ポーカーには、将棋などの他の業界と同様に、ポーカー用語がたくさんあります。
しかし、ポーカー界に普遍的に通じるポーカー用語の他に、日本のアミューズメントポーカー界(プラス一部の日本人ポーカープレーヤー)にしか通じない業界用語もたくさんあります。
アミューズメント業界の業界用語を、それと分かってて仲間内だけで使う分には構いません。しかし、そうと知らずに一般的に通じる言葉だと思っている人も結構多いようです。なので、ここでいくつかそれを紹介したいと思います。
・「ザガン」
意味:UTG(アンダーザガン)。プリフロップで一番最初にアクションする人、もしくはそのポジションのこと。
これが一番有名ですね。これはアンダーザガンの後ろだけを取った日本だけの略称なので、当然海外では通じません。しかし、これを世界で通じると勘違いしている人も多いようです。
以前、マカオで外国人とハンドについて話している日本人が
「he raised from the gun, then I...」
と言っているのを聞いたことがありますw
「銃から何かを起動させた!!??物騒な!!!」と、聞いていた外国人は思ったんじゃないでしょうか・・・w
これ、外国人と話していて
「Let's eat shisu at zagin」
と言っているようなものです。
・「アーリーアクション」
意味:OOT(アウトオブターン)。順番を飛ばして先にアクションしてしまうこと。
he bet out of turn, then...というような使い方をします。
これは、ザガン以上に世界で通じると勘違いしている人は多そうですが、実際はアミューズメントポーカー業界用語です。何でアーリーアクションなどという言葉が使われるようになったのか、極めて理解しづらいです。earlyという単語は時間が早いという意味(例:デイ2の集合時間が10時とか、早すぎ!)ですが、規則を破った、とか、順番を飛ばした、というような意味ではありません。
多分、使われた外国人は、
「日本人は英語が苦手だから、fastと勘違いしたんだろう。順番が来て瞬間で○○した、という意味かな。で、何をもめてるの?」
と思うでしょう。
無理にカタカナにするから良くないのであって、普通に「先アクション」といえばいいだけなのに・・・
外国人と話していて、
「policeman chased the star」
と言うようなものですね。有名人を追ってると思うでしょうね、犯人じゃなくて。業界用語。
アーリーアクションという言葉は、アミューズメントポーカーのディーラーさんがよく使っている印象です。
アミューズメント業界人じゃない人に、業界用語を強制するようなシステムになってるし、それってどうなんだろうとよく思ってます。
・「バケーション」
意味:レイトレジストレーション。late regとも略される。トーナメントに途中参加すること。または、トーナメントに途中参加する人用に確保してある席のこと。
これは意味が2種類あるようで、レイトレジしたプレーヤーのチップがブラインドやアンティで減っていく時と、原点を保証されている時の両方で使うようです。
一般的には、前者はレイトレジとは呼びません。最初からいるのと同じ扱いなので。業界では置きバケとか呼ばれてる気がします。
後者がレイトレジです。
バケーションはいつまで?と聞かれたら、多くのポーカープレーヤーは、いつ帰国して仕事に戻るのかを聞かれたと思うでしょう。
聞きたかったら
「how long does the registlation open?」
とか
「when does the registlation closed?」
とか言いますが、簡略化して
「when late reg?」
「when is it closed?」
とかでも通じます。
2020/1/8追加
・「シートオープン」
意味:bust out。トーナメントから敗退すること。終了すること。
シートオープンとは本来、文字通りシート=席、がオープン=空いた、ことを意味します。
主にキャッシュゲームで、誰かが離席した時に、ディーラーさんがフロアに
「席が空きました!」
と伝える為の言葉です。
トーナメント中では、人数管理をしないといけないフロアに対して、ディーラーが、席が空いたことを伝える言葉です。
日本のアミューズ業界では、誰かがトーナメントで飛んだ時にレポートとかが
「○○さん、シートオープンです」
と言ったりします。これって、
「○○さんが座ってた席が空席になりました!!!」
って言ってるのです。
これ、めちゃくちゃ煽ってませんか?w
「○○さん、6位で終了です」
と言うのが一番自然だと思います。
なお、自分はポーカープレーヤーですが、日本アミューズメントポーカー業界人ではありません。
なので、もっともっと多くの業界用語があるとは思うけど、知らなかったり、ぱっと思い浮かばなかったりします。
また、業界人同士で業界用語を使うのは別に構いませんが、業界外の人に対して知らずに使ってしまわないように、という注意喚起の意味でこの記事を書きました。