http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2019/07/31/171030
半年前に書いたAAゲームについてです。
実はこれについて色々考えていて、あることに気づいたのです。それを書いていきます。AAゲームのルールについてはリンク参照。
AAゲームでは、フロップでAAがポットベットを打って、ボタンがコールした際、SPRが4になります。
SPRとは、ポットと残りのスタックの比のことです。
ポットが1でスタックが4ならSPRが4と言います。
この状況だと、ターンでポットべットしてコールが入ると、リバーはポットが3でスタックが3,SPR=1になります。
SPR4と言うのは、ポットべット2回でちょうどオールインになるスタックなのですね。
例えばAA側がAsAcだとします。
フロップ5d6hTc ターン8d
このボードだと、AAは初期状態(勝率76%)よりずっと悪いですよね。でも、56、68、79、8T以外には負けてません。2ギャップは選ばない前提で。
しかし、56も68も、相手がより積極的に選びたいダイヤとハートのスーテッドは存在しないのですよね。そうなると、現状勝っている可能性が高いです。8Tはhhなら2ペアがあり得ますが、とはいえ。
しかしですね、色々考えて思ったのです。
リバーで、ボタン側が
本物:ブラフ=2対1
できっちり混ぜてオールイン(ポットべット)すると、AA側は降りてもコールしてもどちらでも期待値は一緒なのです。事実上、勝率が1.5倍になったのと同じという計算になります。
ということは、リバーのボードにおいてスーコネのレンジがAAに対して33.4%あるならば、実質的にボタン側の方が+EVな状態であると言えるのです。
戻って。
このターンの状態で、スーコネ側のレンジ全体での勝率は33%を超えて、50%を下回るという位置にいます。
実は33.4%なら、リバーのアクションを考えると実質的にちょうど期待値イーブンであると言えます。普通のポットベットのオッズコールラインであるにも関わらず。35%なら、実質的にAA側は既に期待値マイナスなのです。勝率は65%あっても。
期待値イーブンなら、AA側はポットを膨らませる価値がないんじゃないか、と気づいたのです。そこでチェックします。
チェックに対して、ボタンが安易にポットベットを打ってしまうと仮定します。すると、そこでAAはチェックレイズポットオールインを打ちます。そうすると、33.4%ならリバーのブラフを含めたらイーブンだったはずが、いきなりポットべットをコール出来るかどうかのオッズコールの判断を迫られることになるのです。
気づいたのをまとめるとSPR4は
・スーコネ側のレンジ勝率35%でも、勝率65%のAA側は既に不利
・しかし、スーコネ側がべットすると、チェックレイズオールインして勝率がそのまま生きる
AAゲームは当初、200bbとかでやってました。もしスタックが深いなら、スーコネはレンジ勝率が33.3%を超えた瞬間にターンで安易にベットできます。しかし、81bbにしたことによって、ターンのSPRが4になり、ボタン側が安易にベットできなくなって、ターンのベットレンジが極端に狭くなったのです。面白いですよね。
「AAゲーム?実際相手のハンドなんか分からないし、普通はノーリミットだし、こんなの考えても価値なくね?」
という声が聞こえて来ました。
でもですね、この考えってPLOだと本当に頻出なのです。
http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/02/01/143623
過去記事です。
これの実戦版です。
https://www.boomplayer.com/32319304_C1C751C8CF
フロップでトップ2ペア+オーバーカード2枚+上のガットショットがあります。フロップでベットしてターンで5h
これ、ターンのSPRは4です。
こちらはAAゲームのAAと似たようなハンドを持ってます。違うのは、相手にはこちらのハンドがわからないという点です。
こちらはこのハンドでチェックレイズを考えます。相手が他の2ペアだった時のバリューを最大化し、強めのドローだったときにチェックレイズで入れることでハンドの価値を最大化するのです。さらに、このプレイを入れることで、AAK9のようなハンドを守る事ができるのです。
現状は、大体ベストハンドでしょう。それでも、ここでチェックする方が良いと感じてきませんか?
AAゲームはかなりポーカーの重要なエッセンスが詰まったゲームです。
やってみてはいかがでしょうか。