンバーが世界チャンピオンになっているのはまあそうだよなあと言う感もありますが・・・

 

矢澤亜希子さんの特徴としては(少なくても自分にはそう見える、というものですが)、ぼやっと先を見通すのが非常に正確、という印象です。

それだけなら他のトッププロも強いのですが、矢澤さんは対戦相手が犯しやすいエラーを含めて先の局面を考える事ができる、という感じなのです。

そういう強みがあるので、一見感覚派かと思いきや、日本人のバックギャモンプロ4人(望月、景山、中村)の中では一番、数学の能力に長けています。

矢澤さんは体力がそこまで無く、ゲーム中にずっとピップカウントを追い続ける(ランニングピップカウント。ゴールまでの必要な総出目数を数え続けること。出来たら有利だけど体力をすごく消耗する)のは得意ではないですが、その分を必要なときの計算能力や処理能力で補っているのだと思います。

元々の、対戦相手要素を含めたぼやーっとした先の展開読み能力に加えて、(バックギャモンでは誰もがやっているけど)ソフトを使った研究で正しいアクションを身につけていく。さらに対戦相手に応じてプレーを適切に変える能力。そこに数学的な力が加わったプレーヤーなのです。

 

自分も仲間の活躍を見ると、またバックギャモンの世界選手権に出たいなあと感じます。なかなか家を開けられないですが。

数年前まではWSOPとかぶっている時期にやっていて、ポーカー以外の要素で出れなくなってから時期がWSOP後に変わったのですw

 

 

再びになりますが、矢澤さんおめでとうございます!

これからも活躍していくと思いますし、自分のブログの読者で彼女をご存じない方がいらっしゃったらぜひこの機会に覚えておくことをおすすめします。

 

 

 

正しいハンドリーディングとは

久しぶりに真面目なポーカーの戦略系の話を書こうと思います。

 

一般的に、相手の手を読むというと

「あの人は○○を持っている」

というのを当てることだと思っている人が大多数でしょう。

もちろん、状況によっては相手のハンドが分かることが極々極々たまにあります。しかし、ポーカーにおいて、真の意味で読むとは何なのかを説明していこうと思います。

 

例として、お互い200bb持ちのキャッシュゲーム。

COからスタンダードなプレーヤーが3bbにレイズ。自分がBBで7s7dでコール。

 

フロップ(6.5bb)

3d4h8c

 

自分がチェック、相手ベット5bb。コール。

 

ターン(16.5bb)

3d4h8c Jh

 

自分がチェック、相手ベット12bb。コール。

 

リバー(40.5bb)

3d4h8c Jd Kh

 

自分チェック、相手ベット32bb。どうする?

 

 

こういうシチュエーション、よくありますよね。そこで相手が何を持っているかを考えるわけですが、そんなの正直分かりようがありません。こういう時の正しいリーディングを書いていきたいと思います。

 

 

以下、線の間は長いので、読み飛ばしても可。ただ、真剣に勉強したい人は読んでください。入れた数字は適当です。

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一番簡単なのは強い順に考えます。

相手がKKだったら

プリフロップレイズ? Yes(100%)

フロップベット? Yes(95%)

ターンベット? Yes(80%)

リバーベット? Yes(100%)

KKは有り得そうですよね。

同様に、JJ、88、44、33は?

Yesが4つ並びます。全部ありえます。

 

次に強いのはKJですが

プリフロップ? Yes(95%)

フロップベット? わからない(?%)

ターンベット? Yes(70%)

リバーベット? Yes(100%)

フロップでベットしてくるかどうかだけ分からないですよね。

 

次はK8ですね。

プリフロップ? スーテッドだったら半々?でも薄いかな。

フロップベット? Yes(80%)

ターンベット? わからない

リバーベット? Yes(100%)

 

次はK4、K3ですが、プリフロップ?で普通Noだし、仮に参加してもターンでNoの可能性が高く考慮から外します。

 

次はJ8ですが、プリフロップ?スーテッドなら半々?

フロップベット? Yes(80%)

ターンベット? Yes(95%)

リバーベット? Yes(80%)

プリフロップで参加していたらリバーまでこういうアクションになりそうですよね。

 

J4、J3、84、83、43はスーテッドでもプリフロップでNoですよね。

 

次はAK、KQです。

プリフロップ? Yes(100%)

フロップベット? わからない

ターンベット? わからない

リバーベット? Yes(70%)

AKでフロップとターンの両方をベットしてくる可能性はどれくらいあるんでしょうか。KTだと?

 

次はJ持ち。AJ、QJJTですが、

プリフロップ? Yes(100%)

フロップ? わからない

ターン? Yes(70%)

リバー? わからない

 

次にペア。QQ、TT、99

プリフロップ? Yes(100%)

フロップ? Yes(80%)

ターン? Yes(70%)

リバー? わからない

 

次に8持ち。

A8、T8s、98s、87s、86sくらいかな。

プリフロップ? Yes寄りだけど分からない

フロップ? Yes(70%)

ターン? わからない

リバー? No

 

最後に、これがめちゃくちゃ重要なのですが、こちらが勝っているハンド。

A4、A3 

プリフロップ? スーテッドならYes。オフスートならわからない。

フロップ? Yes寄り

ターン? 多分No

リバー? No

あまりなさそう。

 

AQ、AT、A9、A7、A6

プリフロップ? Yes(A7、A6はスーテッドのみかな)

フロップ? わからない

ターン? わからない

リバー? わからない

何とも分からないですよね。

 

A5、A2

プリフロップ? スートならYes、オフならNo寄り。

フロップ? Yes寄り

ターン?  わからない

リバー? わからない

ただし、AQ、ATよりは3発打ち切ってくる可能性はありそう。特にハートのスーテッドなら。

 

QT,Q9、T9は?

プリフロップ? スートならYes、オフはQTがYes寄りでQ9とT9がNo寄り。

フロップ? わからない

ターン? わからないけどYes寄り

リバー? わからない

 

76s、75s、65sは?

プリフロップ? Yes

フロップ? Yes

ターン? わからない

リバー? わからない

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わからない、と書いたところが結構ありますよね。

そして、リーディングとは、その相手が自分に対して、「わからない」と書いた部分をどうプレーしてくるか。それを読むのです。それこそがリーディングなのです!!!

 

例えば、ラスベガスの5/10に良くいるような

「ドローがあったら絶対ベットするし、リバーで滑っても頑張ってくるけど、マージナルなハンドはすぐチェックする30代くらいの専業風」

が相手だとしましょう。

すると、AK、KQなどのわからないはNo寄りになります。

Jヒット系も、リバーでNoがつく場合が多そうです。

そして、A5、A2はYes寄りになり、ドローになるようなQT9の組み合わせはかなりYes寄りになります。

765の組み合わせもかなりYes寄りになります。

そう考えていくと、そういう相手には

「リバーでベットされたので勝率が十分高いと判断できる」のです。だって、バリューでリバーを打つ組み合わせ、少なくないですか?

 

一方、本当に強い人相手だと、薄いバリューもしっかり打ってくるので、こちらが負けているハンドでバリューを打ってきたり、ドローの時に途中でチェックが混ざる可能性から、3発打ち切った時にバリューベットである頻度がずっと高くなり、リバーでコールした時にはトータルで負けている可能性が高いでしょう。ただ、必要勝率は30%くらいなので、ブラフが30%混ざっているかどうかを真剣に検討するのです。

 

再びになりますが、今日のエントリのまとめ。

「リーディングとは、相手のハンドを当てることではなく、相手が特定のハンドをどうプレーしてくるかを読むことである」

 

オリンピックは商業利権に従うべきだ

連日暑いですね。毎日35度になって、熱中症の心配も大きいです。

 

この影響で、2年後に東京で行われるオリンピック、暑すぎて大丈夫なの?対策したほうがいいんじゃない?という声がたくさん聞こえます。

 

よく上がる話としては、

開催を秋にしたら?

→北米のアメフトやヨーロッパのサッカーとかぶるから無理

→オリンピックほどのイベントなのに、そういう商業利権に合わせるっておかしくない?選手の命の方が・・・

 

○○のイベントは☓☓の国で人気だからという理由で、競技時間が競技に向かない時間になるのはどうなの?

(さすがにマラソンはかなり時間を考慮するようではありますが。日本で人気なスポーツなのもありますし)

 

という話をよく目にします。

しかし、人気が莫大とは言えないゲームをある程度真剣にやってきた自分からすると、これらの意見は非常にズレていると感じるのです。

 

自分はバックギャモンをそれなりにやってました。

バックギャモンの世界的な愛好家は3億人と言われています。

毎年モナコで行われるバックギャモンの世界選手権は、その年の真の世界1を決める大会です。その世界チャンピオンは、ポーカーにおけるWSOPメインイベント優勝、将棋の名人に当たるような位置づけです。

その世界選手権ですが、日本人では2009年に望月正行さんが、2011年に鈴木琢光さんが、2014年に矢澤亜希子さんが優勝して、世界チャンピオンになってます。望月さんは2010年に世界ランキング1位になり、その後2012年に2位になりますが、2014年に1位に復帰してからはずっと1位です。

プレー人口3億人の中で、名実ともに世界トップを継続しているわけです。

それなのに、バックギャモン界以外、特に母国の日本での知名度の低さは何故なんでしょう。

それは、バックギャモンがメディアに取り上げて貰えていないから以外の何者でもないと思います。

 

オリンピックは4年に1度ですが、夏に300個、冬に100の金メダリストが誕生します。

正確には団体競技があるので、金メダリストの数で言ったらもっともっと多いです。

まあ何れにせよ、4年で400の金メダル競技があるわけです。

しかし、バックギャモンの世界チャンピオンはポーカーのWSOPメインイベント優勝と同じで、たったの4人なのです。

なのに、バックギャモンの世界チャンピオンは世界では知られていないのに、オリンピックの金メダリストは(マイナーな競技であっても)知名度が非常に高くなるのです。

 

オリンピックの金メダリストの知名度がこんなに高くなるのは当然、バックギャモンの話と正反対で、メディアに取り上げて貰えるからです。

オリンピックがこれほどまでに名誉ある大会になったのは結局のところ、こうやってメディアにたくさん取り上げてもらえるから名誉ある大会と言われるようになり、それがまたメディアに取り上げてもらえるきっかけになり…と、正の循環を繰り返して来たからです。オリンピックそのものが最初からすごい大会というわけではないです。そもそも歴史だって100年ちょっとしかないわけです。

 

結局何が言いたいかというと、オリンピックが名誉ある大会として認めてもらえているのは、商業利権に利用してもらえているからなのです。商業利権に利用してもらって築き上げられた名誉。その名誉を口実に、商業利権を批判するのは非常に違和感があるのです。

自分はオリンピック選手ではないですが、多少プレー環境が悪くても注目して貰える方が、優勝しても殆ど取り上げてもらえないよりずっと良いと思います。バックギャモンの不遇を思うとさらにその思いは増していきます。

また、どんな環境で勝負が行われようと、選手はみんな同じ環境でプレーするわけで、そこはフェアです。プロはその環境に合わせて準備するべきだし、環境を結果の言い訳にしてはいけない。商業利権の恩恵を一番受けているのは、人気がある競技のトッププロです。現役トッププロ側から真夏の五輪開催への不満を見たことは自分はないです。それは彼らは商業利権から恩恵を受けていることを自覚してるからだと思うし、一般の人がそういうプロの健康や体調、命を気遣う必要はないと自分は思います。

 

ただ、観客の体調や命を気遣っての批判なら理にかなっていると自分はまた思っています。それでも、その観客も、オリンピックだから見に来るわけで、同じ競技の日本選手権を見に行く人は超少数ですよね。結局の所、オリンピックは商業利権に従ってプログラムを組まざるを得ないのは仕方ないことだと思っています。

 

ミックスゲームの勧め、スタッドハイロー

やっとスタッドハイローまで来ました。

スタッドハイローはオマハハイローと並んで、ミックスゲームプレーヤーならしっかり勉強しておくべきトップ2のゲームです。

ちなみに、stud8(スタッドエイト)とか、studH/Lとか、stud 8 or betterとか、Eとか色々な呼び方がありますが、全部一緒です。

 

ゲームの進め方は、スタッドと全く一緒です(正確には、4thでのダブルベットが無いというのがありますが、一旦忘れてください)。

ベット形式も全く同様に7thまで進み、最後にショウダウンになった時に、スタッドと同様に7枚中5枚でベストハンドの人がポットの半分を獲得します。残りの半分は、7枚中5枚を使って、8以下のローで一番強い人がポットを獲得します。

誰も8以下で5枚のローが出来なかった場合はハイが全部ポットを取ることが出来ます。

例えば、(A5)7 5 6 2 (7)のハンドなら、ハイは7と5の2ペア、ローは76521です。

一方、(32)3 4 A 2 (3)のハンドの人は、ハイが3のフルハウス、ローが4321だけなので、ローはありません。オマハハイローと一緒で、ペアになったものはカウントしないのです。 なので、この二人が戦った場合はチョップ(引き分け、ポットを2分の1にして折半)になります。

ちなみに、フルハウスは絶対にローがありません。

 

簡単な戦略ですが、8以下はローを作れますが、9からKはローとして完全に無用です。なので、あらかじめ大きなペアがない限り、9からKはこのゲームではクズカードなのです。

ローカード3枚あるか、ビッグペアがある時に参加するというのが基本です。

そして、4th以下は、9からKを引いた人(先アクションになることが多いです)がチェックし、ローカードを引いた人がベットしていく、というのがスタンダードな流れになります。

イメージ的には、ローカードの枚数で勝負がつくと言っても過言ではありません。途中で9からKを2枚引いたとしましょう。本当に運良くストレートやフラッシュにならない限り、ローが出来たらハイはほぼ負け、ペアが出来たらローは負けなのです。

カンのいい人は既に気づいているかも知れませんが、このゲームではAはハイでもローでも最強のカードです。1.5枚分の価値があると思います。

また、スタートの3枚が345のようにコネクトしているのも、0.5枚分の上乗せの価値があります。同様に、スタートの3枚がスートなのも、0.5枚分の上乗せの価値があります。

 

基本的なプレーはなれるとある程度機械的に出来、それがあまり大きなミスにならないゲームです。なので、6人以上で打っている場合、相手がどんなに強い人でもある程勉強すれば殆ど負かされることはなく、また相手が基本を理解していない場合、そこからは莫大なエッジが出ます。強い人同士ならほぼ差が出ないゲームです。

なので、強くなるハードルが低く、強くなる価値が非常に高いゲームだと言えるのです。

ミックスゲームの勧め、Razz

ミックスゲームの勧め、続編です。

学ぶオススメ順としては、何度か書いているようにスタッド8がかなり優先度が高いのですが、説明の都合上、Studの次はRazz(ラズ)にします。

 

http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/06/13/172833

 

ラズはスタッドと同様にプレー進行します。なので、スタッドのルールがまだ怪しい人は上のリンクからスタッドのルールを復習してください。

違いは、ラズはローゲームなのです。

スタッドと全く同様にプレーして、最初のブリングインは一番ハイカードを引いた人が行います。

イカードが同じ場合は、スートで決めます。スタッドの場合は、3sと3cがいたら3cがより下のカードなのでブリングインしますが、ラズの場合は、KcとKsがいたらより上のカードのKsがブリングインします。

ラズの場合は、Aはローカードです。

Aをローカードとして扱う場合、そのローはフラッシュもストレートも関係ありません。なので、ナッツはA2345です。

スタッドと同様にプレーして、7枚中5枚を使い、ローを競うのです。

ローの強さの基準ですが、オマハハイローのローと全く一緒です。つまり上から順に見るんですね。

A2348と34567がいた場合、34567は一番高いカードが7、A2348は高いカードが8なので、34567の勝ちです。

ルールはそのゲームをスタッドと同じようにプレーする、というだけです。

スタッドをやっていると、ルールは簡単に分かるかと思います。

実はミックスゲームって何十種類もあるのですが、基本のいくつかのゲームを覚えたら、後は似たようなことをやるだけなので、慣れたらそんなに大変なことではないんです。

 

ハイゲームばかりやってきた人にとって、勘違いしやすいものとしては、スタッドだと7枚中3枚がトリップスだったらかなり勝ちます。なので、7枚中5枚を使うのですが、使う5枚のうち2枚が無くても十分強いです。

しかし、ローゲームは5枚目のカードの強さを比較するわけです。

なので、A2Qと持っていて、2枚強いカードを持っている、ということで強気になるのはものすごい間違いで、347とローカードを3枚持っている方がずっとずっと強いのです。

ポーカーと税金の話

一ヶ月ぶりのエントリです。

WSOPに行っていて、帰ってきてから色々忙しくてなかなかブログ書く暇が・・・

ミックスゲームの勧めのシリーズは早く終わらせたいのですけど。

 

とりあえず、最近話題になってる税金の話を分かる範囲で書こうと思います。

ただ、自分は税金に関しては完全に素人なので、鵜呑みにされても困りますが。

 

 

まず、ポーカー以外に仕事がある人の場合。

ポーカーで賞金を獲得したら、それはほぼ例外なく、一時所得になります。

仮に、3000ドルと5000ドルと10000ドルのトーナメントに出て、5000ドルのトーナメントで20万ドル獲得して、3000ドルと10000ドルは賞金無しで飛んだ場合ですが、20万ー5000=19万5000ドル分の利益を一時所得で支払います(チップを、アメリカでの相場の1%の2000ドル払った場合は、それは利益から差っ引くことが出来ます。その場合は賞金の受け取りの際に、gratuityに2000と入れるようにお願いすればOKです)。

一時所得は、その他の損失を控除出来ない代わりに、利益金額を半分として計算します。

つまり、195000ドルの賞金を獲得してますが、税金の計算上、97500ドルの利益があったと思って計算する、というわけです。

 

 

次に、ポーカー以外に仕事がない人の場合。つまり、ポーカー専業ですね。

この場合は、本来ならば既に事業申請しているべきですが、多くの人はそうじゃないでしょう。

とはいえ、申告した際は他の収入も調べられます。

その上で、ポーカー以外の収入がないのなら、どうやってその参加費を出したの?という話になります。そして、その場合はまず、事業所得とみなされるでしょう。

事業所得なら、その年のすべての収入を合算します。

マイナスは当然計上出来ます。

なので、195000ー3000-10000=182000ドルの収入があったとして税金を計算するのです。

 

そう、一つだけ大きく走った場合(そして、ポーカーで大きく勝つときってほぼこれです)、一時所得の方がずっとずっと有利なのです。

日本の最高税率は55%(所得税45%+住民税10%)。

しかし、一時所得なら、WSOPメインイベントを優勝しても、最大で27.5%なのです。一方、プロだと55%です。

 

 

ところで、有名な競馬裁判がありますよね。

これはどういう裁判だったかと言うと、被告は28億円強の馬券を買って30億円弱の配当を得ました。利益は1.5億円くらいだったかな。

この人は他に仕事があります。なので、これに関しては事業所得には当たりません。

多くの人が競馬で当てた場合は一時所得になります。これは、一時所得の例として公式に書かれているくらいです。

しかし、この人の場合は、たまたま当たったのではなく、継続して利益を上げるために購入し続けていたので、一時所得(外れ馬券を経費で引けない代わりに半額)ではなく雑所得(=外れ馬券を経費で引ける)に当たるという主張だったのですね。それで裁判になり、雑所得になることが最高裁で認められたという話です。これは、ポーカーで言うならば、キャッシュゲームを想定し、勝ったポットだけカウント(=一時所得)して税金を計算するのではなく、通算の利益に対して計算する(=雑所得)のが認められたという感じですね。

 

一方、トーナメントに関しては、ゲーム中の毎回のお金の移動はないですし、出る回数が少ないことを考えると、プレーヤーの利益的にも論理的にも、一時所得が適用されると見るのが妥当でしょう。

 

 

ところで、大きく取ったらどこの国にも180日以下しかいなかったら税金を支払わなくていい、という話がありますが、これは完全に都市伝説です。

日本は全世界課税を導入しています。つまり、日本に家があったり家族がいたりで、日本に帰ってきた際に滞在する場所や人があれば、国外での収入に関しても納税の義務があります。それは180日以上云々は関係ないのです。

タックスヘイブンに多くの時間いて、オンライン事業等で利益をあげていても、日本とその国に租税協定がない限り、日本から完全に移住してない場合は納税義務が発生するのです。

日本とアメリカのように租税協定がある場合は、どちらの国の人でも、住んでいる方の国で税金を収めるという決まりがあります。なので、アメリカ在住としてアメリカで納税していれば、日本に本拠地や家族がいても問題ありません。

一方、日本にも家があるけど、とある国Aにも家があってそこで一年の過半数を過ごしている、という場合であっても、日本とA国の間に租税協定がないのであれば、日本でも課税される可能性があります。

また、中国と日本は租税協定がありますが、日本に家があるけれども、実際はマカオで一年の過半数を過ごしているプレーヤーでマカオに納税していない場合。これはほぼ日本の国税からは、日本在住と扱われて課税されます。マカオへの入港は観光ビザでしょうし。

 

知っている範囲での税金の話でした。

知っている範囲でのステーキング税制の話もあるけど、それはまたの機会に。