木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

フロップK64rでのQQと88

ちょっと先週末に話題になったハンドです。

ボタンから2.5bbにレイズ、BBがコール。

フロップがK64r

この時、QQとか88のどちらかでベットしてどちらかでチェックをするとします。

どちらがベットするのにふさわしいでしょうか。

 

 

で、

「エクイティーの実現がどうのこうの」

「勝率がどうのこうの」

「ブロッカーがどうのこうの」

と色々ありましたが、根本的に大切なものを忘れている議論に見えたので、せっかくなので記事という形で書こうと思います。

 

この状況、すごく当たり前のことを書くけど、そもそも4通りしかないのです。

QQでベット QQでチェック

88でベット 88でチェック

 

まず、単純にベットしてコールされた場合を考えましょう。

相手にKを持たれていた場合はどちらも一緒、2アウツを引かないと負けです。

相手が7xを持っていた場合は、どちらも現状勝っていて、相手は5アウツ。

大きく違うのは相手が99からJJを持っていた時のみです(正確には88もですが、組み合わせは1/12です)。

後は、AXのXが8からQの間だった場合にちょっと違う程度。

つまり、ベットしてコールされた場合は、QQも88もそこまで変わらないハンドということになります。

そして、言うまでもないですが、ベットして相手が降りた場合は、QQも88も全く同価値です。

また、ベットしてレイズされた場合もQQならコールするけど88なら降りるとかはないでしょう。なので、ベットした場合は、QQならと88は同価値です。

 

 

ではチェックした場合を比較してみましょう。

チェックしたら、必ずターンカードが開かれます。

ターンで9からQの間以外のカードが落ちた場合は、依然としてQQと88はほぼ同価値です。

しかし、ターンで9からQの間のカードが落ちたらどうでしょう。

相手がプリフロップでBBでコールしてくるハンドには、

QJ、QT、Q9s、Q8s、JT、J9s、J8s、T9、T8s、T7s、98s、97sなどが含まれます。これらは、ベットしたら相手がフロップで普通は降りるハンドたちですよね。

QQを持っていた場合は、相手に9からJがヒットされていても全く問題ありません。むしろ、ターンでベットすることでバリューが増える可能性まであります。

一方、88を持っていた場合は、9からQをヒットされたら逆転されてしまいます。

QQに取って嬉しいターンカードが、88にとっては非常に嬉しくないのです。

つまり、チェックする場合は、QQ>>88なのです。

 

まとめると

ベットする場合、QQ≒88

チェックする場合、QQ>>88

なのです。

 

これ、勝率がレンジに対して何%だとかGTOとかエクスプロイットとかエクイティーとかそういう依然の話であって、QQと88ならQQの方がチェック優位になるのは論理的に考えてごく当然のことだし、ポーカーのプレーとしても全く目新しいものではないのです。

 

 

ポーカーでいちばん大切な能力は論理的思考力だと自分は常々言っているのですが、まさにそれを表現するのにピッタリな良問だと思います。