「東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話」を読んで
東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話 | 池田渓 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
こちらの本を献本頂いて、読ませて頂きました。
ざっくりとした内容の紹介記事はこちらです。
著者の池田さんと自分はお互い1浪で、年齢も東大の入学年度も1つ下の方です。
この本ですが、多分一番読んでほしい対象は、無理して東大の受験を考えている高校生、もしくはその親なんじゃないかなと思います。
東大生と言っても、本当に色々な人がいます。年間3000人もいるんだからそりゃそうなのですが。
で、本にも出てくるのですが、東大というところは、トップの学生と底辺の学生の学力差が日本で最も「大きい」大学です。しかもダントツで。
え?と思うかもしれないけど、どんなに優秀な学生でも、日本から出る気がないなら東大より学力が求められる大学はないし、研究する上で東大より恵まれた環境の大学も無いので、本当にすごい人が普通にいるのです。
本に出てくる、「超東大生」と言っていい人、作り話じゃないかと思うかもしれないくらいの内容だけど、本当にすごい人は凄すぎて、全然盛る必要が無いくらい本当にいますw
一方、底辺東大生は、まあいなくはなさそうだけど、少し盛っていそうと思うくらい。そこの感覚は、現場を知っていると思うところです。
で、ここから。
むちゃくちゃ無理をして、なんとかギリギリで東大に入りました、という人。
多分、本当に苦労すると思います。
正直、先生たちの授業はお世辞にも上手いとは言えないです。
にもかかわらず、ある程度の理解をしないと、しっかり不可を出してきます。それが4年間続くわけです。
東大入試くらいでヒーヒー言って本当にギリギリで入試を突破した人は、この本にあるように東大に入ったために人生がツラくなることは多々あります。
世間は東大に対して異常な期待と要求をしてくるんですよ。別に同じ人間だし、受験勉強の能力が少し上なだけなのに。そして、その期待を少しでも外すと
「東大卒のくせに」
と。
別に東大が悪い大学ということは勿論ないです。ある程度余裕を持って合格した人たちにとっては、非常に有意義な環境でしょう。
ただ、どんな動物でも機械でも社会でも、すべてのものには「余裕」というものが必要です。余裕なくギリギリだと、なにかの拍子にすぐにトラブルになります。
東大に入ったらその後の人生がイージーモードになると思っている人は多分多々いるけど、そんなことは決してないです。
東大に限らないけど、ホンの少し頑張れば普通にやっていける環境こそ人間は一番伸びると思うし、自分自身の価値を伸ばすにはどの環境に身を置いたら良いかを考えて進路を選ぶべきです。それは大学入試に限らなくて、就職もそうだし、割と一般的に成り立つことなんじゃないかなと思います。