UTGが3bbにオープン。
UTG+1がコール。
HJがコール。
COがコール。
ボタンがコール。
SBがコール。
ここでBBが
「こんなにたくさんコールがいたらオッズが良すぎてエニハンでコールしないといけないぜ!」
と言いながらコール。
こういうシーン、よく見ませんか?
アンティがないゲームだとして、誰もコールがいなかったら、6.5bbのポットに2bbの投資で参加するのに対して、コールがこれだけいる状態なら、21bbのポットに2bbの投資で参加することになります。その数字だけ見ると確かに
「オッズは良い」
と言えるかもです。
仮にUTGと1対1で46でコールしたとして、フロップ459と落ちたら、それなりに勝っている可能性は高いでしょう。もちろん負けている可能性も十分にありますが。
一方、7人テーブルで46でフロップ459なら、ほぼ勝っていることはないでしょう。
そもそも44のボトムセットを持っていても、150bbくらい持ってたら不安になるくらいですよね。
フロップが467なら?
2ペアですが、ストレート、セット、上2ペア等ありすぎて、100bbを7人テーブルで突っ込むのはこれですらかなり躊躇してしまいます。ベットしてレイズされてオールインして相手にコールされたら、ほぼ負けているでしょう。
一方、相手がUTGだけなら100bbは余裕で突っ込むところです。
一般的に「オッズ」とだけ一言で言いますが、こういうカタカナ言葉は思考を間違えた方向に導いてしまうことが多々あります。
こんな7人フロップでポジションが無いところからブラフをしていこうというのは無謀すぎるわけで、実際はモンスターハンドを引き当ててのバリューベットと、強いドローでのセミブラフくらいしかベット出来ないところだとは思います。
そういう状態では、ベストハンドを作る(もしくはドローから頑張る)しかポットを取る方法はありません。
ところで、21bbポットに参加するために2bbを投資するのは、10.5回に1回投資を回収する必要があります。
しかし、7人参加のフロップで46oで参加してフロップでベストハンドの可能性が高いと思う事ができるフロップに巡り合うのは本当に10.5回に1回あるのでしょうか。
そう、見た目のオッズ(21対2)は良いのですが、ベストハンドを作るオッズは21対2を超えるのはかなり難しいのです。
一方、UTGがオープンして、こちらがBBで46oでコールしたとします。
6.5bbに対して2bbの投資です。
フロップでベストハンドを作るオッズは30%必要。これの方がまだ現実的だと思いませんか?
もちろん、フロップ以降にポジションを取られてプレーされてしまう分を考えると、実際はコールは悪いプレーです。それでも、7人ポットにノコノコとオッズがいいと言いながら46oのようなハンドで参加するよりずっとマシだと自分は思います。
つまり、たくさん参加者がいる時の弱いハンドは
1、ポットオッズは確かに良い
2、しかし、ベストハンドを作るオッズはそれ以上に悪い
3、なので、オッズは合わない
のです。オッズが良いかどうかとオッズが合うかどうかは別物で、プレーする際はオッズが「良い」かどうかではなく、「合う」かどうかで判断しないといけないのです。
宝くじは、300円で3億円が狙えるとすると、100万倍の良いオッズがあります。
しかし、宝くじに大当たりするオッズはそれ以上にめちゃくちゃ悪いので、オッズは全く合わないのです。