木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

ブラフやブラフキャッチと、ブロッカー

ブロッカーという概念、PLOや2-7で結構重宝されてきていて、それがNLHEにも輸入されてきて久しいです。

5年くらい前はトップクラスのプレーヤーだけのものと言って良いような概念だったのが、色々な記事や動画、その他で解説された結果、多くのプレーヤーが知るところとなりました。

「本手をブロックしていて、ブラフをブロックしていないからコール!」とか。

新しい概念を知ると、ついつい使いたくなるのが人間のサガです。しかし、ブラフやブラフキャッチをする上で、ブロッカーよりもっともっと大切なものがあるのですが、それがおざなりになっているイメージがあります。それを2つ、挙げたいと思います。

 

COがオープンして、BBからAh4hでコールしました。

ボードがAc2c3s Ks 8h

相手からのトリプルバレルを

「45のストレートとAをブロックしていて、フラッシュドローをブロックしていないからコール!」

とかですね。

 

1、そのコンボが相手のレンジにどの程度あるか。

 COから45oでオープンしませんよね?45sが低頻度で入るくらいです。なので、45はそもそも相手のレンジにほとんど無いですよね。そんなナッツストレートをブロックしていることが、ブラフキャッチにどの程度価値があるのでしょうか。

 

2、相手はどれくらいのハンドでトリプルバレルバリューべットを打ってくるのか。

(45s?)、AA、KK、33、22、AK、A3s、A2s、AQ位でしょうか。A8sはターンでチェックが入りそうです。AJがどちらもありそうではあります。

結構たくさん組み合わせがありますよね。コンボ数とか気になる人は数えてみてください。Aをブロックしていても結構沢山あります。

 

3、相手がどれくらいの頻度でトリプルバレルブラフを打つのか。

これが一番大切です。相手の自然なブラフの組み合わせとしては、QJTの組み合わせとフラッシュドローミスでしょうか。で、この相手は、それをどのくらいの頻度でそれらのハンドでブラフで打ってくるのか。リバーだけでなく、ターンでは?

 

仮にリバーがポットベットだったとすると、ブラフ:バリューが1:2以上あるかどうかがオッズが合うかどうかの分岐点です。

ここまでコールしてきたBBは、かなりの確率でAを持っているでしょう。そんなトップペアをCOはブラフで降ろしに来るでしょうか。来るならどの程度の頻度で?

 

 

相手が強い人なら、リバーでポットベットをしてきた場合、しっかりと

ブラフ:バリュー=1:2

に近い頻度になってます。正確に1:2を達成できるわけではないけど、大きくずれません。そういう割合で打ってきているなら、コール判断にブロッカーを考慮することは価値があります。ブロッカーを1枚持っていると、相手が打ってきた時の条件付き確率で、ボードによりますが多くの場合ブラフの割合が2%から4%ほど上昇します。

しかし、相手のブラフの割合が33%より5%以上ずれている場合。

具体的にはポットベットのブラフ率が28%以下だったり38%以上だったり。

その時は、ブロッカーを考えるまでもなくコール/フォールドのプレイが決定するのです。

ハイレベルになると、相手のブラフ率が33%から大きくずれている可能性は下がるでしょう。その時は、この2%や4%が長期的に大きくものを言うのです。

 

相手はどの程度ブラフをしてくるのか。それまでのプレイから推測したり、相手からみたこちらのイメージを考えたりしてそのブラフ率を見積もらなければなりません。

それまでのプレイ履歴から相手がどういうプレイをするかの情報を手に入れたり、お互いのイメージを考察したりすることをサボって、

「ブロッカー」

というかっこよさげな概念にばかり頼ってプレイするのは本末転倒なのです。