昨日の記事、読まれた数はいつものポーカー記事よりかなり少なかったですが、コメントはいつもより多くいただきました。
この問題、どんなに区が個別に頑張っても、絶対に解決しないのです。国が本気でものすごい金額を投入しない限り・・・
保育園はどんなに作っても作っても、絶対に足りなくなります。
それは何故かと言うと、20万円の商品が5万円で売られているからなのです。
一人一つしか買えない20万円の商品が、今住んでいるところだと品切れで、隣町なら5万円でまだ在庫がある。そういう状況なら隣町まで買いに行きますよね?
認可保育園の運営事業者の区がどんなに頑張って認可保育園をどんどん作ったところで、足りないところから移動してくるだけで一向に待機児童は解消しないのです。
また、23区や近隣の市が協力してすごく頑張って現状の待機児童の子が全員保育園に入れるようになったとしたら、今度は今までだったらまず無理な人(前述の優先順位が低いと判断される人)で、認可保育園を最初から諦めていた人の子どもが新たに待機児童になるだけなのです。
日本全体で、保育園がダブつくくらい作らない限り解決しない。
しかも、小学生なら1人の先生が40人のクラスを担当しますが、0歳時は1人の先生は3人の子どもしか担当出来ないのです。人的資源的にも資金的にも相当難しいものがあります。
20万円の商品を10万円で売ることにすれば、補助資金的にも解決しやすくなるし、それなら買わないという人も出てくるので一見待機児童問題の解決には近づきます。
しかし、それだと子どもを持てない人が増え、ただでさえ少子化で将来の日本がどうなるかと問題になっている状況で、より少子化を推し進めることになってしまいます。
昨日のエントリで書いた収入が高い人はそれを歓迎するでしょうが、今度はそれだと困る人がもっともっとたくさん出るのです。
この問題ですが、細かい改善点はたくさんあるでしょう。FBでコメントをいただきましたが、0歳児クラスと言っても4月時点で3ヶ月の子もいれば、入ってすぐに1歳になる子もいます。低月齢のうちは大変で、保育士1人で3人が限度です。しかし、1歳になると1人で5から6人を見ることが出来ます。3歳になると15人から20人を見ることが出来ます。なので、4月に一斉にクラスを上がるのではなく、2,3ヶ月ごとに選考を随時行うことで事実上受け入れ人数を増やせるでしょう。
しかし、これは根本解決につながるわけではありません。
どんなに政治家や官僚が頑張ったところで、事実上解決不能な問題だと自分は思ってます。解決しないのは政治家の怠慢でもなく、原理的にどうしようもないのです。
日本が国としてすごく裕福になり、子育てにジャブジャブとお金をつぎ込めるようにならない限り・・・
身も蓋もない結論ですけれども、これが現実だと思います。
次回は、実際の選考の流れと、じゃあ個人としては保育園戦争を勝ち抜くにはどうしないといけないかを書こうと思います。