木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

AIの影響による、半導体と為替についての将来予測

今時点でのAIや半導体、為替についての予測を書いておこうと思います。

https://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2025/12/03/103423

こちらのリンクは2025年の年末に書いたAI開発戦争の行く末を予測した記事です。

 

AIが人間よりはるかに優秀になる→どのAIでも人間から見たらすごすぎて逆に差がない→AI同士のトップ争いへの興味の低下→価格競争スタート

という大枠としてはその予測に対する確度は高くなったと思ってますが、グーグルが開発戦争から降りたのは意外でした。

これは株を買う投資家目線では、グーグルがより強くなったと思ってます。

 

 

さて、2026年9月現在、今でもAI開発戦争は続いてます。というか、ピークを迎えてます。

オープンAI、アンソロピックが上場するのかしないのかという議論。中国製のAIの台頭、そして、中華AIの中身は・・・?議論。

 

AI開発戦争は、オープンAIやアンソロピックの上場がなされるまでは続くでしょう。というか、AI開発戦争がピークを迎える直前に上場するでしょう。

ここからどうなるか。

 

・前年の最高のAIよりも、翌年の安いAIの方が性能が上

・それならば安いAIでいいよね、という雰囲気の醸成

・最強のAIを作るメリットがなくなる

 

この流れはほぼ確実に来ると思います。ではそれが来るとどういう連鎖反応が起きるのか。

・AI開発への費用が減り、AI価格が軒並み手が届く範囲に

・半導体を札束で奪い合っている現状から、ある程度価格が落ち着く(戻る)

・AI関連銘柄の業績が悪化、半導体銘柄は業績がピークを迎えた状態で株価急落、それによってSP500がダラダラ下がり、そこへの投資意欲が減退。

 

これが起こると考えてます。そして次に為替。

そもそもなんでこんなにドルが強いのか。もちろん戦争要因が大きいのは間違いないけど、それに加えて

・世界中からAIへの継続的な課金→あらゆる通貨からドルを買う需要

・SP500が堅調→SP500やオルカン買い→あらゆる通貨からドルを買う需要

と、これらはドルの実需要因なのです。

 

そこで、AI開発戦争が終結するとどうなるか。

・AIへの課金が減る→ドル買い実需が減少

・SP500が下がる→SP500買い需要が減る→ドル買い実需が減少

これに加えて、スマホ課金を迂回する企業が増えているので、それに対するドル買い需要も減少するでしょう。

それらによって、ドル買いの実需が減ります。それは今のドル高からの脱却に繋がります。

 

以上から、半導体銘柄および為替の具体的な動きとしては

・今年11月、来年2月、来年5月のどれかで、半導体銘柄が素晴らしい決算を出す→そこで株価は急落

・為替はもう少し実需で動くと思うので、来年にドル安が進み、来年中盤以降は140円台中頃くらいが標準的なラインとして認識されるようになる

 

こういう予想を出しておきます。これが当たるのかどうか、また来年の夏以降に検証したいと思います。

 

リスクプレミアムの変化

またポーカーと関係ない話題ですいません・・・

ポーカーの記事を期待している方はそのまま閉じて頂いて問題ないです。

 

 

今は実体経済と株価が全然連動していないように見えます。

原油が入ってこない→経済悪化→なのに株高

 

常識で考えるとあまりにおかしいですよね。これは何が起こっているのか。やっぱり鍵は「インフレ」だと自分は思うのです。

 

チンパン銘柄の評価について - 木原直哉オフィシャルブログ

 

前回の記事。これの追加記事という感じです。

 

直近までの株の世界の常識。それは

「世界経済は年5%ほどで成長(インフレ)している。そこにリスクプレミアムが4%ほど乗っかって、資産を株式として保有した場合、長期的に9%程度の利益になる」

だったと思います。

 

しかし、コロナの影響で世界は一気に現金余り、つまりインフレが進行しました。そして、今のイラン戦争によるオイルショック、これはインフレを加速させるブースターです。

このどんどんインフレしていく世の中になって、今は

「資産を現金で保有することはリスクである」

という認識が世の中に広がりつつあります。

 

今までは、資産を株で保有することがリスクだったため、4%のリスクプレミアムを受け取ることが出来ました。

しかし、現金で資産を保有することがリスクであり、資産の本質は株やゴールドの側なんじゃないか、そういう認識に世の中が変化していきます。すると何が起こるか。

現金で保有することがリスクプレミアム0%→1%(株の視点で言えばー1%と言えばいいのかな)という認識になったら、仮に差の4%が固定なら株で保有するリスクプレミアムは4%→3%へと変化します。

 

すると、インフレと同程度の成長をすると見られている会社は、元々

100÷9=11.1

というPERが妥当だと見られていたとすると、

100÷8(世界インフレ率5%+リスクプレミアム3%)=12.5

というPERが妥当だという認識に変わります。

リスクプレミアムが2%なら、妥当なPERは14.2%です。

これだけで、妥当とされる株価水準は9÷7で1.28倍まで上がります。

 

そして、インフレ率以上に成長している企業は、成長率をもっと高く見積もることになるので、もっと株価水準が高くなります。

 

1か月という短期ではインフレ率なんて変わらないわけですが、今変わっているのはこのリスクプレミアムの水準なんじゃないでしょうか。

仮にこの水準訂正が28%あり、実体経済がー10%の影響があったとします。

すると、1.28×0.9ー1=1.15。

その時、実体経済がー10%なのに株価が+15%になる。

実体経済と株価が全然連動していない、今までの常識が通用しない、となるわけですが、実際はちゃんと実体経済のー10%が織り込まれて、その結果として株価は+15%になるのです。

 

ここでの常識、つまり偏見は、

「リスクプレミアムは変化しない」

ですが、リスクプレミアムが変化しないという合理的な理由なんて存在しないですよね。

 

今起こっていること、それは

「リスクプレミアムの水準訂正が起こっている」

だというのが、今の株高に対する自分の仮説です。

チンパン銘柄の評価について

久しぶりの投稿ですが、またポーカーじゃなくて株の話です。ポーカーの話は出てこないので、株に興味ない人は読み飛ばしてください。

 

 

今の投資界隈は、ごく一部の銘柄がバリエーションを無視して上がっています。

少なくてもバリエーションを無視して上がっているように見えます。今までは全然評価されてなかったのに・・・

その一方で、全く評価されない銘柄は全然上がって行かない。

これは何が起こっているのでしょうか。

今日、突然腑に落ちたので、それを備忘として書いてみようと思います。

 

 

仮に、突然世界中のお金の価値が半分に。つまり現金が2倍になったとします。持っている1万円札も、2万円と読み替える感じ。それが全ての通貨で起こったとします。そうしたらどうなるか。

 

そうなっても人間の生活は基本的に何も困りません、すべての数字が2倍になるだけです。貯金も年金も物価も。当然株価も。

すると、今1万円の株があったら、その変化の後では2万円ですよね。それがインフレです。

 

もちろん、そんなことは実際には起こりません。ただ、2倍にはならなくても、毎年10%の上昇が数年続くということはあり得ます。

日本はずっとデフレだったけど、世界は毎年インフレしていて、やっと日本もその世界のインフレに追いつこうとしています。

 

全てのものが2倍になる。これって、すぐには起きないけど、20年後とかだったら確実に2倍以上になっているでしょう。

すぐには起きないけど、これがじわじわとした変化として起こるのです。

そして、その変化は平等に起こるわけじゃないです。

数年後に平均的に物価が1.5倍になったとしても、1.2倍にしかならないものもあれば3倍になるものもある。

 

株が割安かどうかを測る指標として、収益バリューとしてはPERが使われます。

売上1兆円、営利1500億円、最終益1000億円。その会社が2兆円なら、PSR2、PER20です。

売上4超円、営利1000億円、最終益700億円。その会社が2兆円ならPSRは0.5、PERは28。

そして、このPERを同業他社と比べて、この会社は割安/割高、と考えます。また、受注残などから数年後の利益を見積もって、見積もった数年後の利益を元にしたPERを再計算して、横の比較をしたりします。

 

ここまではインフレという概念は関係ありません。ここで、大きなインフレが起こることを織り込んで考えます。

インフレが起こった時に、真っ先に価格が上がるのは、希少なもの。都心の一等地や、タワマンの最上階のような、供給が圧倒的に限られているもの。これが最初に高い競争にさらされるのです。

そして、次にタワマンの高層階、中規模マンションの最上階・・・

 

じゃあ工業製品だったらどうでしょう。技術や設備や特許が理由で、世界でその会社しか作ることが出来なくて、作るのが大変なもの。これが圧倒的に価値が上がります。

独占じゃないにせよ、一時的に需要が高いのに作る会社が少ないのもこれに相当します。ちょっと前の造船バブルなんかもそうですよね。船の価格がセリでどんどん吊り上がって行ってました。

 

独占じゃないにせよ、ごくわずかな会社しか作れず供給が限られている。にもかかわらず、需要が急増していている。設備投資をしようにも、工場を新設して稼働するまで数年かかる。

 

そこに世界全体としてのインフレが乗ると、そういう製品の価格は跳ね上がります。当然会社の利益も跳ね上がります。

今だと設備投資のコストに押されて利益があまり出ていなくても、インフレすると製品の価格が先に跳ね上がり、その後設備投資のコストが上がるんですよね。何より減価償却費はインフレしませんから。

 

すると、今まで一定の設備投資、一定の利益率、を想定していて、すると収益バリュー株を比較する上でPERで比較していくことになるわけですが、価格競争力が高い製品を持っていたら、PERで評価することが不適切になっていくのです。じゃあ何で評価すればよいのか。それがPSRでの評価です。

 

つまり、このインフレ時代においては、高い競争力を持っている製品を作っている会社の横を比較するときは、PERではなくPSRで比較しないといけないフェイズに入ってきているのではないでしょうか。

そして、PERからPSRで評価されることが可能な製品を持っているにも関わらず、現段階で横の会社よりもPSRが低いというのが、相対的に割安な会社としてみなされているのが今なんじゃないかなと思うのです。

一方で、代替のものがたくさんあるような会社や、無かったら我慢すれば良いというような製品、サービスを提供する会社はPSRで評価されず、PERで評価され続けるのです。

 

 

参考までに2026/4/9時点における製造業のPSRを半導体系と半導体以外で列挙します。

アドバンテスト::18

レーザーテック:16

東京エレクトロン:8

ファナック:7

キオクシア:7

 

フジクラ:8

日東紡:8

JX金属:5

信越化学:5

村田製作所:4.3

テルモ:3

三井金属:2.7

古河電工:2.4

京セラ:2

TDK:1.8

住友電工:1.7

ソニー:1.7

パナソニック:1

トヨタ:1

 

ユニクロ:5.7

任天堂:5

三菱重工:3.5

リクルート:3

第一三共:2.5

 

 

AI開発戦争の行く末

note.com

 

こちらの五月さんの記事を読んで自分なりに思ったこと。

この手の話は、将棋AIの開発とすごく話がリンクしてると思うんですよね。

将来的な人工知能というのは、ゲームという狭い世界における人間とAIの差、と同じ感じでどんどん差が開いていくのは間違いないでしょう。

では、どのAIが勝つのか。

それは、人間と将棋AIとの関係を見ることで、将来を予測できると自分は思うのです。

 

先に結論を書くと

「一番強いと思われるAIが使われるAIとして君臨するわけではない」

という事なんじゃないかなと思います。

geminiにしてもchatGPTにしても、今の段階だったら人間にアップグレードされた感覚はあるかもしれませんが、2,3年経ったら、もうはるかに人間の能力を超越して、そこから性能が上がっても人間的には全く違いが分からない世界に入っていくのだと思います。

将棋AIはどんどん進歩して行っており、2025年の将棋AIは2022年の将棋AIより強いのでしょうが、人間にはそれを判断するすべがもうないのです。

そして、将棋AI同士の対戦である、GWのコンピュータ将棋選手権も、人間に追いつき追い越した頃の方が外野にもニュースとして流れていたけど、今は当時よりはるかに高いレベルで戦っているにも関わらず、世間的な関心はかなり失われたと思うのです。

同様に、今はgemini3とチャットGPT5.1はどっちが良い悪いと話題になってますが、それは自分の感覚だと2010年から2015年の将棋AIの論争に近いものを感じるのですよね。まだレベルが人間のトップに近いため、関心を持って差を見られるし、人間もまだ評価しえるのです。

では将棋AIでいうところの2018年以降相当までこれらのAIのレベルが上がったら?

将棋AIは直接対戦させることで、どっちが強いということをいう事が出来ます。しかし、こういう人工知能だったら、どっちが強いかを評価するすべを持たないです。

今の段階では、相手よりも優秀なAIを作るんだという戦いをしている段階ですが、その段階は近い将来に終了し、

「AIはgeminiでもChatGPTでもどっちでも良くない?」

という時代が来るんじゃないでしょうか。

 

そういう時代になったら、人間はどのAIを使うのか。

それを将棋AIで考えてみましょう。

強くなりたいと思う将棋ファンやプロ、プロの卵がいたとして、その人はどのAIを使うのか。

「強さは、トップの方だったら割とどれでも一緒だよね」

という評価になると思いませんか?

その時に、どれを使うかという決め手は、

 

・導入までのハードルの低さ

・周囲(主に先輩)がどれを使っているか

・使ったときの便利さ(機能)

・既存の環境との相性

・解析の軽さ/速度

 

ここら辺が決め手になるんじゃないかと思います。

つまり、そのレベルになったら、もう誰もAI自体の能力差はどうでもいいという段階に到達するはずです。

課金だって、今はより良いAIを使うための高額な課金があるけど、一番優秀と言われるAIじゃなくたって、1段階レベルは低いかもしれないけど無料というAIがあったら、それで十分じゃないかという結論になると思います。

ここから先で何が使われるAIになるかという視点で重要になるのは、AIの優秀さの戦いではなく

 

・人間同士は何を使ってコミュニケーションを取っているか

・既存の環境と相性がいいのはどのAIか

・価格

 

なんじゃないでしょうか。

そうなると、gmailを使っている人はgeminiを使うし、outlookを使っている人はchatGPTを使う。

検索でグーグルを使う人はgeminiを使うし、オフィスを使っている人はchatGPTを使う。

そもそも、AI時代ではグーグル検索すら古くなるかもしれないし、オフィスも使われなくなるかもしれない。

すると、将来的により勝つのは、Xや、インスタ/FBを持つメタかもしれない。日本ではLineを持つソフトバンクかもしれない。そういえばアメリカで一番使われているWhatsappを持っているのもメタですね。

 

そして、そういう次元に到達すると、今度は巨額の資金を投資してAIをより優秀にさせようという流れは沈んでいくんじゃないか。そこで戦って勝ったところでお金にならないので。

すると、AI戦争は次第に縮小していき、半導体への現在の過剰投資が設備投資の課題になり、減価償却として数年後に負担として残る。

そんな未来を想像したりしてしまうのです。

 

もちろんこれが確実に起こる保証はないです。

ただ、ゲームの世界は現実の世界の縮図だと自分は思うのです。そして、縮図であるからこそ10年20年先を先取りしているのではないでしょうか。

当たるか外れるか分からないですが、現時点での自分のAI戦争の将来をこう予測して見てます。皆さんの参考になればと思います。

ポーカー的視点から見た、今後の麻雀の進化予想

自分は元々麻雀のガチ勢で、その後ポーカーに転向した人間です。

ポーカーと麻雀って、かなりゲーム性が近いと自分は思ってます。

1ゲーム単位では麻雀の方が圧倒的にスキル差を出す要素があるけれども、ポーカーは1ゲームが短いので回数をこなすことが出来るというところで、トータルで見たところの運と実力のバランスも似たようなもの。

両方とも相手の手が分からず、次に何が来るかも分からない中で決断していくゲームという点も共通です。

 

となると、戦略として似たような思想が通用すると思うのです。

自分がポーカーをやってきた中で、今の麻雀プロがあまり重要視していないけれども、実は将来的に重要視されるだろうことを書きたいと思います。

 

それは、根本的な思想で言うと1つですが、麻雀の具体的なプレイに落とし込んだ場合、2つになります。

根本的な思想としては、

「弱いレンジを守る意識」

が今の麻雀プロには希薄だなと感じるのです。

 

例:東1局親番、8巡目。

手はタンピンドラドラの36p待ち。河からの情報として待ちとしてはまあまあ悪くなく、最終手出しも待ち牌に近くないとします。

この手は、リーチして6000オールをツモりに行くのが一般的とされてると思います。

しかしですよ、こういう手を必ずリーチする人が相手だった場合、相手は

「中盤までは、リーチが来るまではそこまでダマテンを心配せずに打牌して行って良い」

「リーチが来る前に危険な牌は先切りしておくべき」

となります。

 

一方で、タンピンドラドラを毎回ダマにする人相手だったら、まだこちらが聴牌していなくても、相手は

「そろそろきな臭い牌が出てきたから高い手のダマが入っているかも」

と警戒せざるを得なくなります。

 

そう、自分が思うダマのメリットは、聴牌していない状態でも、聴牌が入っている可能性を相手の頭にちらつかせる。聴牌していない状態は絶対にその瞬間には上がれないわけで、ポーカーで言うところのハンド全体の組み合わせ、すなわちレンジで言えば弱い部分に相当するのですが、それを守ることに繋がるのです。

「親だから愚形でもいいから早くリーチして相手に自由に打たせないようにしたい」

というセリフはよく聞くところですが、こういう高打点のダマを戦略にしっかり組み込むことで、リーチをしていなくても相手は自由に打てなくなるのです。

こういうダマテンって、昔は

「堅実に親マンを上がるために」

と言って実行する人がいて、それに対して、

「ダマにしたことで逆に相手が自由に打てて、それによって上がられてしまうこともあるから全然堅実じゃない」

という現代雀士からの反論がありました。でもそれは、聴牌していない状態を守るためという意識でダマにすることを考えるべきなのです。

 

 

親番で、ドラが1s

手は四巡目で

1134578③④④六七八北

四巡目だし、普通に北を切って四枚多く受けを取り、ドラ受けを残したいところですよね。

でもこれが長引いて九巡目になったとします。その間に七とか三とか4とかツモ切り(もしくはカラ切り)したとします。すると、早い段階で切った牌の外側は通りやすいですよね。

でも、ここで受け入れを犠牲にして④を切るとします。すると、そういう人のリーチにはその後色々ツモ切りしても、その外側が通りやすいとは限らなくなるんですよね。

つまり、待ちが絞りづらくなる。

こういう先切りって、昔は

「先切りすることで相手から当たり牌を引き出す」

と言ってましたし、それに対して、

「それ以上に受け入れ枚数が20枚→16枚になるのは痛く、先切りしたところで上がれる確率は上がってない」

という現代雀士からの反論があります。

でも、先切りをしないでストレートに打つ人の捨て牌は、序盤に出た牌の外側が通りやすいというのは事実としてあり、それによってリーチを受けた相手がそのリーチに対して回って聴牌を組んだりしやすくなるのです。

 

つまり、今の主流である、

「好形高打点の最終形はリーチ」

「高い手はいち早く聴牌するために牌効率を最大化して打つ」

という思想は、

「ダマに対しては危険牌を先切りしたりするなど、ダマをそこまで警戒しない」

「序盤で切れた牌の外側は比較的通りやすいので安心して切る」

という搾取プレイに繋がり、その搾取プレイが実際かなり致命的に正しいことになっているのです。

デジタル麻雀という名前で、牌効率重視したスピード麻雀がもてはやされたりするわけですが、一見牌効率的に悪く見えても、実は上のような搾取プレイを許さない昭和の時代の麻雀が、搾取不能な

「麻雀の均衡解」

「麻雀の正解」

と将来的にはされるものが多々出てくるのではないか、と自分は思うのです。

株を保有することと、株主になるということ

久しぶりの記事がポーカーと関係ない話ですいませんw

最近はかなり株をやってます。その中で他の投資家の方と会話する中で思ったこと。

 

本来の定義としては、

「現物株を保有すること」と「株主になること」

は全く同義なんだろうと思います。そして、ほとんどの人はその定義通りに株主というものをとらえているとも思います。

しかし自分は、少数派の感覚であるということは自覚したうえで、

「値動きで株を売ったり買ったりする前提の人は、保有中でも株主ではない」

という感覚があるんです。たとえどれだけたくさん株を持っていても。

 

自分は優待目的で、コロワイド、ラウンドワン、伊勢丹、タカラトミー、銀だこを優待最低単位、数年間持ってます。これらの銘柄については、自分は「株主」であるという感覚があるんですよね。

でもそれらより金額で言えば100倍以上保有している銘柄もあるんですよね。大本命で持っている銘柄はまだ買ってから10か月しか経ってないけど数年後も同様に持っているだろうと思っているから株主という意識はあるけど、他の銘柄は株を持っていても株主という感覚はないんです。

で、どうしてそういう感覚になるんだろうと考えたんです。

 

 

www.kadokawa.co.jp

9月末に出したエミンさんとの共著の中でも書いたのですが、自分にとって値幅で利益をあげる行為は、時間軸によって投資と呼ばれたり投機と呼ばれたりするかもだけど、呼び方はどうでもよくて自分にとってはあまり変わらない行為。それは、どちらも

「儲けるために、儲かる銘柄にお金をつぎ込んでいる」

行為なんですよね。そして、銘柄選びとは、ポーカーで儲けるためのテーブル選びと全く一緒の行為だと思うのです。

もちろんそのことは悪いことじゃないです。でもそれは自分にとって、真の株主という感じがしないんですよね。

 

自分にとって株主というのは、

「会社の一部の割合を保有すること」

という意識なのです。そして、会社の一部を保有するという意識ならば、株価なんてどうでもいいという意識なんじゃないかと思います。

 

多分ですが、一部の経営者は自分と同じ意識を持っているんじゃないかと思います。だからこそ、

「株主の利益になる」

という信念で会社を経営していても、その時にたまたま株を保有しているだけの人の利益はどうでもよくて、株価すら全く見ずに会社にお金を預けてくれている株主の長期的な利益に繋がること、という意識で発言をしているんじゃないかと思うのです。

なんなら、

「儲けるために現在短期的に株を持ってるだけの人が株主面するなよ」

と思っている社長や取締役は相当数いるだろうなと思ったりもします。

 

もちろん制度的には「短期的に株を持ってるだけの人」も間違いなく株主です。なので、自分の感覚や、いるだろう一部の社長の感覚の方が間違えています。それは重々承知の上で、そして自分の感覚が少数派であることも承知の上で、それでも自分は短期的に株を持っている人を株主と呼ぶことに違和感があるのです。

 

ICMに基づきすぎるプレイは期待値を大きく落とす

kihara-poker.hatenablog.com

 

こちらの記事の続きです。

前回の記事にて、

「ICMとは、順位を決定する時に、誰とぶつかったら飛ぶかなどを全く無視した順位決定のmodelである。」

と書きました。ではこのことが結果にどういう影響を及ぼすのでしょうか。それは、

 

「ぶつかった時にショートスタック側のみ一方的に飛ぶという可能性を考慮できていないモデル」

→

「ショートスタックの期待値が、本来より高く表示されるモデル」

 

であると言えます。

「そんなことはない、その証拠を出せ」

と言われたら、その証拠はありません。なので、自分の仮説とでも言った方が良いかもしれませんが、自分は上に書いたことおよびたくさんのトーナメントをプレイした経験を根拠にそう言ってます。

 

このスタックで、ブラインドは500-1000、アンティはBBアンティなら1000だけど、ここでは全員から250ずつという計算にしてます。賞金分布は、

1位100

2位70

3位50

4位35

というファイナルテーブルの残り4人の状況を想定しています。

 

これのオールインオアフォールドの計算結果はこちら↓

 

次に、勝者総取り設定で、チップEVのみにしたオールインオアフォールドの計算結果はこちら

 

チップ期待値のみだったら36.7%オールインしているボタンが30.9%までタイトになり、何よりチップ期待値のみだと75.3%もオールインすべきSBが49.6%まで減っています。

 

これは当然、4位から3位への賞金上昇、3位から2位への賞金上昇を期待したものですが・・・

でもこの結果を見て、本当に信じられますか?

特にSBは、フォールドしたところで、自分自身が4位の最有力プレーヤーであるということに変わりはありません。にも関わらず、オールインすべきハンドが75%から50%まで25%も減るというのです。

 

更にこちらの画像↓

 

ハンド前後での期待値の増減を現したものです。

ビッグスタックのBBの期待値を見てください。何と、BBが通過する前後で殆ど期待値が変わってません。当然ですが、他のポジションからはこのビッグスタックは、期待値を増やすことが出来るでしょう。とすると、1周後にはこのBBの期待値は当然上がってます。つまり、ICMによる計算結果はビッグスタックを過小評価するのです。

 

 

ではなぜこういうことが起こるのか。

 

「ICMはショートの期待値を高く見積もりすぎる」

→

「その瞬間のハンドで飛ぶリスクを過大評価し、その瞬間で稼ぐチップを過小評価する」

→

「タイトすぎるレンジが表示される」

→

「そのレンジによって、よりショートで生き残ることになる」

→

「より飛ぶリスクが高く評価されてしまう」

 

という悪循環に陥るのです。

この悪循環がなくても、単純に損なプレイが表示されてるのに、この損は将来にわたって何度も連続で払わざるを得ないものなのです。

この10bbのショートスタックのSBは、ハンド前後の期待値の表から、ハンド前で20.46%、3位の賞金である19.61%より高く表示されています。

飛ぶとこれが0になるので、リスクが大きい。だからたくさん降りる。

でも、本当にそんなプレイをしていて、期待値として3位より上になりますかね?

そもそもおり続けていても4位の最大の候補であるわけで、15bbの人が先に飛んでくれたとしても圧倒的な3番手になるわけです。4位になった分を、2位以上の賞金上昇でカバーできるという数字なのですが、自分はそういうイメージはわきません。

 

ここでもう一つ、チップチョップという概念があります。

確定した分を引いた、残った賞金を、チップ量で山分けするという計算ですね。

こちらは逆に、チップを持っている人が有利になりすぎる分配で、圧倒的なスタックを持っていれば、優勝賞金より高い金額が表示されることも多々あります。

 

その計算でいけば、4位の人のチップチョップは

(1-0.1373×4)×10000/(10000+15000+20000+40000)+0.1373=0.1903%

 

3位の賞金より小さい数字が表示されました。

もういう「もし」を計算機で計算はできないのですが、負けて失うとしてこの数字を仮定して計算させたら全く異なる計算結果が出るはずです。

 

 

軽くまとめると、

ICMが表示する計算結果はショートの期待値を高く見積もりすぎである

→

それによってショートのオールイン負けリスクの過大評価につながっている

→

それはショートスタックがショートのまま生き残る結果に繋がり、さらなるオールイン負けリスクの過大評価になる(もっとショートになるから、1チップ当たりの過大評価が大きくなる)

→

これは負の連鎖であり、ICMの計算結果に基づきすぎるプレイは期待値に甚大な悪影響を及ぼすことが多々ある

 

のです。

 

次回(最終回)は、どういう見積もりが適正なのか、それを、

・賞金期待値

・プッシュ側のプレイ

・コール側のプレイ

・バブルファクターの推移グラフ

などにおける自分の経験則に基づく仮説を書こうと思います。