こちらの記事の続きです。
先日、ツイッターでアンケートをさせていただきました。500人以上に参加してくださいました。ありがとうございます。
結果はこちら。
NLHEと比べて、FLHE(リミットホールデム)では22の価値は
— Naoya Kihara 木原直哉 (@key_poker) May 25, 2018
NLHEと比べて、FLHE(リミットホールデム)では67sの価値は
— Naoya Kihara 木原直哉 (@key_poker) May 25, 2018
https://twitter.com/key_poker/status/999910394134052864
(リンクの貼り付けが上手くいかない・・・)
3つのアンケートをしました。
1つ目。
NLHEと比べて、FLHEでは、22の価値は
上がる 29%
下がる 45%
同じくらい 9%
結果だけ見る 17%
そうですね、みなさんが想像する通りです。
まず、リミットゲームなので、セットを引いても大きく取れません。
前のエントリでも書きましたが、NLHEでクレイジーに突っ込んでくる相手を想定しても、オッズはなかなか合わないです。リミットならなおのことです。
また、相手がレイズ、こちらはBBでオッズコール。
フロップK94r
相手ベット、コール
ターン6
相手ベット。
この段階で、ポットには3ビッグベットあって、1ビッグベットを打たれてます。
これ、コールするか降りるか既にめちゃくちゃしんどい状況ですよね?
しかもリバーで打たれることも想定しないといけない。
つまり、インプライドオッズ面のマイナスが非常に大きいのです。
NLHEでも22のインプライドオッズはマイナスだと書きましたが、それでもセットを引いたときにある程度大きく回収できます。リミットではそれすらないのです。つまり、22の価値は非常に下がります。
2つ目は飛ばして3つ目、AToの価値は
上がる 46%
下がる 25%
同じくらい 10%
結果だけ見る 19%
こちらもみなさんが想像するとおりです。
AToはランダムハンドに対する勝率が結構高いです。
フロップでそこそこ強いハンドであることはそれなりにありますが、ナッツ級のハンドになることは非常に少ないです。Aが落ちてもTが落ちてもそこそこ強いけど、常に上のハンドが心配ですよね。
NLHEだと、COでオープン、BBコール。
A67 J 2
こんなATに取ってかなり都合が良いボードでも、2/3ポットを3発打ち切ってバリューを取りきるのは非常に難しいでしょう。途中でレイズされたら非常にプレーに困ります。
一方、リミットゲームだと、気楽に3発打ち切ります。
そして、レイズされたら最後までコールすればいいだけなのです。
リミットホールデムのほうが、ATはハンドの勝率をそのまま利益に結びつけやすいのです。
この2問は比較的簡単かなと思ってましたし、実際正解率も高いですね。
そして、自分が一番聞きたかったのは実は2つ目
67sのハンドの価値は
上がる 35%
下がる 43%
変わらない 6%
結果だけ見る 16%
本題とはそれて、ちょっと面白いと思うのは、他の2つの設問に比べて「上がる」と「下がる」の差が小さいにも関わらず、「変わらない」を選んだ人が一番少ないんですよね。これは統計という意味では非常に面白いですよね。みんな、何らかの差はあると思うにも関わらず、その回答が一番割れているということですから。
回答の前に先に解説しましょう。
67sはモンスターハンドに対する勝率はそこそこ高く、しかしランダムハンドに対する勝率もそんなに高くないハンドです。
また、フロップ以降にナッツもしくはナッツ級になりやすいハンドです。
NLHEなら、フロップで458とか5s8s2とか。ATでAA3と落ちても常に怖いけど、67sで663と落ちたら全然怖くないです。また、ATでAQTと落ちても怖いですが、67sで67Jと落ちてもフロップで100bbを気軽に入れられます。
こういうところから、ナッツやそれ級を引いたとき、大きくチェックレイズしたりしてポットを膨らましたいところです。
また、578と落ちたり、Ts4s6と落ちたりしたときにAAなどとほぼ五分の勝率を持ってますが、そこで大きくレイズして降ろしたりしたいハンドです。オールインされても五分なので怖くありません。もしセット相手に突っ込んでしまっても、ATならほぼ絶望ですが、67sならまだ30%弱も勝率があります。
リミットホールデムなら、ドローになったときに気楽にオッズコール出来ると思っての選択でしょうが、
フロップAJ6 ターン8
ここでターンで3ビッグベットのポットに1ビッグベットをベットされてコールするかの判断は非常に難しいです。ストレートやフラッシュのドローになるよりこういうヒットをする方が可能性は高いわけです。また、NLHEならトップペアでもキッカーが弱いとチェックしてくれる可能性もそれなりにありますが、リミットホールデムではセカンドペアでもガンガンベットしてきます。より難しい判断になるわけです。
以上から、67sの価値はリミットホールデムだと下がる、というか、NLHEだと非常に価値がインフレするハンドなんです。個人的には、ここだけ不正解が多数派になるんじゃないかと思っていたのですが。
https://twitter.com/key_poker/status/999911814665142273
最後に、全体的にFLHEでは参加率は
上がる 46%
下がる 25%
同じくらい 9%
結果だけ見る 20%
そうですね、これも皆さんの言う通り、上がります。
NLHEだと、1.5bbを取りに行くのに2.5から3bbのコストを払います。
なのに、後ろから3ベットされて降ろされてしまうことも多いです。
ポジションを有効に使いやすいボタンのみ、NLHEではFLHEと同じくらい参加できるかなと思いますが、それ以外のポジションだと概ねNLHEではタイトに打たざるを得ないです。
また、BBでも、FLHEでは1bbモアでフロップを見れますし、フロップ以降もポジションを活かした厳しいベットをされる心配はないです。なので、気楽にオッズコールができますし、逆にしっかりとオッズコールができないと勝てないのがFLHEです。
ボタンのレイズに対しては、BBは85%くらいコールします。15%しかフォールドしません。NLHEだと60%しか降りない人はかなりコールするプレーヤーという印象ですし、40%しか降りない人なら即フィッシュ認定でしょう。一方、FLHEでは、40%降りる人がいたら、降りすぎてスチールしやすい楽なプレーヤーという意味でフィッシュ認定します。
そこらへんの感覚が全く違ってきます。
FLHEをやるようになると、特にリバーでの薄いバリューベットが如何に大切かが本当にわかります。バリューを取る相手のハンドを具体的に考えるようになります。
今はNLHEから覚える人も多いですが、ちょっと振り返ってFLHEをやってみるのも、色々発見があってオススメです。