木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

消費税を上げるか上げないか、という話

最近色々な気づきを得たので、備忘録を兼ねて記事に。

まあ、元から分かってる人からしたら、

「何を今更www」

という内容だと思いますが・・・

また、自分の考えが依然として間違えている点も多々あると思います。そこは専門家じゃないのでご了承ください。

 

 

よく、

「お金持ちからお金を取らないと」

と言いますよね。そのために所得税を上げろと言うのですが、どんなに高所得者に課税してお金を取ろうとしても、それはこれからお金持ちになろうとしている人から取っているだけで、実際にお金持ちからお金は取れていないのです。

既に資産が100億円ある人にとっては、所得税が80%になろうとも90%になろうとも、全く痛くない。

むしろ、これからお金持ちになろうとするライバルが現れにくくなるという点では、ありがたい事かもしれない。

 

お金を持っている人からお金を取るには、資産課税しかないですが、世界で資産課税なんてやっている国はどこにもないし、そんなことをやったら海外に送金して逃げられてしまうだけなので無意味です。そう、お金持ちから本当にお金を取るのはめちゃくちゃ至難なのです。結局、相続税で取るしか無いけど、それには死ぬまで待たないといけない。さらに、法人化してそこの役員を変更させる手法で、合法的に事実上の節税は結構簡単にできる。

 

なので自分は思ってました。

「お金持ちは一般人よりたくさんお金を使う。だから消費税を上げて、その分低、中所得者の所得税を下げることが、お金持ちからお金を取る最良の方法だ」

と。

 

 

インフレが起これば現金預金の価値は下がります。それは元々分かってました。

しかし、富裕層は既にかなりの資産を不動産や債権、株などで持っています。インフレになったらそれに乗じて不動産や株式の価格も上昇するので、やっぱりインフレにしても富裕層から取れないんじゃないかと。しかも、富裕層ほど資産を不動産や株にすることが出来ていて、庶民ほどそれらを持っていないのです。インフレが起こっても富裕層は痛くも痒くもないのではないかと。

しかし、今回のコロナ騒動で、多くの国がたくさんのお金を刷った状況を見て思ったのです。

そうか、これが消費税を上げるべきでないという人たちの主張なのか、と。

 

今回、日本は一気に円の流通を100兆円弱も増やしました。

大体、5%ほど円の流通量が増えた計算です。

それだけで日本全体が5%裕福になるなんて無理で、起こったことは円の価値が5%下落したんですよね。

さっきの富裕層云々の話と同じで、富は相対的なものなので、以前だったら100億円の価値があれば、今は105億円無いと同じ価値にならないのです。

現金預金でずっと持っていれば勝手に5%の価値が減ってます。

一方、不動産や株で保有していれば、相対的に同じ価値の105億円になります。勿論上がり方は平均的ではなくバラバラになりますが。

その時ですが、価値を測る物差しは日本の場合

「円」

以外にないんですよね。実際の価値が変わっていないのに、100億円持っていた人は105億円になった。すると、5億円増えてます。

株式なら、現金化した時に利益の20%が税金として取られるので、5億円の「利益」になるので、20%の1億円を税金として徴収できるのです。

日本全体で1600兆円が1680兆円になった時に、インフレに合わせて資産価値の上がらない現金預金が半分とすると、帳尻を合わせるために残りの半分の資産(株や不動産)が10%の値上がりをすることになります。

なので、しっかり投資をしている人は、税金を払っても利益が上がるわけですが。

これが可能なのは、通貨発行権を持っている国だけです。

勿論、通貨を発行しすぎると、国としての信用を失い、ジンバブエドルのように価値が暴落し続けます。そのバランスは取らざるを得ないけど、現実的には日本にある個人資産は実質的にこの手法で国の管理下にあると言えるわけです。

ヨーロッパは、EUとしてユーロという通貨を使っているため、一つの国で金融緩和をすることが出来ません。だから消費税を高騰させるしか方法がないのです。

 

自分が気づいてなかった点。なんでこれに気づかないんだろうとも思えるけど、実際は横ばいなのに、インフレして円ベースで増えた資産は、「利益」として課税できるという点。

 

庶民は、貯金はあったり無かったりしますが、なんだかんだ生活のベースは労働の対価(多くの場合、給与)です。

インフレすれば、給与も同様に上昇します。庶民の資産は目減りするものの、生活への直撃度合いは小さい。

日本は30年間ほぼ通貨の価値は変わってません。100円で買えるものが変わってない。これは実は富裕層にとって美味しい状況だったのです。

国際的な競争力が変わってないなら、その分円高になるべきなのですが、為替が変わってないから国際的な競争力が相対的に落ちていることにも気づきにくい。

 

 

本当に多くの人に、そんなことを今更と思われそうだけど、そんなことを色々思ったりしたのです。

以前は、消費税を上げるべきという主義でした。今は、下げるべきかというと、でもそれもどうなのかなとは思ってます。消費税はなんだかんだ、資産を持っている人を直撃できるという面はあるし、適正値がわからないという感じですね。まあ専門家じゃないし、そこを計算したり考えたりするのは自分の立場じゃないですが、この件に関しては保留というのが自分の立ち位置です。