木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

ミックスゲームの勧め、PLO

多くの日本人にとって、ポーカーと言えば5枚貰って一回チェンジして手を見せあって勝った負けた!です。最近では、取材を申し込んで来る人はポーカーがそれではないということは知っているのですが、2012年とか2013年くらいまでは、ポーカーはどうやってチェンジするかとかのパターンを覚えるのですか?とか聞かれたものです。

 

で、このブログを読んでくれている多くの方にとって、ポーカーとはノーリミットテキサスホールデムを指すでしょう。

でも、ポーカーってそれ以外にもものすごくたくさん種類があるのです。

テキサスホールデム以外だったら何をやったらいいのですか?とよく聞かれますが、まずは、圧倒的な2番人気種目のPLO(ポットリミットオマハ)です。

ルールとしては、テキサスホールデムと同じようにブラインド形式ですが、違うところは3つ

1,手札が4枚

2,手札から2枚、ボードから3枚を使う(テキサスホールデムだと、手札1枚ボード4枚というのが許されますが、PLOでは許されません)

3,ベット金額が1bb以上ポット以下。

ポットが10bbなら10bbまでしかベット出来ません。

例えばブラインドが1/2だとします。そこでポットレイズしたいとすると、まず2ドルをコールします。すると全部で1+2+2で5ドルのポットがあるので、5ドルまで上乗せ出来ます。つまり、ポットレイズは7ドルです。

 

PLOはゲームとしては、手札が4枚あるので強い手ができやすいです。

それから、ホールデムだとAAは一人相手には平均で85%、最も相性が悪いハンドでも76%勝てます。しかし、PLOでの最強(AAJJdsと言われてますが、AATTdsだろうとAAKKdsだろうとAAKQdsだろうとAAJTdsだろうとほぼ同じです)ハンドであっても、平均で65%程度、最強のハンドでも相性が悪いハンドには60%を切ることもあります。つまり、フロップ以降での逆転(さらに再逆転も)が多いのです。

また、ハンドの組み合わせが非常に多い

(52×51×50×49÷4÷3÷2=270725通り)

ので、表を作るというようなことが基本的に出来ません。

ホールデムだと、ターンやリバーで相手のハンドが10通りくらいに絞り込めることがたまに出来ますが、PLOだと人間には事実上不可能です。

その中で何を判断の基準にしてプレーしていくのか。

 

自分はポーカーを覚えたのが25歳の後半で非常に遅いですが、ベースに数学の知識があり、計算力があり、それらを使ってポーカーをプレーしてます。

なので、ホールデムでも、相手のハンドの組み合わせを具体的に考え、数え、その中でどうプレーするのが最善かを考えてきました。

しかし、キャリアが長い人は、もっとざっくりとプレーします。そして、そのざっくりしたものが非常に正確なのです。

 

PLOは、相手のハンドを数えたり具体的に考える事が不可能です。

もっとざっくりとハンドの組み合わせをイメージし、ざっくりと扱う。良く言うのが、雲のような「もやー」っとしたイメージを持ち、そこに濃淡があり、その濃淡に対してどう対応するのかを考える感じです。

そして、PLOをプレーしたことで、NLHEにおいても、この「もやー」っとした感覚が身についてきたんですね。それは自分にとっては大きな成長でしたし、PLOをプレーすることで非常にNLHEにも好影響を与えました。

 

良く

PLOとかにも興味はあるんだけど、他のゲームをやるのはNLHEをもっと極めたらにします」

という意見を聞くのですが、これには自分は反対です。

どこまで行ってもNLHEを極めるなんて無理です。だったら、PLOに興味があるのならやってみましょうよ。得るものは大きいです。