木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

ICMに基づきすぎるプレイは期待値を大きく落とす

kihara-poker.hatenablog.com

 

こちらの記事の続きです。

前回の記事にて、

「ICMとは、順位を決定する時に、誰とぶつかったら飛ぶかなどを全く無視した順位決定のmodelである。」

と書きました。ではこのことが結果にどういう影響を及ぼすのでしょうか。それは、

 

「ぶつかった時にショートスタック側のみ一方的に飛ぶという可能性を考慮できていないモデル」

「ショートスタックの期待値が、本来より高く表示されるモデル」

 

であると言えます。

「そんなことはない、その証拠を出せ」

と言われたら、その証拠はありません。なので、自分の仮説とでも言った方が良いかもしれませんが、自分は上に書いたことおよびたくさんのトーナメントをプレイした経験を根拠にそう言ってます。

 

このスタックで、ブラインドは500-1000、アンティはBBアンティなら1000だけど、ここでは全員から250ずつという計算にしてます。賞金分布は、

1位100

2位70

3位50

4位35

というファイナルテーブルの残り4人の状況を想定しています。

 

これのオールインオアフォールドの計算結果はこちら↓

 

次に、勝者総取り設定で、チップEVのみにしたオールインオアフォールドの計算結果はこちら

 

チップ期待値のみだったら36.7%オールインしているボタンが30.9%までタイトになり、何よりチップ期待値のみだと75.3%もオールインすべきSBが49.6%まで減っています。

 

これは当然、4位から3位への賞金上昇、3位から2位への賞金上昇を期待したものですが・・・

でもこの結果を見て、本当に信じられますか?

特にSBは、フォールドしたところで、自分自身が4位の最有力プレーヤーであるということに変わりはありません。にも関わらず、オールインすべきハンドが75%から50%まで25%も減るというのです。

 

更にこちらの画像↓

 

ハンド前後での期待値の増減を現したものです。

ビッグスタックのBBの期待値を見てください。何と、BBが通過する前後で殆ど期待値が変わってません。当然ですが、他のポジションからはこのビッグスタックは、期待値を増やすことが出来るでしょう。とすると、1周後にはこのBBの期待値は当然上がってます。つまり、ICMによる計算結果はビッグスタックを過小評価するのです。

 

 

ではなぜこういうことが起こるのか。

 

「ICMはショートの期待値を高く見積もりすぎる」

「その瞬間のハンドで飛ぶリスクを過大評価し、その瞬間で稼ぐチップを過小評価する」

「タイトすぎるレンジが表示される」

「そのレンジによって、よりショートで生き残ることになる」

「より飛ぶリスクが高く評価されてしまう」

 

という悪循環に陥るのです。

この悪循環がなくても、単純に損なプレイが表示されてるのに、この損は将来にわたって何度も連続で払わざるを得ないものなのです。

この10bbのショートスタックのSBは、ハンド前後の期待値の表から、ハンド前で20.46%、3位の賞金である19.61%より高く表示されています。

飛ぶとこれが0になるので、リスクが大きい。だからたくさん降りる。

でも、本当にそんなプレイをしていて、期待値として3位より上になりますかね?

そもそもおり続けていても4位の最大の候補であるわけで、15bbの人が先に飛んでくれたとしても圧倒的な3番手になるわけです。4位になった分を、2位以上の賞金上昇でカバーできるという数字なのですが、自分はそういうイメージはわきません。

 

ここでもう一つ、チップチョップという概念があります。

確定した分を引いた、残った賞金を、チップ量で山分けするという計算ですね。

こちらは逆に、チップを持っている人が有利になりすぎる分配で、圧倒的なスタックを持っていれば、優勝賞金より高い金額が表示されることも多々あります。

 

その計算でいけば、4位の人のチップチョップ

(1-0.1373×4)×10000/(10000+15000+20000+40000)+0.1373=0.1903%

 

3位の賞金より小さい数字が表示されました。

もういう「もし」を計算機で計算はできないのですが、負けて失うとしてこの数字を仮定して計算させたら全く異なる計算結果が出るはずです。

 

 

軽くまとめると、

ICMが表示する計算結果はショートの期待値を高く見積もりすぎである

それによってショートのオールイン負けリスクの過大評価につながっている

それはショートスタックがショートのまま生き残る結果に繋がり、さらなるオールイン負けリスクの過大評価になる(もっとショートになるから、1チップ当たりの過大評価が大きくなる)

これは負の連鎖であり、ICMの計算結果に基づきすぎるプレイは期待値に甚大な悪影響を及ぼすことが多々ある

 

のです。

 

次回(最終回)は、どういう見積もりが適正なのか、それを、

・賞金期待値

・プッシュ側のプレイ

・コール側のプレイ

・バブルファクターの推移グラフ

などにおける自分の経験則に基づく仮説を書こうと思います。

 

 

 

ICMとはそもそも何か

過去の参考記事

note.com

 

kihara-poker.hatenablog.com

 

kihara-poker.hatenablog.com

 

過去にも、ICMとかバブルファクターについての記事を書いてます。

でも、そもそもICMって何?という話を書いたことが無かったので、書いてみたいと思います。

後編では、ICMの限界について書きたいと思います。

 

ICMとは、Independent Chip Modelの頭文字を取ったものです。

例えば、残り4人。チップ量がAさん40%、Bさん30%、Cさん20%、Dさん10%だったとしましょう。

賞金は、100ドル、70ドル、50ドル、35ドルとします。

その時、それぞれのプレーヤーの期待値はいくらでしょうか?

多い人の方が期待値が高いだろうことは分かるものの、厳密には答えようがないのです。

野球で言えば、バッターが打ったボールが(風を考慮して)どこに飛んでいくか、ピッチャーが投げたボールがどういう変化をしてどこでミットに納まるか、などは、実は厳密には答えようがないものなのです。

ではどうするか。すごく簡単な仮定を置いて無理やり計算するのです。

・ボールの縫い目は一つ一つ違うけど、平均的にどういう縫い目になっているか。

・風は渦を巻いたり、場所や時間によって違ったりするのを全く無視して、右の方向から秒速3.2メートルでずっと吹いているとして計算する。

などです。

現実世界はめちゃくちゃ複雑です。そんな複雑なものを、

「影響が小さいものを無視して、影響が大きいものだけを残すようにして単純化した世界」

のことを、modelと呼ぶのです。

 

ICMだって、このMはmodelなのです。ではICMが考える簡略された世界とはどういう世界なのでしょうか。

・優勝確率はチップ量に比例する

・2位の確率は、それぞれの優勝者を決定したのち、残りの人のチップ量に比例する

・それを3位以降についても同様に考える

 

という世界(model)なのです。

具体的に考えていきましょう。

冒頭の、チップ量がAさん40%、Bさん30%、Cさん20%、Dさん10%の例です。

 

優勝確率は、そのチップ量通りですね。

では2位の確率は?

Aさんが2位に入る確率は、

「Bさんが優勝してAさんが2位に入る確率」+「Cさんが優勝してAさんが2位に入る確率」+「Dさんが優勝してAさんが2位に入る確率」

になりますよね。

 

Bさんが優勝する確率は30%。

 

***ここから計算が続くので、苦手な人はしばらく飛ばしてOKです***

 

残りの70%のチップのうち、Aさんは40%を持っているので、Bさんが優勝してAさんが2位に入る確率は

0.3×(0.4/0.7)=6/35です。

同様に、Cさんが優勝、Dさんが優勝の場合を考えると、それぞれ

0.2×(0.4/0.8)=1/10

0.1×(0.4/0.9)=4/90

これを全部足すと、Aさんが2位に入る確率が計算出来て、それは31.6%ほどになります。

 

同様に、Bさんが2位に入るのは、

0.4×(0.3/0.6)+0.2×(0.3/0.8)+0.1×(0.3/0.9)

=0.2+0.075+0.033

=30.8%

 

Cさんが2位に入るのは、

0.4×(0.2/0.6)+0.3×(0.2/0.7)+0.1×(0.2/0.9)

=0.133+0.085+0.022

=24%

 

Dさんが2位に入るのは、

0.4×(0.1/0.6)+0.3×(0.1/0.7)+0.2×(0.1/0.8)

=0.067+0.042+0.025

=13.4%

 

小数点以下を切り捨てたりの関係で99.8%になりますが、まあこういう数字になります。

 

じゃあ3位の確率は?Aさんだけ計算すると、

0.3×(0.2/0.7)×(0.4/0.5)+0.3×(0.1/0.7)×(0.4/0.6)+0.2×(0.3/0.8)×(0.4/0.5)+0.2×(0.1/0.8)×(0.4/0.7)+0.1×(0.3/0.9)×(0.4/0.6)+0.1×(0.2/0.9)×(0.4/0.7)

=24/350+2/70+0.06+1/70+2/90+8/630

=18.4%

 

 

・・・・

計算が大変なので、自分はやらないですが、興味ある人はそれぞれ計算してみてくださいw

 

 

***ここまで飛ばしてOK***

 

そして、その計算した順位に応じて賞金を分配していく。

Aさんの賞金期待値は、1位40%、2位31.6%、3位18.4%、4位10%になり、

100×0.4+70×0.316+50×0.184+35×0.1

=74.82ドル

 

となるのです。

 

この計算方式を見ていて気付きませんか?

そう、ICMというモデルでは、

・誰と誰がぶつかったら飛ぶのでプレイがどう変わる

・この人とぶつかって負けたらショートになるので、オールインをコールしづらい

という実践のポーカー要素を一切考慮に入れてないのです!

続編の記事では、ICMを使ったナッシュ均衡プレイと、それが本来のプレイとどうずれてしまうのか、という点について書きたいと思います。

 

 

 

まとめると、ICM(independent chip model)とは、それぞれの順位に入る確率を、

・優勝確率はチップ量に比例する

・2位の確率は、それぞれの優勝者を決定したのち、残りの人のチップ量に比例する

・それを3位以降についても同様に考える

というルールに基づいて決定するというmodelのことである。

 

ICMとは、順位を決定する時に、誰とぶつかったら飛ぶかなどを全く無視した順位決定のmodelである。

 

 

ここからは私見ですが、ICMとは順位を決定する際のmodelに過ぎず、その計算方法としてはビッグスタックとぶつかったら飛ぶという要素を全く無視するmodelであるにも関わらず、賞金上昇を意識してプレイが変わることを

「ICMの影響で」

「ICMを考慮して」

と呼ぶのは極めて不当な呼び方です。

BFの影響でBFを考慮して

と呼ぶのが正しいです。

海外のトッププロも、ICM下ではとかICMの影響で、という言い方をしているけれども、それは数学に明るかったり、用語の定義を正確に知っていなくてもポーカーのトッププロになることが可能であって、影響力があるトッププロたちが誤用していることで誤った使い方が広がっているのが現状だけども、自分はそれには断固反対していきたいと思ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーカープレイ中に気を付けるべき英語

日本人は英語が苦手な人が多いですけど、海外でポーカーをするならば、テーブル上で英語を使わざるを得ません。

その時に、使ったら危険な英語、使っても全く問題ない英語、危険な時にどう言うべきかを書いていきたいと思います。

 

〇チェック

自分がチェックをしたいとき。これは間違われることがなくて安全な言葉です。

 

〇ベット

言う必要はない単語ではありますが、言っても勘違いされることがないので、問題ない単語です。

 

〇レイズ

とくに大きなチップ1枚でレイズにしたいときに使います。こちらも勘違いされることがないので安全な単語です。

フロップ以降でベットが入ってないときに打つのはベットですが、それを間違えてレイズと言っても通じるし、ペナルティを食らうこともなく、全く問題ありません。

 

△コール

callとfoldはとても音が近いです。チップを出してコールの意思表示をするのがベストです。こちらはほかの言葉と勘違いされてもトラブルになりにくい単語です。

ただ、普段からコールする時にコールと言っていると、他の何かを言った時に、コールと発声したと勘違いされる可能性は確実に上がります。

 

×フォールド

これは絶対に言ってはいけない単語です。

callにも聞かれかねないし、「フォー」だけならともかく、日本人特有の「ル」をしっかり発音してしまうと、all inと間違われてしまうことも多々あります。

日本人だからだけじゃなく、アメリカ人同士でもしょっちゅう揉める単語なので、外国人はなおさら使わない方が良いです。

何も言わずに単にカードを前に出すだけ一択です。

 

 

〇オールイン

オールインを宣言するとき。これは別の単語に間違われることはないので安全です。全部出す素振りをするか、20枚のスタックを1本出すと、オールインを宣言するという意味にもなって二重で良いです。

 

×カウント

相手のベットサイズを聞きたいとき。

これも、「あう」と音が二つあるので、all inに聞こえちゃうんです。

相手のベットを聞きたいだけなのに、こっちからオールインを返すことになっちゃうんです。本当に危険で絶対やめましょう。

ここでは

〇How much

と聞くようにしましょう。

 

×チェック?

×オールイン?

×コール?

 

相手が何かアクションをした、もしくはしたのかしてないのか分からない時。

チェック?と語尾を上げて疑問形で聞くというのはついついやっちゃうかもしれませんが、これは絶対ダメです。

慣れるまでは、その単語を使わないで聞くようにしましょう。

相手がチェックしたかどうか不明なとき、

〇is it on me?

〇on me?

〇me?

〇did you do anything?

相手が何か言って(特にオールインと聞こえた時)、ベットを確認したいとき

〇how much?

〇what is this?

〇what's that?

ここでもhow muchはとても良いです。便利かつ危険がない単語で、更にとても簡単な単語(中1で習いますね)なので、積極的に使うようにするとよいです。

 

こちらがベットして、相手がチップを出した時。特にリバー。

それがコールなのかレイズなのか確信が持てない時。

×コール?

これも、相手がもしレイズだった時、強制的にコールにされてしまう可能性が多々あります。

〇what is this?

〇what?

と聞くのが良いです。

 

相手のアクションが何か不明なときはとにかくそのアクションのポーカー用語を使わない、というのを意識するのが大切です。

 

 

英語じゃないけど番外編。

トーナメントでは、移動の際にチップを手に持って移動するのはOKなのですが、ポケットやバッグに入れた瞬間に失格になります。

移動じゃなくても、例えば安いチップ1枚をお土産に持って帰りたい、とかもアウトです。

知らなくてもダメ、即失格になるので、絶対にポケットやバッグに入れないように注意しましょう。

これで毎年のように失格になる人が出てます。

 

優良バリュー株の見分け方

2年前に株を本格的にやるようになりました。

最近は色々分かってきたので、今の時点で思っていることを記事にしてみます。将来的に、この時点でこんなことを考えていたんだなと振り返ることもできますので、自分の記録用にも。

 

日本では、純資産(総資産ー借金)100億円の会社が時価総額(その株価で全部の株を買えたらトータルいくら?という数字)30億円で売られたりしてます。

この表現は正確じゃない、というのは、純資産100億円の会社を乗っ取れるほど買おうとしたら30億円ではとても足りない(途中で株価が上がってしまう)のですが、100億円の会社の0.1%を300万円で買うことは結構出来るのです。

そういうところを買えばめっちゃ儲かるのでは?と思うのは自然ですが、単にそうやっても上手くいかないんですよね。それはなぜか。

 

会社の利益がトントンくらいの場合。

100億円の会社は、1年後も100億円です。すると、今その一部に30億円分の値がついていても、1年後もやっぱり30億円の値段なのです。

1坪100万円の地域の土地を1坪だけ30万円で買うようなもの。1坪だけでは駐車場にも出来ません。そして、数年後に売ろうとしても、やっぱり30万円でしか売れないのです。その周りの土地が将来売られたり手に入ったりする公算がない限り・・・(ここ、実は重要)

だから資産の30%(PBR0.3)のような安い値段ですら、買われないのです。

 

会社に利益が出ている場合。

純資産100億円、時価総額30億円の会社が、PER(何年で時価総額分稼ぐか、という数字)10だとすると、1年間で会社は3億円稼ぐことができます。

すると、1年後は純資産103億円、時価総額30.9億円が適正になるでしょう。

純資産の30%のままだとすると、株価が3%上がるのが妥当ということになります。

でもですよ、株式投資は年利8%が目安とされてます。リスクを取って投資するので、リスクなく運用するよりも高い利回りじゃないと魅力的じゃないんです。リスクプレミアムの上乗せ分、というような言い方をしたりします。

こういう会社はリスクが少ないとはいえ、株価が3%しか上がらないのなら魅力が薄いんです。

割安株には、割安な理由がちゃんとあるんですよね。

 

しかし、割安株は、評価が一気に変わって株価が急上昇することが多々あるんです。それは何か、ということを書いていきます。

 

1,配当

こういう安定割安株は、100億円の会社が103億円になっても、0.9億円にしかカウントされません。

しかし、配当として3億円を還元すれば、それは株主にとって3億円そのものの価値になります。

30億円の株を買って3億円の配当がもらえるのなら、年利10%になります。これだとリスクを取った価値が非常に高くなりますのでみんなが欲しくなる。結果として株価は上がるのです。

半分が配当、半分が会社に蓄えられるのだと(配当性向50%)、株主にとっては、1.5億円が即もらえて(配当利率5%)、1.5億円の30%で0.45億円分が株価の上昇分。トータルで30億円投資して1.95億円もらえる計算になり、年利6.5%。これだとまあまあ魅力的に見えてきますね。

基本的に利益を継続的に配当として還元している場合、配当利率5%を出していれば、配当が下がらない限り、株価はそれ以上下がりにくいのです。

 

2,自社株買い

こちらも、30%の価値しかない現金で、出回っている株を回収しているので、配当と全く一緒で100%の効果があります。

だから、余った現金で自社株買いをすると発表されたら株価は上がるのです。

100億円のうち3億円を使って自社株買いすると発表したとすると、株主にとっては0.9億円の価値の現金を3億円にしてくれるようなものなのです。

 

3,会社の成長

1,2は基本です。その上で、優良割安銘柄かどうかを判断する根拠として、自分は会社が成長しているかを見ています。

 

20230505_1

 

これは自分の主力の某銘柄の過去数年間の決算(株探より引用)です。

左から、

売上/営業利益/経常利益/最終益/一株益

です。ここの場合は、単位が100万円。売上は、文字通り会社の売上です。

そこから、原価や人件費、必要経費を引いたのが営業利益。

そこから利息を払ったり貰ったり、他の会社の株からの配当を受け取ったりの損益を加味したのが経常利益。

そこから税金を払ったり、一過性の利益が入ったりしたのが最終益。

その最終益を株数で割って、1株当たりどれくらい利益が出ているのかの数値が一株益です。

 

ここの会社は、2017年を底として、業績が地味ながら向上し続けてます。

指標としては純資産68億円が32億円で売られていて(PBR0.47)、今年は5.7億円の利益を出しているんですね。

今後もその数字が伸びるかどうかは何とも言えない。しかし、ここ数年の動きを見ていると、5.7億円よりは儲かる方が期待値は高いのでは?と推測するのが自然じゃないでしょうか。

 

この会社は、配当を利益の10%ほどしか出してません。6000万円ほど。

会社の値段は32億、資産は0.47倍ほどで評価され、配当が6000万円なので、年間で

0.6+5.2×0.47=3億円くらいの利益になると見積もれます。

会社の値段は32億円なので、年利9%。まあそれなりに妥当な金額に見えます。

ただ、これはこの利益と配当がずっと続く前提なのです。

ここは今のところ会社が成長していて、更に配当も増えている。その成長分が株価に全然入っていないのでチャンス。更に、株主からの突き上げで配当があがるのなら、株価は当然もっと上がります。なので単なる割安ではなく優良割安株とみて、自分は本命銘柄にしているんですよね。

 

20230505_2

 

次にこちらの会社。

2018年に業績が底になって、そこから回復しているように見えます。

しかし、ここの会社は自分は(現状では)絶対に買いたいとは思えないのです。なぜか。

 

この会社は、資産163億円、時価総額62億円。PBR0.38。

最終利益が5.3億円で、そのうち1.7億円ほどを配当に出してます。

1.7億円+3.6×0.38=3.07億円。

利回り5%ほど。先ほどの銘柄と見た目があまり変わってないのに、利回り小さいですよね。

更に、会社の利益が増えようと減ろうと、配当がずっと変わってません。(図の一番右の欄です)

実はこの会社、親族だけで50%以上の株をがっちり保有することで、外からどんなに文句を言おうとも、常に過半数確保できているので、経営者側からすると安心安全なのです。だから配当を上げる必要なんかなく、自分たちが悠々と生活できるだけのお金が毎年入ってくれば良い。配当はそういう目線で決められているんです。この会社の株価が跳ね上がることって想像しづらいし、だから投資対象として魅力的じゃないんです。これが投資界隈で言うところの

バリュートラップ」

です。割安なのは間違いないけど、今後も割安であろうと思われる会社です。

 

 

経営者が大株主の会社って、大きく分けて2通りあります。

会社の利益=自分の利益。そこまでは一緒だけど、

・ガンガン会社を大きくして資産的にも名声的にも自分自身が大きくなりたい。

・人生上がりの資産を得て、悠々自適に暮らしたい。

前者の銘柄は買いでも、経営者が後者で大株主の銘柄は避けた方が良い。

 

 

慣れると、これくらいの考察は1銘柄当たり2,3分でできます(そこまでできるようになるまで2年かかりましたがw)。

そこから面白そうな銘柄は更に深堀りして調べていきます。本命銘柄候補はどれも、最低でも10時間は調べてます。

そして、それらを株価の推移を見て、お得だと思ったら買い、評価が追い付いてきたなと思ったら売るのです。

ミックスゲームの勧め、記事まとめ

ミックスゲームをやりたい人は増えていると思いますので、過去に書いたミックスゲームの記事、過去のミックスゲーム解説動画などのリンクをまとめたいと思います。

 

kihara-poker.hatenablog.comPLOのルール説明

 

kihara-poker.hatenablog.com

FLHEのルール説明

 

kihara-poker.hatenablog.com

FLO8のルール説明

 

note.comFLO8の戦略解説動画

 

kihara-poker.hatenablog.com

2-7TDのルール説明

 

note.com

2-7TDの戦略解説動画

 

kihara-poker.hatenablog.com

スタッドハイのルール説明

 

note.com

スタッドハイの戦略解説動画

 

kihara-poker.hatenablog.comRazzのルール説明

 

note.com

Razzの戦略解説動画

 

kihara-poker.hatenablog.com

スタッドハイローのルール説明

 

note.com

スタッドハイローの戦略解説動画

 

kihara-poker.hatenablog.comNLSD2-7のルール説明

 

kihara-poker.hatenablog.com

その他、アメリカで打たれているミックスゲームのルール説明

 

 

note.comHORSEの解説動画

 

note.com

8ゲームの解説動画

 

トレードと投資と時間軸

最近、自分はかなり株式投資をやってます。その中で色々思ったことを書きたいと思います。

 

自分は基本的にべったり張り付いてトレードしまくっているわけじゃなく、結構見てはいますが時間軸としては長めで、数ヶ月から年単位で保有する前提で色々な銘柄を勉強中です。

で、見てて思ったのは、必勝の方法って難しいけど、簡単に負ける方法はあるなあと思うのです。

以下は最近自分が思っているもので、自分は株に関しては勉強中の身なので間違えていたり、微妙なことを書いていることは多々あるかもしれません。その前提で。ただ、この時期にこういうことを考えていたなあという備忘録的なものです。

 

 

トレード/投資、って、ポーカーで言うところのAOF(allin or fold)と100bbゲームくらいの差があるんですが、ポーカーと違うところは、AOFと100bbゲームが同じテーブルに混在しているのです。

6人中3人が100bbゲームをやっていて、3人が10bb持ちのAOFをやっている。これだと、100bbでやっている側は勝ちようがありませんよね。

トレードは、盛り上がっている株には短期的な資金が入って来ていて、そもそもの株価のベースライン(ベースラインっていくら?ってものは本来は存在しないかもしれないけど、まああるとして)が上がっています。

盛り上がっている株がこれから上がりそうと思って買うと、もちろんその株が長期的に成長してぐんぐん上がっていく可能性はありますが、基本的に盛り上がっていない状態に比べて割高な状態です。

そして、盛り上がりが下がってくると、短期マネーが抜けて株が売られるので、株価は下がります。

つまり、簡単に負ける投資方法は、盛り上がっている株を良い株だと思って中期以上のスパンで購入すること、だと思うのです。

そして、そういう人が後を絶たないので、株で儲け続ける人がいるのです。

 

じゃあそういう人をエクスプロイットする方法は?ということで、

・盛り上がりそうな前に買う(これがベストだけど、実際は難しい)

・盛り上がっている時に買う時は、できるだけ盛り上がりの初期に入り、熱が下がる前に売る(個人トレーダーがやっていること)

・盛り上がっている株を中期のスパンで空売りする

じゃないのかなと思います。

 

多分、一番カンタンなのは、最後の、盛り上がっている株を空売りする、だと思います。しかし、これに関してはどでかいデメリットが。

・跳ね上がったときのリスクが莫大で、個人だとそのリスクが許容しづらい

空売りの手数料と金利が大きい

・そもそも空売りできない銘柄がたくさんある

があります。空売りできない銘柄ですが、個人は空売りできないのですが、ヘッジファンドなどは証券会社から株を借りて空売りするすることができます。ヘッジファンドくらいの規模があってあちこち空売りしていれば、どこかが跳ね上がっても、他で取れたら平均的には儲かるのです。なかなか不公平な世の中ですね・・・

 

まあそこは置いといて、個人トレーダーは、盛り上がりそうな株を買ったり、盛り上がっている時にさっと入ってさっと抜けることで利益を得ているのだと思ってます。

「上がっている株を買って、下がっている株を売る」

というのはトレーダーはよく言うけど、そういう仕組みなんだなと思います。そのためにチャートを見ているんです。

 

でも一般の投資家(トレーダーとは違って投資)は、そんなにずっと板を見続けることなんてできません。自分もそうです。

一番良いのは、みんな言うけどインデックスですね。でも個別株を買いたい。それなら、以前から言っている

 

・自分が利用している会社の株を買う

・優待があれば尚良し

 

に加えて、

・多くのトレーダーが良いと言っている、盛り上がりの最中の株は買わない

・株が暴落して、投資家がギャーギャー言っているタイミングで買う

じゃないのかなと思います。

 

中長期投資家は、盛り上がっている株を買うと、どうしても高値で掴まされてしまいます。それを避けるべきなのです。

 

ちなみに自分は、

・数年間スパンでしっかり利益が出続けていて、直近で利益が増えている会社

・数ヶ月スパンで業績が伸びそうな分野

・盛り上がって無くて、人気がなく、値動きが小さい会社

・配当がそこそこ(3%前後以上)ある会社

を買うように意識してます。上から順に意識しているところです。

業績が悪く、数年単位で株価がだだ下がりしている株は、盛り上がっていなくても絶対ダメ。でも、利益が出続けていて健全な会社なのに、不人気な会社って結構あります。そういう会社こそ、個人投資家が狙いをつけるべき会社だと思います。

また、そういう会社は当然ですがお得なので、TOB(他社による買収)やMBO(経営陣による株の買い取りでの上場廃止)が起こりえます。自分は既に持っていた会社が5社もTOB/MBOされています。

上ブレかもしれませんが、でも利益も配当も出ているのに、2000億円の資産がある会社が500億円で取引されていることも多々あるわけで、そういう会社の4%の配当を受け取りながら株を放置しておくのが最善なんじゃないかなと自分は思うのです。

 

短期的に株価が上昇していて盛り上がっている株を長期目線で買うのは、ポーカーで例えるなら、3人がAOFをやっていて、2人が100bbで持っているテーブルに100bbで入るようなもの。もちろんハンドが入れば勝つことはあるけど、そこに100bbで座ること自体が最初から期待値マイナスなのです。

 

ポーカースタジアム、稼働終了と雑感

本日、2022年2月28日を持ちまして、自分が監修させていただいたポーカースタジアムは稼働終了となりました。2年間プレイしていただき、ありがとうございます。

開発期間から数えると4年関わっていて、とても愛着があるゲームだったので、正直なところ終了してしまうのはとても残念です。

 

自分自身も、高校時代は平均して週5でゲームセンターに通ってて、浪人時代も大学生時代もかなりの頻度でゲームセンターで遊んでいました。

「こんなに無料でゲームができる時代なのに、なんでお金を使ってゲームセンターに?」

とはよく言われますが、たくさん通って、たくさんお金を使って来た人間だからこそ、ゲームセンターで遊ぶことの楽しさもわかりますし、なぜゲームセンターに行くの?という気持ちも良くわかります。なので、ゲームセンターのポーカーでより楽しんで貰えるように少しでも協力したいと思ってました。

しかし、こういう結果になって、自分の力不足を実感する次第でもあります。

 

監修が入るようなゲームだと、監修側がプレーヤーの目線になりすぎて、全然儲からない仕様を提案して、多少なりとも利益にならないと困る運営側と意見がぶつかる、というのがよくありがちなのではないかと思います。

しかしポーカースタジアムの開発で印象に残っているのは、自分が

「この仕様だったら全然インカムにならないと思うからどうでしょうか」

と言い、伊藤pの上司の方に

「インカムのことは気にしないで、もっと楽しいと思うゲームになるように考えてほしい」

と言われたのはいい思い出です。

 

日本の大企業とご一緒にお仕事をさせていただいたのは、今回のバンダイナムコ様が唯一です。ご一緒させて頂く前は、大企業は融通が利かないことが多いのかな、というイメージ、偏見がありました。

しかし、ご一緒に働かせて頂いて、自分が気づいてなかったことに気付かされました。

それは、見切り発車で後から何とかする、ということをせずに、細部までキッチリと詰めてからしっかりスタートする、ということが企業への信頼に繋がり、その信頼の積み重ねの結果として大企業という地位を築いているんだなということでした。言葉にすると当たり前なのですが、なんだろう、これを感覚的に理解した、納得したという感じなのです。

 

 

製品が出来て、最初のロケテスト

当初のルールは、40bb持ちの時間50秒。

テストに参加された方は覚えているかと思いますが、サクサクプレイすれば、タイトに打ちつつ、ちょっと勝ち残ると200円で2時間遊べることもあるという状況でした。いくら楽しいと思うゲームを目指していても、それはまずい。

本来アグレッシブに攻めるのが正しい局面でもチェックで回してしまうことが想像以上に多かったのです。

かと言って、「10ハンドとか10分とか打ったら100円」というような仕様だとゲーム性が壊れてしまいますので良くないというのは自分も運営側も全員の総意でした。

それならば、自然にアグレッシブにプレイしてもらえるように、ということで、1ハンドごとに時間が固定で減り、ポットを獲得したり、相手を飛ばしたら時間が回復するという仕様を導入することにしました。タイトにプレイするのが好きという人から不評なシステムだったのは承知してますが、一方でどんどん参加し、ガンガン攻める人が損をして、じっと待つことが得をするようなシステムはゲームとして致命的な欠陥であるという思いもあり、このシステムで行くことになったのです。

たくさん遊んで頂いた方は、この思いを共通で持って頂いていると感じますし、思いに賛同して頂けていたことはとても嬉しく思います。

 

個人的にとても残念だったのは、稼働期間中がコロナ禍とドンピシャリで被ってしまったということです。サービス開始して一気に認知度を上げたいというタイミングでコロナ禍もスタートし、緊急事態宣言によって出鼻をくじかれることになりました。そこで沢山の人がプレイしてくれたら、じゃあうちの店舗にも置いてみようというゲームセンターの方も出てきたのではないかと。

そして、サービス終了するまで結局コロナ禍が完全に明けることはありませんでした。

スタートして、順調にプレーヤーが増えていったらあれをやろう、これをやろう、と色々話し合っていたアイデアは多々あるのですが、ほとんど形になることがなく終了してしまいました。

 

たらればを言ってもしょうがないのは分かってますが、コロナがなかったらポーカースタジアムはどの程度広まっていたのだろう。稼働終了の心配なんて無いくらい流行っていたのか、それともさほど変わらない立ち位置になっていたのか。それが見られる世界線でなかったのがとても残念です。

一方で、同じコロナ禍にあっても、自分がもっと良く立ち回れていればもっと多くの人に楽しんで貰えてサービスは継続出来たのかな、それともそう思うこと自体、思い上がりなのかな、と思ったりも。

 

 

 

なんかとりとめの無い文章になってしまいました。

2年間に渡って、ポーカースタジアムで遊んで頂いた方、ありがとうございます。

ポーカースタジアムはサービスを終了してしまいますが、自分はポーカーをやめるつもりはありません(プロとしていつまで続けるかは分からないですが)ので、いずれどこかでお会いする機会はあるかと思います。その際は是非またよろしくおねがいします。