Higashiさんの問題に対する回答
ノーリミットホールデムをプレイしていて、ある時フロップが開いた瞬間にルールが変わり、ターンとリバーで新たなコミュニティカードが与えられないことになったとします。(ベッティングラウンドはそのまま3回が健在) このとき平均的なベットサイズは本来のゲームと比べてどう変わりますか?
— Higashi (@higashi2314) 2020年9月29日
この問題、面白かったのでRTしました。
アンケートの結果は、なんと完全に分かれましたね。
それで、Higashiさんの解説をみんなが待っていたのですが、なかなか解説が出てこないので自分が書いてしまいますw
これ、正解は確実に
「小さくなる」
だと思います。
例えばQT7sshというボードだとすると、普通のNLHEだとAAやKKを持っていても嫌なターン以降のカードはたくさんありますよね。
一方、このルールならQTと77位しか無いです。もしかしたらQ7sとT7sもかな。
そして、それらはリバーまで一切逆転されません。なので、普通のNLHEにおける、ドライボードのトップセットのようなものです。それがこちらにだけ一方的にたくさん存在するのです。
フロップで勝敗は決まっている。にもかかわらず、ベットは3回。
これだと、トップレンジをたくさん持っているオープンした側の期待値が非常に高くなるのですね。トップレンジで荒稼ぎできます。
トップレンジで荒稼ぎできるなら、弱いハンドでもブラフが効くということです。
仮にターンとリバーでポットべットすると仮定して、リバーから逆算してみましょう。
リバーまで躊躇なくべットできるナッツ級と言えるこちらのハンドは
QQ、TT、77、QT、Q7、T7、AA、KK、AQ、KQ
くらいかな。
3+3+3+9+9+9+6+6+12+12=72コンボ。
リバーで2対1で混ぜてポットベットをすると、72:36なので、足して108コンボ。
ターンで2対1で混ぜてポットベットをすると、108:54なので162コンボ。
実際は72コンボしかモンスターは無いのに、162コンボもモンスターがあると同様になってしまうのです。
コンボの計算に出ているカードを除いたものを考えているので、全体のレンジは49×48/2=1176コンボ。ボタンのオープンレンジをルース目に45%とすると、529コンボ。
529コンボのうち、相手が仮にQJを持っていてもターンでフォールドしてもコールしても期待値が同じというハンドが162コンボもあるのです。
更に、ボタンに200%べットという選択肢があるのなら、
72:48なので120コンボ。
120:80なので200コンボ。
QJで降りるかどうかのコンボが200もあるのです。
そうなると、相手はQJでレイズするのは本当に難しいです。
QJでレイズができないのなら、他のQxやTx、JJなどでフロップはバリューベットをうち、これらはターンでベットするかしないかをコールされた後に考えるハンドに回せるでしょう。つまり、フロップでバリューベットを打てるコンボ数が鬼のように多いのです。それならば、エアーの時にリスク小さく降ろすために、小さいべットをする方が良いのです。
ただまあ、このボードはこのルールだとオリジナルレイザーに有利すぎて、多分大きく打っても小さく打っても殆ど変わらないものだと思います。フロップでQ以外は、小さく打たれても大きく打たれても、結局殆ど降りざるを得ない。
では
876
のようなフロップを考えます。
今度はストレートも2ペアもどちらにもあります。
こういうボードなら、J9のようなハンドで小さく打って、AハイやKハイ等を降ろすメリットは非常に大きいでしょう。
2ペアは相当降りないけど、実は89とか79のように、ターンリバーが存在するなら強いハンドは価値が激減しているのです。
小さく打って降ろせる範囲が非常に広いので、より効率よくフロップでブラフをしたい。そのために小さなサイズを選び、そこで生き残ったレンジに対してターン以降はこちらも選んだレンジを使って大きくベットをしていくという展開になると思います。
まあ、色々書きましたが、逆転が薄いボードにおいては、最後のストリートで大きく打つことを見越して、最初のストリートでトップレンジを多く持つ側が広く小さく打つというのが非常に強力になるのです。
*10/8追記
「平均的なべットサイズ」
と問題にあったけど、自分は「べットサイズ」という言葉からフロップのべットサイズに限定して回答してました。
でもこれ、ターンやリバーまで含めた平均的なポットサイズ(=それ以降まで含めたべットサイズの合計)の話なのでしょうかね。もしそうなら、なんとも言えないが回答になりますし、リバーでショウダウンになったときの平均的なポットサイズ なら、大きくなるという回答になります。
*10/8追記パート2
QT7ボードで、QJがレイズするのが難しいなら、フロップで大きくベットするほうが正しい可能性もかなりありそうだと感じました。
レイズが来ないなら大きく、というセオリーですね。
一方で、876ボードならかなりレイズがあるので小さく。一方でドローが無いので、通常のNLHEだとよりワンペアに強烈なプレッシャーを与える事ができるので広くべットはできる(なので通常より小さめ)とも思います。