囚人のジレンマとコロナ
コロナ対策は、囚人のジレンマそのものです。
ゲーム理論の有名な例題として、囚人のジレンマ、というのをご存知でしょうか。
囚人が二人います。
二人は共謀してある犯罪をしました。
二人で口を合わせて秘密にすれば、微罪で懲役1年で済みます。
二人とも真実を話せば懲役7年です。
一方で、片方が口を割って、もう片方が真実を話せば、もう一人が罪を犯したとして、真実を話した方を無罪釈放するという司法取引が警察から持ち込まれました。どうしますか?
囚人は、仲間が秘密にしていれば、
秘密にする→1年 真実を話す→0年
仲間が真実を話していれば、
秘密にする→10年 真実を話す→7年
そう、どちらも場合でも、真実を話す方が得なのです。すると、二人とも真実を話して7年の懲役を受けるのです。
でもですよ、お互いが秘密を守れば、お互い1年で済んでたはずなのに・・・
なんとも板挟みですよね。これが囚人のジレンマと呼ぶのです。
さて、今回のコロナ騒動ですが、これは壮大な囚人のジレンマなのです。
全世界の人が1ヶ月くらい完全に対策をきっちり守った場合、ちょっとした不便で済むのです。
でも、全世界の人が完全な対策をきっちり守り、自分(とその周り、現状感染してない可能性の方がずっとずっと高い)だけ普段どおり行動したらもっと得ですよね。
たった2人の囚人ですら、お互い7年の刑になってしまうのです。
何十億人という全世界の人が完全な対策をすれば・・・というのは、ゲーム理論的に考えると、空想、夢想、妄想の世界です。それどころか、1億人ですら無理です。
そこで思いつくのが、罰則を与えるロックダウンです。あちこちでやってましたよね。
でもですよ、罰則で縛っても、70億人の利得が
罰則の大きさ>一時的な自由
となる罰則なんて存在しません。
そもそも、殺人より重い罰則にするなんて無理だと思うけど、殺人ですらアメリカで(行方不明は含まずに)毎年15000人も殺されているのです。
フィリピンのように、外出したら即射殺、とかレベルにしないといけないですが、それって警察/軍隊は普通に動かないといけないわけで、そこ経由で感染が発生しますし、そもそもその期間に別の病気になった人は見殺しにするの?という問題もあります。
今回のこの騒動は、完全なる囚人のジレンマなのです。
他の人が強く対策して、自分たちだけ普通に行動するのが一番得なのです。
そして政府は、この構造を理解した上で対策を打たないといけないのです。
コロナの感染力の高さと囚人のジレンマの構造から考えると、抑え込むのは不可能。
でも、対策をするように言い続ける、そういう政策をするだけだと、真面目に言うことを聞こうとする人だけがどんどん損をしてしまうのです。そんな政策は到底取れないのです。個人的には、尾身先生はそこを非常によく理解していると思います。
コロナが広がっているのは、GOTOなんかの理由では無いです。
そもそも3000万人ものGOTO利用者がいて、利用者がその時、その後で感染が確認されたのはたったの100人ちょっとですし。
ここまでくれば封じ込めは幻想、妄想のレベルです。
封じ込めをしない政府を批判するのは、ゲーム理論で1億人が手を取り合うことが出来ると思うお花畑の頭の人か、分かった上で損な囚人の役割を他人に押し付けようとしている人(その方が得だから)だと思うのです。
feminismとフェミニズム
feminism(フェミニズム)とは、女性解放思想とも言うように、
「男が公共の場でおっぱいを出してOKなのに、女性が出したら駄目というのは不公平である。女性もおっぱいを出したいなら出したってOKになるべきである」
という感じで
「女性だけ○○したら駄目、○○すべきという風潮に強くNOを突きつけ、そういう明文化されてたりされてなかったりする規制を極力まで減らしていくことで、真の男女平等を目指す」
という思想です。代表的なfeministとしては、エマ・ワトソンが挙げられるでしょう。
なので、本来のfeminismとは、
「この絵は性的過ぎるから規制すべき」
「そんな性的な服装をするのはハシタナイ」
という意見に対して強く反発し、表現や服装などの自由をもっと認められるべきという思想です。規制から女性を開放する思想なのです。性的魅力を活かしたいなら活かせば良い。男女ともに。それがfeminismの思想です。
しかし、日本ではなぜか、萌え絵や性的な服装に対して拒否反応を示している人たちが、何故か「フェミニスト」を自称していることが多いです。
feminismの思想とは真逆であるにも関わらず。
フェミニズムは元々欧米で生まれたfeminismをそのままカタカナにしただけのものです。フェミニズムが最初ではなく、feminismが最初なのです。
それにも関わらず、feminismの精神とは正反対のことを、フェミニズムを名乗って主張している。
勿論、思想に良い悪いは基本的にはありません。
性的なものをどんどん開放していこうという主張も一つの思想。
性的なものを規制すべきという主張もそれはそれで一つの思想です。
この二つは真逆の思想なので、当然衝突します。
しかし、前者がfeminismを最初に名乗り、後者の立場を取る人がフェミニズムを名乗るのは自分は明らかにおかしいと思うのです。元々がfeminismがあるのだから、それと正反対の主張をする人たちはフェミニストとは違う別の呼び方にするべきだと自分は強く思うのです。
ところで、良く炎上することもある「フェミニスト」の石川優実さん。
kutooで有名ですよね。
kutooとは、
「女性はハイヒールを履くべき、という風潮は苦痛である。女性も平べったい歩きやすい靴を堂々と履ける社会にしよう」
という運動です。これは、日本のフェミニズムではなく、本来のfeminismの思想そのものです。また、石川さんは元々グラビアタレントでもあり、ヌードになったりもしてます。まさに本来のfeminismの思想そのもので、自分は石川さんは元々正当なfeministだったんだろうと思ってます。
しかし、石川さんがfeministとして有名になったことで、フェミニストを名乗る人が応援してくるようになり、次第にそちらに取り込まれてしまったのではないかと自分には残念に思えるのです。
日本でフェミニストを名乗っている人は、本来のfeministの意味で名乗っている人と、乗っ取られた「フェミニスト」を名乗る人がいます。非常に混乱しやすい。
feministを名乗る人が別の名前にする意義は一切ないと自分は思います。一方、フェミニストを乗っ取った側は、それを手放したくないでしょう。残念ながらこれからもこの対立は続くのかなと思います。
11/11追加
自分が思う真っ当なfeministのろくでなし子さんによると、feminismの乗っ取りは日本だけの出来事ではないようです・・・
心地よいベット数を意識しよう
久しぶりに真面目なポーカーの戦略記事。初中級者向けの内容です。
ボタンからKTでオープンしました。BBがコール。
フロップK53r
良いフロップですよね。稼ぎたいところ。
このとき、ターンとリバーがラグだったとして、KTはリバーまで何回べットが入るのが心地よいでしょうか。
フロップべット→ターンべット→リバーべット
と三発打ち切って全部コールされたら、KTは勝っている可能性はどれくらいでしょう。半分ないんじゃないでしょうか。
でも、フロップべットだけで終わったら寂しいですよね。
そう、このKTは、2回べットが一番心地よいのです。
2回ベットが心地よいなら、如何に2回にするかを考えます。
一番自然なのは、
フロップベット→ターンベット→リバーチェック
フロップベット→ターンチェック→リバーで相手のベットをコール
フロップベット→ターンチェック→リバーで相手チェックにこちらがベットして相手コール
この3つでしょう。
ところで、相手がフロップでレイズしてきた場合。
レイズはいきなり2つ目のベットが入ったことになります。
まあコールしますよね。
ターン8
相手ベット。
これで3つ目のベットになってしまいました。心地よいベットサイズを超えてしまってます。そこでどうプレイするか。非常に難しいのですが、コールしてリバーで打たれたら4回目のベットを受けることになります。2つのベットが心地よいハンドで3つ目のベットを既に受け、4つのベットを受ける可能性もある。その時にフォールドするのです。
こちらがAAを持っているとします。
フロップK53r
これは3発打ち切って全部コールされたら、K相手から大きなバリューが取れそうです。つまり、このAAは、心地よいベット数が3回なのです。
3回を達成するには、3回打つしかありません。
しかし、フロップかターンでレイズされた場合、一旦コールしてリバーで打たれたら4回目のベットに直面してしまいます。これは非常に心地よくないベットですよね。
とはいえ、心地よいベット数から+1でしかないので、それなりにコールは有力です。
KTでレイズしてBBコール。フロップKT3r
これは心地よいベット数が4です。一回レイズ入ってもOK。
33でレイズしてBBコール。フロップKT3r
心地よいベット数は5です。100bbだと普通オールインになるので、6以上を心配する必要はありません。
一方、AKでレイズして、BBがコール。フロップ258
この心地よいベット数はいくらでしょうか。それは1だと思います。
フロップでベットするか、ターンでベットするか。
次に、TTでレイズしてBBがコール。フロップQ64r
これも、心地よいのは1.5くらいでしょう。0.5のベットは出来ないですが、1だとちょっと勿体なくて2だとちょっと心地悪いですね。でもしょうがないからどちらかにしないといけないのですが。
KTでレイズして相手コール。
フロップK64
心地よいベット数は2ですね。ベットして相手コール
ターンT
これによって、心地よいベット数が4に跳ね上がりました。ターンとリバーでベットしますね。
ターンA
心地よいベット数が1に下がります。チェック。
そう、心地よいベット数も、ターンとリバーで変わることが多々あるのです。
ここまでは基本的にこちらがバリューハンドだった場合の話です。
次はドローハンドだった時を考えます。
ドローハンドは、心地よいベット数という概念が消えます。
K64のボードで、75を持っていたとします。
これは3か8を引けばボードがペアにならない限り絶対勝ちますし、引けなかったら絶望的です。
こういうハンドは
「相手の心地よいベット数を外す」
ことが出来たら良いのです。
相手がAQだとすると、相手の心地よいベット数は1なので、相手のベットに対してレイズすると相手のハンドの価値を最小化(=こちらのハンドの価値を最大化)出来ます。
一方、相手が44だったら、心地よいベット数は5なので、レイズすると相手の心地よいベット数にどんどん近づいてしまいます。相手がAAでも、心地よいベット数が3なので、レイズしてリバーまで打ち切らない限り、相手は心地よくプレイできてしまうのです。ドローを引くことが出来たら、こちらは完全に安心して相手の心地よいベット数を超えていけるし、引けなかったら相手がどの程度降りるかを考えないといけないのです。相手の心地よいベット数が下がったと感じたならブラフをするし、心地よいベット数が上がったならブラフは控える、という感じです。
ポストフロップを良くプレイするために、心地よいベット数というのを意識し、それを達成できる可能性が高いのはどういうプレイなのかを考えると良いと思います。
「東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話」を読んで
東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話 | 池田渓 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
こちらの本を献本頂いて、読ませて頂きました。
ざっくりとした内容の紹介記事はこちらです。
著者の池田さんと自分はお互い1浪で、年齢も東大の入学年度も1つ下の方です。
この本ですが、多分一番読んでほしい対象は、無理して東大の受験を考えている高校生、もしくはその親なんじゃないかなと思います。
東大生と言っても、本当に色々な人がいます。年間3000人もいるんだからそりゃそうなのですが。
で、本にも出てくるのですが、東大というところは、トップの学生と底辺の学生の学力差が日本で最も「大きい」大学です。しかもダントツで。
え?と思うかもしれないけど、どんなに優秀な学生でも、日本から出る気がないなら東大より学力が求められる大学はないし、研究する上で東大より恵まれた環境の大学も無いので、本当にすごい人が普通にいるのです。
本に出てくる、「超東大生」と言っていい人、作り話じゃないかと思うかもしれないくらいの内容だけど、本当にすごい人は凄すぎて、全然盛る必要が無いくらい本当にいますw
一方、底辺東大生は、まあいなくはなさそうだけど、少し盛っていそうと思うくらい。そこの感覚は、現場を知っていると思うところです。
で、ここから。
むちゃくちゃ無理をして、なんとかギリギリで東大に入りました、という人。
多分、本当に苦労すると思います。
正直、先生たちの授業はお世辞にも上手いとは言えないです。
にもかかわらず、ある程度の理解をしないと、しっかり不可を出してきます。それが4年間続くわけです。
東大入試くらいでヒーヒー言って本当にギリギリで入試を突破した人は、この本にあるように東大に入ったために人生がツラくなることは多々あります。
世間は東大に対して異常な期待と要求をしてくるんですよ。別に同じ人間だし、受験勉強の能力が少し上なだけなのに。そして、その期待を少しでも外すと
「東大卒のくせに」
と。
別に東大が悪い大学ということは勿論ないです。ある程度余裕を持って合格した人たちにとっては、非常に有意義な環境でしょう。
ただ、どんな動物でも機械でも社会でも、すべてのものには「余裕」というものが必要です。余裕なくギリギリだと、なにかの拍子にすぐにトラブルになります。
東大に入ったらその後の人生がイージーモードになると思っている人は多分多々いるけど、そんなことは決してないです。
東大に限らないけど、ホンの少し頑張れば普通にやっていける環境こそ人間は一番伸びると思うし、自分自身の価値を伸ばすにはどの環境に身を置いたら良いかを考えて進路を選ぶべきです。それは大学入試に限らなくて、就職もそうだし、割と一般的に成り立つことなんじゃないかなと思います。
消費税を上げるか上げないか、という話
最近色々な気づきを得たので、備忘録を兼ねて記事に。
まあ、元から分かってる人からしたら、
「何を今更www」
という内容だと思いますが・・・
また、自分の考えが依然として間違えている点も多々あると思います。そこは専門家じゃないのでご了承ください。
よく、
「お金持ちからお金を取らないと」
と言いますよね。そのために所得税を上げろと言うのですが、どんなに高所得者に課税してお金を取ろうとしても、それはこれからお金持ちになろうとしている人から取っているだけで、実際にお金持ちからお金は取れていないのです。
既に資産が100億円ある人にとっては、所得税が80%になろうとも90%になろうとも、全く痛くない。
むしろ、これからお金持ちになろうとするライバルが現れにくくなるという点では、ありがたい事かもしれない。
お金を持っている人からお金を取るには、資産課税しかないですが、世界で資産課税なんてやっている国はどこにもないし、そんなことをやったら海外に送金して逃げられてしまうだけなので無意味です。そう、お金持ちから本当にお金を取るのはめちゃくちゃ至難なのです。結局、相続税で取るしか無いけど、それには死ぬまで待たないといけない。さらに、法人化してそこの役員を変更させる手法で、合法的に事実上の節税は結構簡単にできる。
なので自分は思ってました。
「お金持ちは一般人よりたくさんお金を使う。だから消費税を上げて、その分低、中所得者の所得税を下げることが、お金持ちからお金を取る最良の方法だ」
と。
インフレが起これば現金預金の価値は下がります。それは元々分かってました。
しかし、富裕層は既にかなりの資産を不動産や債権、株などで持っています。インフレになったらそれに乗じて不動産や株式の価格も上昇するので、やっぱりインフレにしても富裕層から取れないんじゃないかと。しかも、富裕層ほど資産を不動産や株にすることが出来ていて、庶民ほどそれらを持っていないのです。インフレが起こっても富裕層は痛くも痒くもないのではないかと。
しかし、今回のコロナ騒動で、多くの国がたくさんのお金を刷った状況を見て思ったのです。
そうか、これが消費税を上げるべきでないという人たちの主張なのか、と。
今回、日本は一気に円の流通を100兆円弱も増やしました。
大体、5%ほど円の流通量が増えた計算です。
それだけで日本全体が5%裕福になるなんて無理で、起こったことは円の価値が5%下落したんですよね。
さっきの富裕層云々の話と同じで、富は相対的なものなので、以前だったら100億円の価値があれば、今は105億円無いと同じ価値にならないのです。
現金預金でずっと持っていれば勝手に5%の価値が減ってます。
一方、不動産や株で保有していれば、相対的に同じ価値の105億円になります。勿論上がり方は平均的ではなくバラバラになりますが。
その時ですが、価値を測る物差しは日本の場合
「円」
以外にないんですよね。実際の価値が変わっていないのに、100億円持っていた人は105億円になった。すると、5億円増えてます。
株式なら、現金化した時に利益の20%が税金として取られるので、5億円の「利益」になるので、20%の1億円を税金として徴収できるのです。
日本全体で1600兆円が1680兆円になった時に、インフレに合わせて資産価値の上がらない現金預金が半分とすると、帳尻を合わせるために残りの半分の資産(株や不動産)が10%の値上がりをすることになります。
なので、しっかり投資をしている人は、税金を払っても利益が上がるわけですが。
これが可能なのは、通貨発行権を持っている国だけです。
勿論、通貨を発行しすぎると、国としての信用を失い、ジンバブエドルのように価値が暴落し続けます。そのバランスは取らざるを得ないけど、現実的には日本にある個人資産は実質的にこの手法で国の管理下にあると言えるわけです。
ヨーロッパは、EUとしてユーロという通貨を使っているため、一つの国で金融緩和をすることが出来ません。だから消費税を高騰させるしか方法がないのです。
自分が気づいてなかった点。なんでこれに気づかないんだろうとも思えるけど、実際は横ばいなのに、インフレして円ベースで増えた資産は、「利益」として課税できるという点。
庶民は、貯金はあったり無かったりしますが、なんだかんだ生活のベースは労働の対価(多くの場合、給与)です。
インフレすれば、給与も同様に上昇します。庶民の資産は目減りするものの、生活への直撃度合いは小さい。
日本は30年間ほぼ通貨の価値は変わってません。100円で買えるものが変わってない。これは実は富裕層にとって美味しい状況だったのです。
国際的な競争力が変わってないなら、その分円高になるべきなのですが、為替が変わってないから国際的な競争力が相対的に落ちていることにも気づきにくい。
本当に多くの人に、そんなことを今更と思われそうだけど、そんなことを色々思ったりしたのです。
以前は、消費税を上げるべきという主義でした。今は、下げるべきかというと、でもそれもどうなのかなとは思ってます。消費税はなんだかんだ、資産を持っている人を直撃できるという面はあるし、適正値がわからないという感じですね。まあ専門家じゃないし、そこを計算したり考えたりするのは自分の立場じゃないですが、この件に関しては保留というのが自分の立ち位置です。
ゲームを普及するために
以前、どなただったかが
「せっかくMリーグが出来て、麻雀がこれから普及しようとしている。麻雀を打つ人にとって、麻雀が普及することは良いことなんだから、喧嘩したりせずにMリーグに協力しましょうよ」
という趣旨の内容のツイートがそれなりの数RTされてて、自分も目にしました。
その時思ったのです。
「その思想には賛成するんだけど、そういう呼びかけは残念ながら実を結ぶことはないよ」
と。そこについて、自分が思うことを書きたいと思います。主に麻雀を想定して書きますが、これは他のゲームについても全く同じことが言えるはずです。
まず大前提として、自分は自分が好きなゲームをやる人が増えたら嬉しいと素直に思います。そのツイートを書いた人も同様です。
しかし、
「普及したら嬉しいとは思わない」
「むしろ普及してほしくない」
という人も多々いるんだと言うことに気づかないと、普及させる上で足かせになると思うのです。
まず、麻雀をここから更に普及させるためには、現行のMリーグのように、クリーンさを売りにしていくしかないです。しかし、麻雀は小博打であって賭けないと面白くないと思う人はかなりいます。そういう人に、クリーンさこそが大切なのだと言ったところで、協力してもらうのは不可能です。
ゲームに限らず、自分の基本的なスタンスとして「価値観の押しつけ」は良くないというものがあります。普及させたい、そのためにはクリーンであるべき、というのは一つの価値観であって、小博打として楽しみたいというのも一つの価値観です。価値観が違う人をどんなに説得しようとも、それは無理です。
また、普及すると、
「お山の大将」
となることが難しくなります。お山の大将の立場って美味しいですからね。そういう人も、普及すると損をする人です。
ではどうすべきか。
以前も別のテーマで書きましたが、普及させるということは、まだ麻雀をやっていない人に如何に興味を持ってもらうか、それが何より大切です。
そういう人に対して、麻雀はクリーンで有るべきか、小博打で有るべきかというような議論を見せること自体が、普及の足かせになるのです。
クリーンだクリーンじゃない、そういう次元ではなく、
「麻雀とはMリーグのようなものを指すのだ」
と思わせること。それこそが大切だと思うのです。
将棋がそうでした。自分が産まれる前は、将棋はお金を賭けてやるのが普通だった時代がありましたし、みんながタバコを当然のように吸っている時代もありました。
しかし、今は将棋といえば羽生さん藤井さんのイメージになってます。
「将棋でお金を賭ける?将棋を指してる最中にタバコを吸う?そんなわけないでしょ!」
あたかもそれが昔から当然であったかのように今は思われていますよね。少なくても一般には。
今は麻雀もそこを目指すべきなんじゃないかなと思うのです。
じゃあどうすべきか。
それは、価値観が違う人を説得することではなく、このMリーグの熱狂と議論から「排除」すること。
小博打として麻雀を打っている人は、別のゲームをやっていると思ってそういうグループにそのままいてもらう。他方で、Mリーグを盛り上げたい人は盛り上げたい人たちで盛り上がるのです。お山の大将でいたい人は、もっと積極的に邪魔をしてくるでしょう。
多いとは言えない麻雀愛好家だから、少しでも数を確保したいのは分かります。でも、長期的に普及させたいなら、協力を呼びかけるのではなく、しっかり分断して排除することこそ、普及への近道だと思うのです。
Higashiさんの問題に対する回答
ノーリミットホールデムをプレイしていて、ある時フロップが開いた瞬間にルールが変わり、ターンとリバーで新たなコミュニティカードが与えられないことになったとします。(ベッティングラウンドはそのまま3回が健在) このとき平均的なベットサイズは本来のゲームと比べてどう変わりますか?
— Higashi (@higashi2314) 2020年9月29日
この問題、面白かったのでRTしました。
アンケートの結果は、なんと完全に分かれましたね。
それで、Higashiさんの解説をみんなが待っていたのですが、なかなか解説が出てこないので自分が書いてしまいますw
これ、正解は確実に
「小さくなる」
だと思います。
例えばQT7sshというボードだとすると、普通のNLHEだとAAやKKを持っていても嫌なターン以降のカードはたくさんありますよね。
一方、このルールならQTと77位しか無いです。もしかしたらQ7sとT7sもかな。
そして、それらはリバーまで一切逆転されません。なので、普通のNLHEにおける、ドライボードのトップセットのようなものです。それがこちらにだけ一方的にたくさん存在するのです。
フロップで勝敗は決まっている。にもかかわらず、ベットは3回。
これだと、トップレンジをたくさん持っているオープンした側の期待値が非常に高くなるのですね。トップレンジで荒稼ぎできます。
トップレンジで荒稼ぎできるなら、弱いハンドでもブラフが効くということです。
仮にターンとリバーでポットべットすると仮定して、リバーから逆算してみましょう。
リバーまで躊躇なくべットできるナッツ級と言えるこちらのハンドは
QQ、TT、77、QT、Q7、T7、AA、KK、AQ、KQ
くらいかな。
3+3+3+9+9+9+6+6+12+12=72コンボ。
リバーで2対1で混ぜてポットベットをすると、72:36なので、足して108コンボ。
ターンで2対1で混ぜてポットベットをすると、108:54なので162コンボ。
実際は72コンボしかモンスターは無いのに、162コンボもモンスターがあると同様になってしまうのです。
コンボの計算に出ているカードを除いたものを考えているので、全体のレンジは49×48/2=1176コンボ。ボタンのオープンレンジをルース目に45%とすると、529コンボ。
529コンボのうち、相手が仮にQJを持っていてもターンでフォールドしてもコールしても期待値が同じというハンドが162コンボもあるのです。
更に、ボタンに200%べットという選択肢があるのなら、
72:48なので120コンボ。
120:80なので200コンボ。
QJで降りるかどうかのコンボが200もあるのです。
そうなると、相手はQJでレイズするのは本当に難しいです。
QJでレイズができないのなら、他のQxやTx、JJなどでフロップはバリューベットをうち、これらはターンでベットするかしないかをコールされた後に考えるハンドに回せるでしょう。つまり、フロップでバリューベットを打てるコンボ数が鬼のように多いのです。それならば、エアーの時にリスク小さく降ろすために、小さいべットをする方が良いのです。
ただまあ、このボードはこのルールだとオリジナルレイザーに有利すぎて、多分大きく打っても小さく打っても殆ど変わらないものだと思います。フロップでQ以外は、小さく打たれても大きく打たれても、結局殆ど降りざるを得ない。
では
876
のようなフロップを考えます。
今度はストレートも2ペアもどちらにもあります。
こういうボードなら、J9のようなハンドで小さく打って、AハイやKハイ等を降ろすメリットは非常に大きいでしょう。
2ペアは相当降りないけど、実は89とか79のように、ターンリバーが存在するなら強いハンドは価値が激減しているのです。
小さく打って降ろせる範囲が非常に広いので、より効率よくフロップでブラフをしたい。そのために小さなサイズを選び、そこで生き残ったレンジに対してターン以降はこちらも選んだレンジを使って大きくベットをしていくという展開になると思います。
まあ、色々書きましたが、逆転が薄いボードにおいては、最後のストリートで大きく打つことを見越して、最初のストリートでトップレンジを多く持つ側が広く小さく打つというのが非常に強力になるのです。
*10/8追記
「平均的なべットサイズ」
と問題にあったけど、自分は「べットサイズ」という言葉からフロップのべットサイズに限定して回答してました。
でもこれ、ターンやリバーまで含めた平均的なポットサイズ(=それ以降まで含めたべットサイズの合計)の話なのでしょうかね。もしそうなら、なんとも言えないが回答になりますし、リバーでショウダウンになったときの平均的なポットサイズ なら、大きくなるという回答になります。
*10/8追記パート2
QT7ボードで、QJがレイズするのが難しいなら、フロップで大きくベットするほうが正しい可能性もかなりありそうだと感じました。
レイズが来ないなら大きく、というセオリーですね。
一方で、876ボードならかなりレイズがあるので小さく。一方でドローが無いので、通常のNLHEだとよりワンペアに強烈なプレッシャーを与える事ができるので広くべットはできる(なので通常より小さめ)とも思います。