木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

心地よいベット数を意識しよう

久しぶりに真面目なポーカーの戦略記事。初中級者向けの内容です。

 

ボタンからKTでオープンしました。BBがコール。

フロップK53r

 

良いフロップですよね。稼ぎたいところ。

このとき、ターンとリバーがラグだったとして、KTはリバーまで何回べットが入るのが心地よいでしょうか。

 

フロップべット→ターンべット→リバーべット

と三発打ち切って全部コールされたら、KTは勝っている可能性はどれくらいでしょう。半分ないんじゃないでしょうか。

でも、フロップべットだけで終わったら寂しいですよね。

そう、このKTは、2回べットが一番心地よいのです。

2回ベットが心地よいなら、如何に2回にするかを考えます。

一番自然なのは、

フロップベット→ターンベット→リバーチェック

フロップベット→ターンチェック→リバーで相手のベットをコール

フロップベット→ターンチェック→リバーで相手チェックにこちらがベットして相手コール

この3つでしょう。

 

ところで、相手がフロップでレイズしてきた場合。

レイズはいきなり2つ目のベットが入ったことになります。

まあコールしますよね。

ターン8

相手ベット。

これで3つ目のベットになってしまいました。心地よいベットサイズを超えてしまってます。そこでどうプレイするか。非常に難しいのですが、コールしてリバーで打たれたら4回目のベットを受けることになります。2つのベットが心地よいハンドで3つ目のベットを既に受け、4つのベットを受ける可能性もある。その時にフォールドするのです。

 

こちらがAAを持っているとします。

フロップK53r

これは3発打ち切って全部コールされたら、K相手から大きなバリューが取れそうです。つまり、このAAは、心地よいベット数が3回なのです。

3回を達成するには、3回打つしかありません。

しかし、フロップかターンでレイズされた場合、一旦コールしてリバーで打たれたら4回目のベットに直面してしまいます。これは非常に心地よくないベットですよね。

とはいえ、心地よいベット数から+1でしかないので、それなりにコールは有力です。

 

KTでレイズしてBBコール。フロップKT3r

これは心地よいベット数が4です。一回レイズ入ってもOK。

 

33でレイズしてBBコール。フロップKT3r

心地よいベット数は5です。100bbだと普通オールインになるので、6以上を心配する必要はありません。

 

一方、AKでレイズして、BBがコール。フロップ258

この心地よいベット数はいくらでしょうか。それは1だと思います。

フロップでベットするか、ターンでベットするか。

 

次に、TTでレイズしてBBがコール。フロップQ64r

これも、心地よいのは1.5くらいでしょう。0.5のベットは出来ないですが、1だとちょっと勿体なくて2だとちょっと心地悪いですね。でもしょうがないからどちらかにしないといけないのですが。

 

KTでレイズして相手コール。

フロップK64

心地よいベット数は2ですね。ベットして相手コール

ターンT

これによって、心地よいベット数が4に跳ね上がりました。ターンとリバーでベットしますね。

ターンA

心地よいベット数が1に下がります。チェック。

そう、心地よいベット数も、ターンとリバーで変わることが多々あるのです。

 

 

ここまでは基本的にこちらがバリューハンドだった場合の話です。

 

次はドローハンドだった時を考えます。

ドローハンドは、心地よいベット数という概念が消えます。

K64のボードで、75を持っていたとします。

これは3か8を引けばボードがペアにならない限り絶対勝ちますし、引けなかったら絶望的です。

こういうハンドは

「相手の心地よいベット数を外す」

ことが出来たら良いのです。

相手がAQだとすると、相手の心地よいベット数は1なので、相手のベットに対してレイズすると相手のハンドの価値を最小化(=こちらのハンドの価値を最大化)出来ます。

一方、相手が44だったら、心地よいベット数は5なので、レイズすると相手の心地よいベット数にどんどん近づいてしまいます。相手がAAでも、心地よいベット数が3なので、レイズしてリバーまで打ち切らない限り、相手は心地よくプレイできてしまうのです。ドローを引くことが出来たら、こちらは完全に安心して相手の心地よいベット数を超えていけるし、引けなかったら相手がどの程度降りるかを考えないといけないのです。相手の心地よいベット数が下がったと感じたならブラフをするし、心地よいベット数が上がったならブラフは控える、という感じです。

 

ポストフロップを良くプレイするために、心地よいベット数というのを意識し、それを達成できる可能性が高いのはどういうプレイなのかを考えると良いと思います。