30年後の人生設計
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76916?imp=0
こんな記事を読みました。本当にその通りだと思います。
30年後のことなんて全くわからないです。というか、30年後どころか5年後すら。
自分は1995年、中2でした。地元の名寄を出て、旭川の進学校に進むか、地元の高校に進学するか迷ってた時期。大学は、北大に行けたらすごく嬉しいなあくらいに思っていて、将来の職業候補は学校の先生。
5年後の2000年、旭川の進学校から東大受験して落ちて、でも次の年には受かる自信がありました。将来は研究者になってノーベル賞級の研究をしたいと思ってました。5年前にはそんな人生は全く想像つかなかったです。
5年後の2005年、東大に入って1留し、更に進学先でも全然勉強にやる気が持てず、ダラダラ過ごしてました。このまま行ったら卒業出来ないなあ、どうしよう、そういう危機感がありました。麻雀やバックギャモンにハマり、でもプロとして食うのは難しい世界だし、何をやれば良いのか一番方向性を見失っていた時期でした。5年前にはそんな状況に陥っていることは想像つかなかったです。
5年後の2010年、大学を休学して塾で働いている時にポーカーに出会い、バックギャモンの収入とポーカーの収入を当てにして(2010年はポーカーが中心になっていました)、働きながら復学することを決めて復学し、卒業が目の前に。そのままポーカーで勝てるようになるかなあ、とおぼろげに思っていた時期。5年前には卒業できるとも思ってなかったし、まさか学費と生活費を自力で出しながらとは尚更。ポーカーの存在すら知らなかったレベルで、それで生計を立てるなんて想像しようもなかったです。
5年後の2015年、WSOPで優勝し、ポーカースターズと契約し、メディアに出たり本を出したり。
5年前はポーカーで生計を立てる想像はついていても、まさかWSOPを優勝したり、大手サイトと契約したり、本を出したりなんて自分にはそうそう縁がない世界だと思ってました。また、5年前には面識なかった人と結婚してることも当然想像しようがないです。
5年後の2020年、ある意味一番想像つきやすい5年間だったかも。
子どもが2人産まれて、ポーカーをする時間もぐっと減り、その分子どもと遊んだり、色々な記事を書いたり。ただ、こんなにポーカーの時間が減ったり、色々書くことをやってたりするのは想像できなかったです。また、コロナでWSOPに行けないというのもかなりの想像外です。
うん、たった5年後の事ですら、こんなに想像つかない事だらけです。人生が本当に根本的に変わってます。
まあ自分は色々変わりすぎてる方ではあるけど、それでも30年後の世界なんて、どうやって想像しろと。無理に決まってます。
想像つかない将来に備えて色々やる。どんどんスキルを伸ばすとかならともかく、将来の収入減少に備えて貯金を作るとかそういう後ろ向きのことを考えても本当に無意味ですよね。
自分の座右の銘は
「人事を尽くして天命を待つ」
ですが、それとは別に大切にしている考え方は、
「考えても答えの出ないと分かっていることは考えない」
です。高校生の時にこれに気づいて、色々人生が楽になりました。
30年後のことなんて考えても答えは出ないし、まあ子どもも自立してるはずだから自分自身のことだけならなんとでもなります。
思考のリソースだとか努力だとか、そういう類のものには限りがあります。無限だと思ってる人も多いけど、そんなことはない。考えても答えの出ないことを考える思考リソースを、考えたら答えが出るかもしれないところに費やす。そうやって今を行きていくことが大切だと思っています。
最善を尽くすということ
https://t.co/DzyCI9TvfP
— Naoya Kihara☁木原直哉 (@key_poker) 2020年11月24日
この記事を見ても思うけど、何かと日本人は
「最善を尽くせばうまくいく、うまく行かなかったのは最善を尽くさなかったからだ」
という精神の人が多すぎると思う。
第3波の急拡大は別に国民のせいでも政府のせいでもない。最善を尽くしても負けることは多々ある。
このツイートが過去一バズって驚いてます。何気なくツイートしただけなのですが・・・
面白いのは、自分のフォロワーじゃない人の意見でも、200RT以下の時は肯定的な意見が多く、300RTを超えるあたりから否定的な意見が増えてるんですよね。これは不思議。
まあそれは置いておき。
否定意見は、自分のコメントの中の「政府のせいでもない」に反応してるのだと思いますが、
「最善を尽くしてない!」
というのが殆どです。
それに対して、「だから何?」と思うのです。
そもそも、最善を尽くすとは何でしょう。
あなたが突然藤井聡太二冠と将棋をすることになったとして、最善を尽くしたら勝てるはずです。でも、実際はごく一部の人を除き、100回どころか10000回やっても絶対に勝てません。それで負けたときに
「最善を尽くしてないから負けたんだ!」
と言われても、「だから何?」となりますよね。
「最善を尽くす」とは、物事をこなす上で、こなす人の気持ちとか目標を述べるときに使うものであって、結果について述べるものでは無いのです。ましてや、他者が。
「でも政府は明らかに感染症対策の最善を尽くそうとはしていなかった」
と言う人もいるでしょう。
でもですよ、政府が尽くすべき最善は、感染症対策の最善なのでしょうか。
それだったら、感染した人を全員殺して焼却処分するのが一番手っ取り早い。感染症対策の確実な最善です。家畜の感染症対策はそうなってます。でも当然そんな事できないですよね。
政府が尽くすべき最善は何か、と言ったときに、感染症がすべてなのでは決してないのです。勿論コロナ対策はトップクラスに考慮されるべきことだし、現にそうしてます。しかし、コロナ対策のためなら他の全てを犠牲にしても良いというような意見ははっきりと間違えているのです。
どこまで行っても答えのないバランスの上にいるのです。
無思考に批判だけしているほとんどの人は、自分にとって都合が良いことが起こるように言説するのです。引きこもることが辛くなく、その状態でも十分に仕事ができる人は、その方向に世の中が進むのは歓迎ですから。でもそれは、そうじゃない人への思いやりに欠けた言動なのです。
囚人のジレンマとコロナ
コロナ対策は、囚人のジレンマそのものです。
ゲーム理論の有名な例題として、囚人のジレンマ、というのをご存知でしょうか。
囚人が二人います。
二人は共謀してある犯罪をしました。
二人で口を合わせて秘密にすれば、微罪で懲役1年で済みます。
二人とも真実を話せば懲役7年です。
一方で、片方が口を割って、もう片方が真実を話せば、もう一人が罪を犯したとして、真実を話した方を無罪釈放するという司法取引が警察から持ち込まれました。どうしますか?
囚人は、仲間が秘密にしていれば、
秘密にする→1年 真実を話す→0年
仲間が真実を話していれば、
秘密にする→10年 真実を話す→7年
そう、どちらも場合でも、真実を話す方が得なのです。すると、二人とも真実を話して7年の懲役を受けるのです。
でもですよ、お互いが秘密を守れば、お互い1年で済んでたはずなのに・・・
なんとも板挟みですよね。これが囚人のジレンマと呼ぶのです。
さて、今回のコロナ騒動ですが、これは壮大な囚人のジレンマなのです。
全世界の人が1ヶ月くらい完全に対策をきっちり守った場合、ちょっとした不便で済むのです。
でも、全世界の人が完全な対策をきっちり守り、自分(とその周り、現状感染してない可能性の方がずっとずっと高い)だけ普段どおり行動したらもっと得ですよね。
たった2人の囚人ですら、お互い7年の刑になってしまうのです。
何十億人という全世界の人が完全な対策をすれば・・・というのは、ゲーム理論的に考えると、空想、夢想、妄想の世界です。それどころか、1億人ですら無理です。
そこで思いつくのが、罰則を与えるロックダウンです。あちこちでやってましたよね。
でもですよ、罰則で縛っても、70億人の利得が
罰則の大きさ>一時的な自由
となる罰則なんて存在しません。
そもそも、殺人より重い罰則にするなんて無理だと思うけど、殺人ですらアメリカで(行方不明は含まずに)毎年15000人も殺されているのです。
フィリピンのように、外出したら即射殺、とかレベルにしないといけないですが、それって警察/軍隊は普通に動かないといけないわけで、そこ経由で感染が発生しますし、そもそもその期間に別の病気になった人は見殺しにするの?という問題もあります。
今回のこの騒動は、完全なる囚人のジレンマなのです。
他の人が強く対策して、自分たちだけ普通に行動するのが一番得なのです。
そして政府は、この構造を理解した上で対策を打たないといけないのです。
コロナの感染力の高さと囚人のジレンマの構造から考えると、抑え込むのは不可能。
でも、対策をするように言い続ける、そういう政策をするだけだと、真面目に言うことを聞こうとする人だけがどんどん損をしてしまうのです。そんな政策は到底取れないのです。個人的には、尾身先生はそこを非常によく理解していると思います。
コロナが広がっているのは、GOTOなんかの理由では無いです。
そもそも3000万人ものGOTO利用者がいて、利用者がその時、その後で感染が確認されたのはたったの100人ちょっとですし。
ここまでくれば封じ込めは幻想、妄想のレベルです。
封じ込めをしない政府を批判するのは、ゲーム理論で1億人が手を取り合うことが出来ると思うお花畑の頭の人か、分かった上で損な囚人の役割を他人に押し付けようとしている人(その方が得だから)だと思うのです。
feminismとフェミニズム
feminism(フェミニズム)とは、女性解放思想とも言うように、
「男が公共の場でおっぱいを出してOKなのに、女性が出したら駄目というのは不公平である。女性もおっぱいを出したいなら出したってOKになるべきである」
という感じで
「女性だけ○○したら駄目、○○すべきという風潮に強くNOを突きつけ、そういう明文化されてたりされてなかったりする規制を極力まで減らしていくことで、真の男女平等を目指す」
という思想です。代表的なfeministとしては、エマ・ワトソンが挙げられるでしょう。
なので、本来のfeminismとは、
「この絵は性的過ぎるから規制すべき」
「そんな性的な服装をするのはハシタナイ」
という意見に対して強く反発し、表現や服装などの自由をもっと認められるべきという思想です。規制から女性を開放する思想なのです。性的魅力を活かしたいなら活かせば良い。男女ともに。それがfeminismの思想です。
しかし、日本ではなぜか、萌え絵や性的な服装に対して拒否反応を示している人たちが、何故か「フェミニスト」を自称していることが多いです。
feminismの思想とは真逆であるにも関わらず。
フェミニズムは元々欧米で生まれたfeminismをそのままカタカナにしただけのものです。フェミニズムが最初ではなく、feminismが最初なのです。
それにも関わらず、feminismの精神とは正反対のことを、フェミニズムを名乗って主張している。
勿論、思想に良い悪いは基本的にはありません。
性的なものをどんどん開放していこうという主張も一つの思想。
性的なものを規制すべきという主張もそれはそれで一つの思想です。
この二つは真逆の思想なので、当然衝突します。
しかし、前者がfeminismを最初に名乗り、後者の立場を取る人がフェミニズムを名乗るのは自分は明らかにおかしいと思うのです。元々がfeminismがあるのだから、それと正反対の主張をする人たちはフェミニストとは違う別の呼び方にするべきだと自分は強く思うのです。
ところで、良く炎上することもある「フェミニスト」の石川優実さん。
kutooで有名ですよね。
kutooとは、
「女性はハイヒールを履くべき、という風潮は苦痛である。女性も平べったい歩きやすい靴を堂々と履ける社会にしよう」
という運動です。これは、日本のフェミニズムではなく、本来のfeminismの思想そのものです。また、石川さんは元々グラビアタレントでもあり、ヌードになったりもしてます。まさに本来のfeminismの思想そのもので、自分は石川さんは元々正当なfeministだったんだろうと思ってます。
しかし、石川さんがfeministとして有名になったことで、フェミニストを名乗る人が応援してくるようになり、次第にそちらに取り込まれてしまったのではないかと自分には残念に思えるのです。
日本でフェミニストを名乗っている人は、本来のfeministの意味で名乗っている人と、乗っ取られた「フェミニスト」を名乗る人がいます。非常に混乱しやすい。
feministを名乗る人が別の名前にする意義は一切ないと自分は思います。一方、フェミニストを乗っ取った側は、それを手放したくないでしょう。残念ながらこれからもこの対立は続くのかなと思います。
11/11追加
自分が思う真っ当なfeministのろくでなし子さんによると、feminismの乗っ取りは日本だけの出来事ではないようです・・・
心地よいベット数を意識しよう
久しぶりに真面目なポーカーの戦略記事。初中級者向けの内容です。
ボタンからKTでオープンしました。BBがコール。
フロップK53r
良いフロップですよね。稼ぎたいところ。
このとき、ターンとリバーがラグだったとして、KTはリバーまで何回べットが入るのが心地よいでしょうか。
フロップべット→ターンべット→リバーべット
と三発打ち切って全部コールされたら、KTは勝っている可能性はどれくらいでしょう。半分ないんじゃないでしょうか。
でも、フロップべットだけで終わったら寂しいですよね。
そう、このKTは、2回べットが一番心地よいのです。
2回ベットが心地よいなら、如何に2回にするかを考えます。
一番自然なのは、
フロップベット→ターンベット→リバーチェック
フロップベット→ターンチェック→リバーで相手のベットをコール
フロップベット→ターンチェック→リバーで相手チェックにこちらがベットして相手コール
この3つでしょう。
ところで、相手がフロップでレイズしてきた場合。
レイズはいきなり2つ目のベットが入ったことになります。
まあコールしますよね。
ターン8
相手ベット。
これで3つ目のベットになってしまいました。心地よいベットサイズを超えてしまってます。そこでどうプレイするか。非常に難しいのですが、コールしてリバーで打たれたら4回目のベットを受けることになります。2つのベットが心地よいハンドで3つ目のベットを既に受け、4つのベットを受ける可能性もある。その時にフォールドするのです。
こちらがAAを持っているとします。
フロップK53r
これは3発打ち切って全部コールされたら、K相手から大きなバリューが取れそうです。つまり、このAAは、心地よいベット数が3回なのです。
3回を達成するには、3回打つしかありません。
しかし、フロップかターンでレイズされた場合、一旦コールしてリバーで打たれたら4回目のベットに直面してしまいます。これは非常に心地よくないベットですよね。
とはいえ、心地よいベット数から+1でしかないので、それなりにコールは有力です。
KTでレイズしてBBコール。フロップKT3r
これは心地よいベット数が4です。一回レイズ入ってもOK。
33でレイズしてBBコール。フロップKT3r
心地よいベット数は5です。100bbだと普通オールインになるので、6以上を心配する必要はありません。
一方、AKでレイズして、BBがコール。フロップ258
この心地よいベット数はいくらでしょうか。それは1だと思います。
フロップでベットするか、ターンでベットするか。
次に、TTでレイズしてBBがコール。フロップQ64r
これも、心地よいのは1.5くらいでしょう。0.5のベットは出来ないですが、1だとちょっと勿体なくて2だとちょっと心地悪いですね。でもしょうがないからどちらかにしないといけないのですが。
KTでレイズして相手コール。
フロップK64
心地よいベット数は2ですね。ベットして相手コール
ターンT
これによって、心地よいベット数が4に跳ね上がりました。ターンとリバーでベットしますね。
ターンA
心地よいベット数が1に下がります。チェック。
そう、心地よいベット数も、ターンとリバーで変わることが多々あるのです。
ここまでは基本的にこちらがバリューハンドだった場合の話です。
次はドローハンドだった時を考えます。
ドローハンドは、心地よいベット数という概念が消えます。
K64のボードで、75を持っていたとします。
これは3か8を引けばボードがペアにならない限り絶対勝ちますし、引けなかったら絶望的です。
こういうハンドは
「相手の心地よいベット数を外す」
ことが出来たら良いのです。
相手がAQだとすると、相手の心地よいベット数は1なので、相手のベットに対してレイズすると相手のハンドの価値を最小化(=こちらのハンドの価値を最大化)出来ます。
一方、相手が44だったら、心地よいベット数は5なので、レイズすると相手の心地よいベット数にどんどん近づいてしまいます。相手がAAでも、心地よいベット数が3なので、レイズしてリバーまで打ち切らない限り、相手は心地よくプレイできてしまうのです。ドローを引くことが出来たら、こちらは完全に安心して相手の心地よいベット数を超えていけるし、引けなかったら相手がどの程度降りるかを考えないといけないのです。相手の心地よいベット数が下がったと感じたならブラフをするし、心地よいベット数が上がったならブラフは控える、という感じです。
ポストフロップを良くプレイするために、心地よいベット数というのを意識し、それを達成できる可能性が高いのはどういうプレイなのかを考えると良いと思います。
「東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話」を読んで
東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話 | 池田渓 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
こちらの本を献本頂いて、読ませて頂きました。
ざっくりとした内容の紹介記事はこちらです。
著者の池田さんと自分はお互い1浪で、年齢も東大の入学年度も1つ下の方です。
この本ですが、多分一番読んでほしい対象は、無理して東大の受験を考えている高校生、もしくはその親なんじゃないかなと思います。
東大生と言っても、本当に色々な人がいます。年間3000人もいるんだからそりゃそうなのですが。
で、本にも出てくるのですが、東大というところは、トップの学生と底辺の学生の学力差が日本で最も「大きい」大学です。しかもダントツで。
え?と思うかもしれないけど、どんなに優秀な学生でも、日本から出る気がないなら東大より学力が求められる大学はないし、研究する上で東大より恵まれた環境の大学も無いので、本当にすごい人が普通にいるのです。
本に出てくる、「超東大生」と言っていい人、作り話じゃないかと思うかもしれないくらいの内容だけど、本当にすごい人は凄すぎて、全然盛る必要が無いくらい本当にいますw
一方、底辺東大生は、まあいなくはなさそうだけど、少し盛っていそうと思うくらい。そこの感覚は、現場を知っていると思うところです。
で、ここから。
むちゃくちゃ無理をして、なんとかギリギリで東大に入りました、という人。
多分、本当に苦労すると思います。
正直、先生たちの授業はお世辞にも上手いとは言えないです。
にもかかわらず、ある程度の理解をしないと、しっかり不可を出してきます。それが4年間続くわけです。
東大入試くらいでヒーヒー言って本当にギリギリで入試を突破した人は、この本にあるように東大に入ったために人生がツラくなることは多々あります。
世間は東大に対して異常な期待と要求をしてくるんですよ。別に同じ人間だし、受験勉強の能力が少し上なだけなのに。そして、その期待を少しでも外すと
「東大卒のくせに」
と。
別に東大が悪い大学ということは勿論ないです。ある程度余裕を持って合格した人たちにとっては、非常に有意義な環境でしょう。
ただ、どんな動物でも機械でも社会でも、すべてのものには「余裕」というものが必要です。余裕なくギリギリだと、なにかの拍子にすぐにトラブルになります。
東大に入ったらその後の人生がイージーモードになると思っている人は多分多々いるけど、そんなことは決してないです。
東大に限らないけど、ホンの少し頑張れば普通にやっていける環境こそ人間は一番伸びると思うし、自分自身の価値を伸ばすにはどの環境に身を置いたら良いかを考えて進路を選ぶべきです。それは大学入試に限らなくて、就職もそうだし、割と一般的に成り立つことなんじゃないかなと思います。
消費税を上げるか上げないか、という話
最近色々な気づきを得たので、備忘録を兼ねて記事に。
まあ、元から分かってる人からしたら、
「何を今更www」
という内容だと思いますが・・・
また、自分の考えが依然として間違えている点も多々あると思います。そこは専門家じゃないのでご了承ください。
よく、
「お金持ちからお金を取らないと」
と言いますよね。そのために所得税を上げろと言うのですが、どんなに高所得者に課税してお金を取ろうとしても、それはこれからお金持ちになろうとしている人から取っているだけで、実際にお金持ちからお金は取れていないのです。
既に資産が100億円ある人にとっては、所得税が80%になろうとも90%になろうとも、全く痛くない。
むしろ、これからお金持ちになろうとするライバルが現れにくくなるという点では、ありがたい事かもしれない。
お金を持っている人からお金を取るには、資産課税しかないですが、世界で資産課税なんてやっている国はどこにもないし、そんなことをやったら海外に送金して逃げられてしまうだけなので無意味です。そう、お金持ちから本当にお金を取るのはめちゃくちゃ至難なのです。結局、相続税で取るしか無いけど、それには死ぬまで待たないといけない。さらに、法人化してそこの役員を変更させる手法で、合法的に事実上の節税は結構簡単にできる。
なので自分は思ってました。
「お金持ちは一般人よりたくさんお金を使う。だから消費税を上げて、その分低、中所得者の所得税を下げることが、お金持ちからお金を取る最良の方法だ」
と。
インフレが起これば現金預金の価値は下がります。それは元々分かってました。
しかし、富裕層は既にかなりの資産を不動産や債権、株などで持っています。インフレになったらそれに乗じて不動産や株式の価格も上昇するので、やっぱりインフレにしても富裕層から取れないんじゃないかと。しかも、富裕層ほど資産を不動産や株にすることが出来ていて、庶民ほどそれらを持っていないのです。インフレが起こっても富裕層は痛くも痒くもないのではないかと。
しかし、今回のコロナ騒動で、多くの国がたくさんのお金を刷った状況を見て思ったのです。
そうか、これが消費税を上げるべきでないという人たちの主張なのか、と。
今回、日本は一気に円の流通を100兆円弱も増やしました。
大体、5%ほど円の流通量が増えた計算です。
それだけで日本全体が5%裕福になるなんて無理で、起こったことは円の価値が5%下落したんですよね。
さっきの富裕層云々の話と同じで、富は相対的なものなので、以前だったら100億円の価値があれば、今は105億円無いと同じ価値にならないのです。
現金預金でずっと持っていれば勝手に5%の価値が減ってます。
一方、不動産や株で保有していれば、相対的に同じ価値の105億円になります。勿論上がり方は平均的ではなくバラバラになりますが。
その時ですが、価値を測る物差しは日本の場合
「円」
以外にないんですよね。実際の価値が変わっていないのに、100億円持っていた人は105億円になった。すると、5億円増えてます。
株式なら、現金化した時に利益の20%が税金として取られるので、5億円の「利益」になるので、20%の1億円を税金として徴収できるのです。
日本全体で1600兆円が1680兆円になった時に、インフレに合わせて資産価値の上がらない現金預金が半分とすると、帳尻を合わせるために残りの半分の資産(株や不動産)が10%の値上がりをすることになります。
なので、しっかり投資をしている人は、税金を払っても利益が上がるわけですが。
これが可能なのは、通貨発行権を持っている国だけです。
勿論、通貨を発行しすぎると、国としての信用を失い、ジンバブエドルのように価値が暴落し続けます。そのバランスは取らざるを得ないけど、現実的には日本にある個人資産は実質的にこの手法で国の管理下にあると言えるわけです。
ヨーロッパは、EUとしてユーロという通貨を使っているため、一つの国で金融緩和をすることが出来ません。だから消費税を高騰させるしか方法がないのです。
自分が気づいてなかった点。なんでこれに気づかないんだろうとも思えるけど、実際は横ばいなのに、インフレして円ベースで増えた資産は、「利益」として課税できるという点。
庶民は、貯金はあったり無かったりしますが、なんだかんだ生活のベースは労働の対価(多くの場合、給与)です。
インフレすれば、給与も同様に上昇します。庶民の資産は目減りするものの、生活への直撃度合いは小さい。
日本は30年間ほぼ通貨の価値は変わってません。100円で買えるものが変わってない。これは実は富裕層にとって美味しい状況だったのです。
国際的な競争力が変わってないなら、その分円高になるべきなのですが、為替が変わってないから国際的な競争力が相対的に落ちていることにも気づきにくい。
本当に多くの人に、そんなことを今更と思われそうだけど、そんなことを色々思ったりしたのです。
以前は、消費税を上げるべきという主義でした。今は、下げるべきかというと、でもそれもどうなのかなとは思ってます。消費税はなんだかんだ、資産を持っている人を直撃できるという面はあるし、適正値がわからないという感じですね。まあ専門家じゃないし、そこを計算したり考えたりするのは自分の立場じゃないですが、この件に関しては保留というのが自分の立ち位置です。