「テルを見抜け」レビュー
パンローリング社から出版された
「テルを見抜け!」
読了。いつも献本いただき、ありがとうございます。
この本の特徴としては、
「ここはこう判断すべき」
というような書き方を一切していない点です。
テルは、いわゆる無意識に行われている「癖」なので、一般的なものはあるとはいえ、全員に当てはまるわけじゃありません。それがある意味テル読みの限界と言えるものですが、この本ではそのことを認めた上かつ戦略の部分が一番大切だとしつつも、副次的な読みの要素としてテルを取り入れることを推奨してます。また、その点に自分は非常に同意します。
また、この本の見出しに
「観察と行動がもたらす優位性
10~30%はウインレートが向上する技術」
とありますが、テルをしっかり観察してプレーすることで、30%以上ウインレートが向上する人もいるんじゃないかと自分は感じますし、テル要素に関して無頓着な人がテル要素を正しく意識してプレーできたら、10%しかウインレートが向上しないということは無いんじゃないかと感じます。この手の本の見出しは誇大表現になってることが多いですが、こちらは非常に謙虚だなと感じますw
内容ですが、最初のページから106ページまで、かなり同意出来る内容です。
本でも何度も繰り返し書かれてますが、テルだと思ったことを鵜呑みにしないことが大切なのです。しかし、何回か確認した上で明らかにテルと判断出来たものに関しては利用しない手はありません。その中で本当にたくさんのテルが紹介されてます。
この本で紹介されている考え方で、個人的にとても大切で多くの人が意識出来ていないと思うのは、アクション前のテルとアクション後のテルは全く意味合いが違うということです。それについては是非本を手にとってみて下さい。
107ページから159ページですが、正直、飛ばして良いくらいですw
本は出版するに当たって、ある程度の分量にしないといけないのですが、そのためにページ数を水増ししようとして何とか書き足したものだというテルを読み取ることが出来ます!テルに詳しい人でも、テルは出してしまうことがあるのです!
160ページから172ページにかけては本題に戻る感じです。ここの部分は先に完成していたところなんだろうなという読みです。
174ページから201ページにかけて、ここは「ごまかしと小細工」という章ですが、テル的なアクションを意図的にやって相手を騙そうというような内容です。
そして、筆者自身がところどころ書いているように、これらはやらないほうが良いと自分も思います。自分の読みでは、ページ数を水増ししたいがために編集の人の提案で入れられた章であって、筆者本人はそこまで乗り気じゃなかったんじゃないかと思いますw
テル読みからの防御として有効なのは、自分がつい出してしまうテルを知っておき、その上で201ページにあるように、たまにそれを逆用することに尽きます。
フロップで3枚同じスートが来たら、フラッシュが完成してなかったらついハンドを見返す、というのは有名なテルですが、ハンドを見返してしまう代わりにフロップフラッシュが完成したときもハンドを見返すようにする、という風にするのが良いですね。
読み飛ばしていいところはあると書いたものの、ライブポーカーをする機会がある人は読んで損はしない良書だと思います。