木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

熱中症と熱力学

自分は生物についてそこまで詳しくないです。

物理学は大学で不真面目に勉強した程度の理解度です。その前提で。

 

蒸気機関車等の熱機関(熱をエネルギー源として仕事をする機関)は、温度の高さで仕事が決まると思いがちで、そこまで間違えては居ないのですが、正しくは

「高温熱源と低温熱源の温度差」

によって仕事が決まります。熱力学の割と基本的な部分です。温度差で決まるので、200度と100度でも、50度と-50度でも、取り出せるエネルギー量は一緒なのです。

蒸気機関車の高温熱源は数百度で、低温熱源は空気の20度から30度なので、そこが10度くらいずれたところでまあ大したことないんですよね。

 

ところで、動物が動くことが出来るのも、複雑な構造がある(一旦化学エネルギーに変換するとか)わけですが、ただエネルギーを取り出す原理的には

「高温熱源と低温熱源の温度差」

であることには間違いないはずです。

高温熱源は体温で、低温熱源は空気です。

体温は38度とか(体内の温度なので)で、高温熱源は20度とか30度とか。

しかし、今日のように外の気温が37度とかになった場合、温度差が殆ど無くなってしまうのです。すると、エネルギーを生み出せなくなります。エネルギーを生み出せないということは当然動物は死んでしまうわけです。

じゃあ外の気温が非常に高い時はどうやってエネルギーを得るのか。

人間は生きる上で1日1000kcalくらい必要とします。

ところで、水が1g蒸発すると、530cal=0.53kcalくらいの熱を奪います。

水が100g蒸発すれば。53kcalくらいの熱が奪われるのです。

仮にそのうち40%がエネルギー生成の為の温度差として利用されるのだとすると、21kcal分くらいのエネルギーを生成することが出来るわけです。

体内で蒸発させたなら(呼吸で水蒸気として放出する)それを全て温度差に出来るのかな?ここらへんは詳しくないのですが。

まあ、人間が生命を維持するのに、1時間当たり20から40kcalくらいのエネルギーが必要(運動する場合は追加で必要)なのですが、それは1時間あたり100gの水の蒸発で賄えそうというのは、実感に近いかなと思います。

そして、外が暑いと動くのがだるいと感じるのは、このメカニズムを考えるとむしろ自然なことです。気温が低いうちに化学エネルギーとして蓄えたものを消費し尽くしてしまってエネルギーが枯渇した状態、というのが熱中症というものでしょうから、エネルギーを浪費しないようにしているのですね。

不正確な部分はあるかもだけど、医学や生物じゃなく、化学現象や物理現象として動物をとらえたら熱中症はこう見える、という記事でした。