暑くなってきましたね。そろそろ冷房の季節です。
2年前だったかな、ツイッターで
「冷房はこまめにオンオフを繰り返すよりも、つけっぱなしのほうが良い」
と話題になりましたね。
じゃあ暖房でも同じことがいえるんじゃないの?と思うのは最もな疑問だと思います。
自分は熱力学的な視点しか分からなくて工学的な視点は皆無ですが、熱力学的な視点だけでこのことは説明できるので、物理学を知らない人が分かりやすいように説明してみたいと思います。
(その代わり、ざっくりの説明になるので、正確さは多少犠牲になりますので、ガチ勢は細かいところは突っ込まないでくださいw)
ものを温めるのは簡単ですよね。電気エネルギーを熱に変えれば良いのです。
でも、電気のエネルギーを使って、どうやって冷やすのか。
それは、次のステップを踏んでます。
1、気体を圧縮して高温にする
2、外の空気で、圧縮した高温気体を冷やす
3、冷えた気体を膨張させて、元の温度より下げる
4、室内の空気を冷やす
ここで、エネルギー効率の最大値は、
1の温度/3の温度-1
です。ここでいう温度は、絶対温度なので、普通の気温に273を足します。
仮に100℃と0℃だとすると、エネルギー効率の最大値は
373/273-1=36%とかになるんですね。工学的にどうなっているかが分からないので、高温部分と低温部分が実際何度くらいなのか、自分はわからないのですが・・・
36%というのは、100ワットの電気を使ったら、36ワット分の空気を冷やすことができる(136ワット分の熱が外に放出されます)ということです。
電気代10000円なら、3600円分を冷やすのに使うことができるということですね。
修正
ここ、式が完全に間違えてました。
エネルギー効率の最大値は
室温/(外気温ー室温)
となるので、室温が300K(27℃)、外気温が310k(37℃)なら、効率の最大値は30倍とかになります。
ただし、
「最大値」
と書きましたよね。ここでの最大値はどういう時に達成されるかと言うと
「圧縮した気体の温度を完全に外の温度と同じまで冷やし」
「膨張させた気体の冷気を完全に室内の温度まで使う」
時です。
でもですよ、30度の空気を使って100度の気体を80度に冷やすのはまあ早いとして、それが30度まで冷えるのを待つのって非常に時間がかかりますよね。
なので、実際は80度まで冷えたらすぐに室内の冷却プロセスに回すのです。
そして、室内冷却システム的にも、ある程度温度が室温に近づいたら、排熱システムに回すのです。そう、イメージ的にも非常に無駄が多いですよね。
なので、実際に冷房を使う際は、最大効率とは程遠い効率で冷房を使っているのです。
一方、室内がある程度冷えていて、急いで冷やす必要がない場合。
その時、エアコンはゆっくりと冷却させることができるのです。すると、このときの効率は大体4倍程度。つまり、100Wの電気代で、400W分くらい室温を減らすことが出来ます。
こまめにオンオフを繰り返すと、オフの時に温度が上昇し、オンにした場合に効率2倍とか(ここらへんの工学的な数字はテキトーです、すいません)で稼働することになります。その代わり外に逃げる冷気は少ない。
一方、つけっぱなしの場合は、効率4倍(やはり数字はテキトー)とかで稼働し、その代わり外に逃げる冷気は多いのです。
なので、昼の一番暑い時間帯にエアコンを使いたかったら、気温が高くない午前中からエアコンを動かしておいて、効率が高い状態でエアコンを使うようにした方が、トータルで使う電気が少なくなるのです。
もちろん、地球環境への負荷という意味でも、つけっぱなしの方が優しいのです。
では暖房はなぜこまめに消したほうが得かというと、冷やすのと違って温める際は100の電気はそのまま温度に変換出来ます。
上のシステムを更に使うことで、冷房なら100の電気で、急いだら200、ゆっくりなら400を冷やすことができるけど、暖房なら100の電気で、急いだら300、ゆっくりなら500とかにできるのです。いずれにせよ消費したエネルギーをそのまま熱に変換して室温を高くすることができるので、そこが暖房と冷房の一番の違いなのです。
まとめ
熱力学的に考察すると、
・暖房はある程度こまめに消す価値はある
・冷房はこまめにオンオフにしない方が得