木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

リミットホールデム戦略、BBのプリフロップとCB

https://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/05/29/113000

ミックスゲームのうちの、リミットホールデムの記事です。

3本目です。

 

NLHEしかやったことがない人では、言われないとなかなか自力で気づくのは難しいけど、言われてみたら確かにというプレイが1組2つあります。

 

まず、リミットホールデム(FLHE)ではコールしたらHUになるシングルレイズに対してはBBで80%以上ディフェンスします。

2bbのオープンしか出来ず、モア1bbの投資で4.5bbのポットに参加できます。

NLHEだと、レンジの強さでも負けていて、ポジションも取られているので、トータルのインプライドオッズのマイナスが非常に大きいため、同じ2bbレイズに対してもここまでディフェンス出来ません。ある程度で良いので、ナッツ級になるポテンシャルが無いとツラいのです。しかしFLHEでは、べット金額が固定されている(=小さい)ので、失うインプライドオッズが小さいです。これはスチールする側からすると魅力低下だし、BB側からするとより守るモチベーションになります。

 

とはいえ、ボタン側からも、ハンドを選んだ大きな3ベットを食らうことも無いので、スチールは100bbのNLHEとほぼ同じくらいの頻度で行います。

アーリーからだと、QJoのような微妙なトップペアになりやすいハンドをNLHEだと捨てると思いますが、それらを入れ、ローペアやスーコネを削ります。

 

さて、ボタンからスチールに行って、BBがコール。

フロップ開きます。

ボタンのレンジは上位40%とかですが、BBのレンジは80%以上。クズ手といえるハンドも多々含まれます。

 

フロップでのポットは4.5bb(リミットゲームでは正確には4.5SB、もしくは2.25BBと表現すべきですがまあNLHEプレーヤーのわかりやすさを優先します)

フロップでベットをするなら、4.5bbのポットに1bbを打つことになります。

これはコールする側のオッズも良いけど、ブラフを打つ側のオッズも非常に良いです。

ランダムな2枚がフロップでペアになる確率は1/3ほど。逆に言えば、2/3はフロップでペアになりません。いくら相手がコールのオッズが良いと言っても47QのボードでJ2でCBをコールするのは非常に難しいです。

なので、オリジナルレイザーはCBを100%打つのが正しい戦略なのです!

NLHEを打っていると、プレイのバランスが気になってしまうかもしれないです。しかし、全部打つのはそれはそれでバランスが取れてるし、何よりリミットなので、相手のチェックレイズが全然怖くないのです。NLHEだと、セカンドペアでベットしてチェックレイズされたら非常に困りますが、FLHEならコールすればよいだけなのですから。

 

なので一般的にはリミットホールデム界隈では、

ヘッズアップのCBを打たなかったらフィッシュ

なのです。

 

さて、次にBB側から考えて見ましょう。

ボタンがオープンして、BBでAAが入ってます。3ベット。ボタンコール。

フロップXXX

べット、コール。

当然な進行に見えるでしょう。

しかし、考えてみてください。

プリフロップでコール止めして、フロップでボタンは100%のCBを打ってきます。それに対してチェックレイズすれば、全く同じポットサイズになっていると思いませんか?

そう、バリューとしては全く同じです。

一方、そういう風にプレイすることで、BBからの80%以上の大半を占めるコールレンジに、AA等の強いハンドを入れることができるのです。

もし、強いハンドを3ベットして、全体で80%のBBをプレイしたら、A96rのようなボードでは殆ど戦えません。

一方、AA以外にもBBから強いハンドで一切3ベットをしなかったら、BBから8Tsのようなハンドでチェックレイズする選択肢が生まれます。強いハンドで3ベットをする人のこのチェックレイズは全く怖くないですが、強いハンドがコールレンジに入っている人のチェックレイズは非常に怖いです。

バリューベットとしては全く一緒の価値で弱いハンドのプレイアビリティーが上がる。なので、BBからはヘッズアップでは3ベットは一切しないのが正しいのです!

 

まとめ

ヘッズアップのCBは100%打つ

ヘッズアップのプリフロップのBBは3ベット率0%

これらに反したプレイをしているのを見たら、リミットホールデムの基本が分かってないとみなして良いのです。