木原直哉オフィシャルブログ

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東京都の保育園問題1 現状解説編

保育園問題が有名になって久しいですね。いつまで経っても待機児童問題は解消しない、政治家は何をしているんだ!!??と良く聞きますが、これは原理的にほぼ解決不能な問題だと思うのです。以下、それについて色々書きます。

 

そもそも、0歳児を保育するのっていくらかかると思うでしょうか。

これ、月曜日から金曜日までの平日、8時から17時として、20万円くらいとのことです。

高い!!!

でもよく考えると、3人の0歳児に対して最低1人の保育士がいないといけないという決まりがあります。

保育士が20万円の手取りを貰うとして、所々の天引きがあると元はその2倍、40万円ほどを保護者3家庭で負担しないといけないのです。

もちろんそれ以外でも家賃光熱費・・・と考えていくと、月20万円かかるのは納得です。しかし、多くの家庭はそんな金額は払いようがありません。これを全額親に払わせようとしたら、子どもを産めるのはかなりの高収入(年収1500万円+)の人か、かなりの資産家か、もしくは子どもをみてくれる近親者がいる人か、そうでないのなら両親のうち片方が仕事を辞めないといけません。そんな世の中だと、あっという間に日本は廃れます。そこで、行政が負担をするわけですが、国というものを維持するに当たってその負担は不可欠です。

で、保育園ですが、東京都の場合、大きく分けて3つに分かれます。

それは

1,認可保育園

2,認証保育園

3,無認可保育園

 

認可保育園とは、市や区が直接保育園にお金を支払ってます(都の援助もあると思いますが)。

保護者は収入に応じて区にお金を支払います。その金額は普通の収入だと月額3から5万円で、最高(年収1500万円+)でも8万円弱です。

大体、0歳児1人当たり15万円を区が負担してます。

そして選考は、区で行います。保育園は子ども(や保護者)を選べず、割り当てられた子どもを受け入れることになります。認可保育園に申し込むには、共働きである等一定の条件があります。

 

認証保育園は大きなくくりでは無認可保育園と同じなのですが、都の援助が入ってます。保護者の負担は大体7万円前後で、収入に依りません。選考は保育園が行います。

 

無認可保育園はほぼ援助がありません。つまり、保護者が支払う保育料がそのまま園の収入になります。保護者の負担は13万円前後が多いです。

 

 

この中で、認可保育園 が一番安く子どもを預けることが出来るので、みんなそこを目指します。すると競争が過酷になるのです。

認可保育園は行政サービスではなく福祉サービスというカテゴリです。つまり、住民の生活の質を向上させるための施設ではなく、国民の最低限度の生活を維持するためという施設、生活保護と同様のカテゴリなのです。なので、自力で何とか出来ると思われるような高収入の人や、短い時間しか働かなくても生活できる人は優先度が低くなってしまいます。また、働いていない祖父母が近くに住んでいる場合も優先度が下がります。

一方、ひとり親だったり単身赴任だったりすると優先度は上がるし、複数の子どもがいる場合(双子は優先度が高いです)も優先度はあがります。共働きなのに収入が低い人も優先されやすいです。また、認証や無認可保育園に通っている場合、次年度の優先順位があがります。そこまでして預けないといけないという証拠、という感じだからです。

そして、ある程度収入がある親で、保育園激戦区に住んでいると、事実上1年目での認可保育園は無理というのが現状です。

 

認可保育園が無理なら、次は認証保育園です。

月7万円。共働きなら何とか払えなくもない金額です。

こちらは高収入で弾かれた人以外にも、両親のどちらかがフルタイムじゃない親が殺到します。登録順番通りの保育園もあれば、順番関係なく、園が育てたいと思うような子(事実上、子どもの親)を選ぶところもあります。

順番通りの保育園ですが、うちは12月の時点で説明会に行ったら、教えてくれたところは0歳児だけで200人待ちと言われ、当然4月時点ではアウト。なんと、その次の3月になって、空きましたがどうですか?と電話がかかってきました。1歳クラスに上がるに当たって認可保育園の空きがあるところに決まった子が出て、順番に電話をしたのでしょう(保育園も大変ですよね・・・)。

 

認証保育園がアウトなら、残るは無認可保育園です。

月13万円。しかし、0歳児は20万円かかるんですよね。なのに13万円で良いということは、主に2歳児クラスの保育費が0歳児クラスに回されているのだと思います。それでも20万円に到達はしないでしょう。するとどうなるか。狭い部屋で、職場環境が良いところに就職できなかった先生が見ることになるのです。

収入が比較的高く、税金をたくさん納めている両親の子どもは1年間、無認可保育園に入って、ポイントをためないと、認可保育園に入ることは絶望なのです・・・

 

 

次回に続きます