PLOのハンド勝率
オマハハイです。
1、AsAcQd9d
2、AdAh5c5h
3、KsQhJh9s
誰がベストハンドでしょう。
また、その勝率の見積もりは?
↓
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https://gyazo.com/0628b0593e87d823fd09adb4ff825813
自分には結構びっくりな結果なのですが、どうでしょう?
自分の印象は、
KQJ9dsが40%
AA55ssが35%
AAQ9ssが25%
くらいのイメージでした。
しかし、Q9がぶつかっているのがそこまで大きいのですね・・・
結果は
KQJ9dsが31.4%
AA55ssが40.7%
AAQ9ssが26.9%
55がめっちゃ強いと。
いや、5が強いのは分かるけど、でもここまでとは・・・
全員スートは一つ生きてて、AA55がスートに関しては一番弱いのに、です。
ちょっとびっくりです。
○○派とか○○党とかプレースタイルについて
ポーカーだったら、
「俺のプレースタイルはルースアグレだから」
麻雀だと
「私は面前派だから」
とか、将棋だと
「自分は振り飛車党だから」「受けの気風だから」
とか、囲碁だと
「厚み派だから」
というような言い方をしますよね。
いつも思うのですが、○○派とか○○党だからこうする、というのはすごく間違えていると思うのです。
本来○○派というのは、その他の戦法と比べて○○という戦法が他の人が思っているより得であるという信念に基づくものであるべきです。
門前派は、鳴き麻雀より門前で進めて行くのが得だと思うから門前でいく。
振り飛車党は、居飛車で行くより振り飛車のほうが得だと思うから飛車を振る。
もちろん、その得と言うのは、すごく強いAIから見た正解の数値ではなく、人間がミスをする前提で、自分のミスのしづらさ/相手のミスのしやすさ、を加味した上での損得で良いのですが。
そういう視点で考えると、
「こうした方が得じゃない?」
という指摘に対して、
「でも、ボクは○○派だから」
という返しをするのを見ることは良くあるのですが、これは非常に返しとしてずれているのではないでしょうか。
○○派なのは、平均的に言われているより○○が得だと思っている人の集まり、なわけです。つまり、それは結果であって、理由とか原因ではないんですよね。この返しが
「ソッチのほうが本当は得かもだけど、そっちのプレーだとミスしやすいからボクにとってはこっちが得だと思う」
なら良いと思うのです。
もちろん、アマチュアの人がゲームをするのは何故かと言うと、いちばん大切なのは
「楽しい」
ことです。その人が、振飛車で豪快にさばいて勝つことが出来たら最高の幸せを感じる、勝率を多少犠牲にしても、というのであれば、その人にとっての「得」は、振り飛車を採用することでしょう。
しかし、それはプロの取り組み方ではないんじゃないかなとも思います。
「得」をどう決めてもいいけど、プレースタイルがどうだから〇〇というのは縛りでしかないです。繰り返しますが、得を求めた先に結果としてプレースタイルがあるのです。
よく、
「タイトアグレッシブな人はこういう状況だとどうした方が良いですか?」
とか聞かれることが良くあります。でもそれ、質問変じゃない?と思うのです。
また似た感じで
「芯のあるプレースタイルを持ってる人が強い」
という事を言うツイートや記事を見たりしますが、中級者になるためには有力なので初心者に勧める分にはいいけど、それそのものが主張だと、「すごく強い人」ではないんだろうなと思ったりするのです。
そしてそれは、ポーカー、麻雀、将棋、囲碁、その他どんなゲームにも当てはまるんじゃないでしょうか。
シンバリューベットに対する誤解
ポーカーの概念に、シンバリューベットというものがあります。
シン、とは真でも新でもなくて、薄い(thin)です。
この概念は、主にリバーに限って使われます。
多くの人は、薄いバリューベット、という語感から、小さいバリューベットのことを意味すると思っているのではと感じます。しかし、それは大きな間違いです!
例えば、こちらがQToを持っていたとします。
ボードが33K 7 Tでフラッシュ目もあるとします。
アクションはプリフロップでカットオフからレイズ、BBコール。
フロップでこちらのベットを相手がコールしてターンでチェックで周り、リバーで相手がチェック。
リバーでポットが12bbとしましょう。
この状況で、リバーで9bbベットしたら、相手はどういうハンドでコールしてくるでしょうか。
22から99(33,77除く)までのポケットペアは非常にありそうです。また、Kxのキッカーが弱いハンドもあるかもです。ATが出てくる可能性もあります。A7もあるかも。レイズされて降ろされる可能性もあります。
それらの中で、本当にバリューベットの狙い目(バリューターゲット、と言います)は22,44,55,66,88,99,A7くらいじゃないでしょうか。
しかも、それらもベットに対して降りてしまう可能性が高い。
また、ベットするリスクとしては、Kxはほぼ降ろせないし、チェックレイズを食らう可能性もあります。
相手のレンジのうち、バリューターゲットが少ない、つまり、バリューとなりえる相手のレンジが薄いんです。
イメージ的には
弱ーーーーーーーーー・・ーーーー強
↑ ↑
ここにしかバリューがない。範囲が薄い。
それでも!
Kxや3xはアクションからかなり出てこないと踏み、薄いターゲットをめがけて取りに行くバリューベット。それがシンバリューベットなのです。
なので、オーバーポットのシンバリューベットだって存在していいのです。
実際、このリバーでオーバーポットを打っても、ブラフキャッチしてくるハンドはして貰えるかもしれませんよね。
リバーのバリューベットがthinなのは、金額の多寡ではなく、相手のコールする範囲の薄さなのです。
ただ現実問題としては、thinなバリューターゲットに対しては、小さくベットするほうが得なことは多々あります。特にこちらがポジションが無い時。
thinなターゲットに対して、小さくベットして、コールを貰った時の得は減るけど、コールしてもらう頻度を高くする、という技術ですね。
対戦相手が強くなったら、リバーでブラフレイズをされることもありますが(結構困る)、そこで適切に対応(バランスを取ってナッツ級のハンドでも小さくベットしたりとか、ブラフをさせてコールするとか)する必要も出てきます。
また、こういうthinなバリューベットに対して、K4とかでthinなレイズが飛んできたりとか、キツイフィールドになったら出てきたりします。ポーカーは難しい・・・だからこそ面白いのですが。
スローロールからみた、マナー論
某所でとある話題のついでに出たライブポーカーのマナーについて。
日本ではポーカーが知られるようになったのは非常に最近ですし、ポーカーは最初から、完全なゲームとしての立ち位置を獲得しています。
その事自体は、自分はすごく嬉しいことだと思います。
将棋は羽生さんが1996年に7冠を取ってメディアにたくさん登場するまで、しっかりとしたプロ組織があったにも関わらず、ギャンブルのイメージが拭えないものでした。今の人からすると、
「え?そうなの?」
と思うような話だと思いますが。
先崎9段が、文春に連載していたコラムで
「若い頃は職業を聞かれたら編集者と答えていた。将棋のプロ棋士などと答えたら、胡散臭いと思われて女性にモテないから」
と書いてました。
今なら、将棋のプロ棋士と聞いたら、トップクラスにモテそうな職業ですよね。
麻雀は、依然としてギャンブルのイメージが消えません。
その点、現状の知名度こそ小さくて、普及の意味合いで苦労しているポーカーですが、日本ではそういうイメージは無いのは幸いだと思っています。
一旦ついたイメージは、羽生さんの登場のような大きな出来事がないとなかなか消えないんですよね。
で、ポーカーの本場、アメリカでは、知名度こそ非常に高いものの、未だにギャンブル的な印象は拭えません。
ポーカープロというイメージは、ちょうど日本の麻雀プロと将棋のプロの中間のような感じでしょうか。
「ポーカーは実際にお金賭けてるからそりゃそうだろ」
という指摘があるのは分かるけど、証券会社に勤めることはどうなの?とか思うわけですが、そこは今回の投稿とは別の話なのでおいておきます。
で、ポーカーの話。
リバーで3人がポットにいます。
Aがチェック、Bがチェック、Cがチェック。
ショウダウン(手を見せ合うラウンド)。
ルール上はAからハンドを見せます。Aは弱そうなハンドを持っているような素振りを見せます。
ここで、Bがナッツ(そのボードで最強の手)を持っていたとします。
ゲームや競技的な側面から見たら、ポーカーは情報戦でもあるので、Aのハンドを見てからBは手を開けるのが自然です。
しかしこのような、勝っているのが分かっているにも関わらず、相手が手を見せるのを待ってこちらが手を見せる、この行為を「スローロール」と呼び、ポーカー界ではやってはいけない最悪のマナーの一つとされています。
同様に、こちらがナッツを持っています。
相手がオールイン。
そこで1分考えてコール。
これも「スローロール」と呼ばれます。
ポーカーは元々、マフィアがたくさん出入りするようなバーなどで行われていた、お金を賭けた勝負。
そして、Aはマフィアのボスだとします。
あなたはBだとして、Aがハンドを開けるのを待ってから、絶対負けはないと分かっている最強の手を見せるでしょうか。
もちろん、Aが見せる前にハンドを見せますよね。
相手がマフィアのボスじゃないにせよ、相手はお金を失うことがこちらは分かっているわけです。それなのに、使う必要がない時間を使って、敗者を貶める行為、死体にむち打つような、KO負けを喫した相手を更に殴るような行為、だとされていて、その名残がマナーとして今でも残っているのです。
これ、知らずにアメリカでやってしまうと、本当に揉めます。相手を間違えると、殴られてもおかしくないのです。
ちなみに、今ポーカーをやっている人の95%は知らないと思いますが、昔はチェックレイズはルール上はOKでも、マナー違反でした。
「は?」
と思った人、多いのではないでしょうか。
「チェック」とは弱いハンドを意味する。なのに弱い素振りをしてレイズするなんて失礼な!
という感じです。
今でこそ笑ってしまうような話ですが、アメリカのポーカールームの壁に貼ってあるルール表には、かなりの割合で
「チェックレイズはOKです」
とわざわざ明文されてます。
そのうち無くなるかもですが、チェックレイズは本当にマナー違反だったんです。
じゃあチェックレイズしたかったらどうするの?と言うと、1bbをベットします。
ベットすれば、レイズに打ち返したとしても、
「ベットしたじゃん!」
と言えるわけです。また、1bbをベットすることで、レイズするかもしれないよと見せて相手を牽制するのです。
まあ、将棋でも、昔は
「待ち駒は卑怯」だとかありましたよね。
相手の王様の逃げる先に予め駒を打つことで逃げ道を塞ぐ、というめちゃくちゃ当たり前のプレーですが、それすら「卑怯」との名前で許されなかった時代があるのです。
もちろん今はそんなマナーはありません。
でも、残っているマナーはあります。
「勝った時に喜んではいけない」
これは相撲でもたまに問題になったりします。よく考えると、勝った時に喜びを表現してはいけない決まりなんて無いはずですよね。ボクシングで勝った人がガッツポーズをしたり、競馬で勝った人が手を高くあげたり、オリンピックのどの種目でも一緒ですが、勝った喜びを表現することを批判されたりは(少なくても今は)しません。
本来、喜びを表現するなというのは、ルールなんてなくて、明文化されていないマナーなわけです。
でも、敗者を思いやる気持ちから、喜びを表現すべきでないと今はマナーとしてなっていて、またそれをしっかり守っている人はカッコいいとされます。
でもそれは、ポーカーで勝った場合に当てはまってもそんなに不自然じゃないんじゃないかなと思うのです。なので、スローロールをしないことは、それと同じようなマナーなんじゃないかと思うのです。
***個人的には、(ナッツでオールイン対して長考は流石にどうかと思うけど)情報戦の観点からみると、相手のハンドを見てから見せるというのは許されても良いと思うし、将棋で勝ったほうが喜びを表現しても良いと思います。ただ、現状どういう風にとられるかを書いた投稿です。
オマハハイローのハンドの勝率
ちょっとマニアックな話題ですので、ごく一部の人以外はこの記事スルーしてください。
1つ目
A、Ah 3c 4h 5h
B、Ac 2d 9s Ks
C、Ad 2h 3s Kd
プリフロップです。誰がベストハンドでしょうか。
また、その勝率イメージは?
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普通に考えると、全員クロース、多分A345ssがちょっと弱そうかなとか思うところだと思うのですが、
https://gyazo.com/e605a39104154a3bdd1b3d0732c4f840
なんと、A29Kssが大差でベストハンド。38%超えです。
9って、持っててもストレートが増えないしローにも効いて来ないし、正直これがそこまで強い印象は、オマハハイローをやりこんでる人からすれば無いかと思います。
しかし、このハンドに限っては、仮に9が1枚落ちれば、A29Kがスクープする確率は50%を優に超えそうです。また、9が落ちずとも、ハイもローも十分なエクイティーが依然としてあります。
見た目では強くなさそうなこのハンドが、実はすごく強いんですね。
なお、A345がいなかった場合は、A29Kが48%です。アンダードッグですね、A23Kに対して。まあ当然とも言えますが。
第2問。
フロップでの勝率です。
ボードが
As 8s Jh
A、Ad 2s 3d 8c
B、Ac 6c 7d 9c
Aが2ペア+ナッツロードローです。お互いにバックドアも含めてフラッシュドローはありません。まあ、Aが有利なのは間違いないところですが、では勝率のイメージは?
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自分の第一印象は、Aが70%強でした。
ハイもローもベストハンドですから。
しかし・・・
https://gyazo.com/e56495e39cab0502435ccb967e1e06d8
なんと、56%しかない!
これはめっちゃ意外です。そもそもこういう数字が出る時は、ハイが実はアンダードッグだったりするのですが、ハイだけでもAが53%の勝率があります。
なのに、ハンドトータルで56%・・・?
これは正直、考えても全然分かりません。
ナッツローにならないとほとんどスクープが出来ない、ということなのは分かるのですが。
オマハハイローは難しいですね・・・
Aの側ならどっち道ベットするだけなのですが、Bの側で降りすぎないようにしないといけない方が難易度高い気がします。
ドンクベットについて
すっかり記事の更新が滞り、気づいたら年が明けてしまってました。
昨年始めたこのブログですが、2019年も宜しくおねがいします。
道場でドンクベットについて質問を受けて、長くなるのでせっかくだからこちらにもっとしっかりまとめて記事として書くことにします。
まずは用語の定義から。
「ドンクベット」とは、
一つ前のストリート(フロップでのドンクベットならプリフロップ、ターンのドンクベットならフロップ)でポジションが無いところから相手のベットやレイズをコールし、次のストリートでベットやレイズした人の順番が来る前にベットすること。
例えば、Aさんがボタンからレイズ。BさんがBBでコール。
フロップ359
Bさんベット。
これがドンクベットです。
Bさんチェック、Aさんチェック。
ターン2
Bさんベット。これはドンクベットではありません。フロップでベットが入ってないですから。
別のハンド。
Aさんがカットオフからレイズ。Bさんがボタンからコール。
フロップ249
Aさんベット。これはドンクベットではありません。CB(コンティニュエーションベット、継続ベット)といいます。Aさんがプリフロップのレイザーで、Bさんがコーラーだからです。もし、Aさんがレイズ、Bさんがボタンから3ベット、Aさんコール、でフロップでAさんが先にベットしていたら、これはドンクベットです。
Aさんさんチェック、Bさんベット。これもドンクベットではありません。
特に名前はありませんが、統計ツールではBMCB(ベットtoミスドCB、CB打たなかった人に対するベット)という項目で表します。
別のハンド。プリフロップでAさんがボタンからコール。BさんがBBでチェック。
フロップ48T
Bさんベット。これもドンクベットではありません。プリフロップでレイズが入ってないですから。
ところで、ドンクとはdonkeyです。ロバ。つまり、ドンクベットとは
「ロバベット」
です。ロバベットってなんだよ?って思うかもですが、もっと日本語としてぴったり来る言葉に意訳すると、
「ウマシカベット」
ってことです。
ドンクベットがなぜ「ウマシカベット」という名前がつくくらい馬鹿にされるかと言うと、
「もしベットするくらい強い手が入っているなら、一回前のストリートでコールしかしてないのは変じゃない?なのに先にベットするって辻褄が合ってない。そういうことすらわからずベットするのはウマシカだ」
という理屈です。
なので、Aさんがボタンからレイズ、BさんがSBからコール、CさんがBBからコール。
フロップXXX
こうなったら、BさんCさんは、プリフロップのレイザー(レイズした人)のAさんまでチェックで回すのが自然なプレーだと言う感じです。
セットのような強い手でもそうすることで、相手のベットを牽制する意味合いもあるのです。
じゃあドンクベットはしないほうが良いの?
そう言う風に聞こえますよね。
最初のうちは、そんなもんだくらいで思って置くと良いです。しかし、ある程度強くなってくると、ドンクベットが必要になるシチュエーションはそれなりにあるのです。
1、ターンかリバー、主にリバーで、ナッツが劇的に変わるカードが落ちた時。
例えば、ターンでボードが2s4d9sTh
BBチェック、ボタンベット、BBコール。
リバー8s
みたいな。ターンナッツのTTがリバーですごくいろんなハンドに逆転されてます。これだと、引いたときとブラフを混ぜ合わせて、リバーでドンクベットすることがかなり有力になります。
2、超マルチウエイの時。
ライブで良くあるのですが、
UTGコール
UTG+1コール
MPレイズ
COコール
SBコール
BBコール
UTGコール
UTG+1コール
6人ポット。フロップXXX
基本的に、プリフロップでレイズした人はAAを持っている可能性が存在するけど、コールしかしなかった人は持っていないだろうと予想します。
AAがフロップ時点ですでに逆転されている可能性は結構低いから、AAの可能性がある人までチェックで回しましょう、という感じですが、6人ポットだと、そもそもプリフロップ時点でのAAの勝率は50%を切ります。それなら、最初にレイズした人がベットしてくる可能性はそんなに高くないし、だったらセットとかの強い手を他の人が持っていてドンクベットするのは有力じゃないか、という感じです。
3、PLOやPLO8のように、プリフロップのエクイティー差が小さいゲームをプレーしている時。
ポーカーとはホールデムだけではありません。PLOもポーカーだし、スタッドもポーカーです。そして、PLOでもドンクベットという用語は共通です。
オマハ系のゲームは、仮に1対1であっても、AAXXがフロップで既に不利であることはよくあります。それなら、オリジナルレイザーまでチェックで回す必然性は非常に下がります。
ちなみにPLOやPLO8では、フロップはともかく、ターンやリバーのドンクベットは非常に大切になります。
余談ですが、ドンクベットという用語は、もともとオンラインポーカープレーヤーの用語です。
アメリカのライブ専門のおじさんとかは、こういう用語を使わないし、知らないことも多いです。そんな時に、ハンドの議論で、全然悪意なく
「このフロップであの人がドンクベットして・・・」
という会話をしたりしますが、その時に「あの人」がこの会話を聞こえていたりすると、
「何だと!馬鹿なベットとはふざけるな!」
と喧嘩になることがある(少なくても数回見たことはあるw)ので、注意しましょう。
GTOプレイ、という名前が嫌い
これ、ちょっと前にGTOに関する議論をした時に自分が言った言葉ですが、これについてしっかり説明してなかったかなと思って、軽い記事にします。すごく個人的な好みの問題なので、別に同意してもらわなくても構わないですがw
GTO、とは、ゲームセオリーオプティマル。「最適なゲーム理論」日本語にするならこんな感じでしょうか。
ゲーム理論は1990年台に出てきて、自分もポーカー初心者の頃に一冊本を読んで軽く勉強しました。
プレーのバランスを取るとか、相手に搾取されないためのプレー頻度調整、的な概念は、いわゆるGTOプレイが出てくる前からありました。
よく、「フィルアイビーが相手だったら、こうプレーすべき」的な話が記事になっていたものです。大体時計の秒針の話題に帰着するのですがw
2013年位にポーカースノーウイーが登場し(ちなみにこれはGTOソフトではない)、その後2015年位にPioSolver(GTO解計算機)が登場。登場自体はもっと前かもですが、有名になった時期という感じですね。
そして、それらのAIによって、ノーリミットホールデムのプレーが一気にレベルが上がったのは多くの人の共通する意見でしょう。
自分も過去記事に書きましたが、AIはオーバーベットを非常に巧みに使います。人間はついついプレーを一貫させるために、大体同じようなベットサイズを使いますが、AIはオーバーベットを人間が想像する以上に高頻度で使い、また、オーバーベットを有効にするための小さいベットをプレーに取り入れてきています。
で、自分がGTOプレイという名前が嫌いだという訳は何かと言うと・・・
そのような戦略の進化は、GTOという理論があったから産まれたわけじゃなく、PioSolverという優秀なソフトが出てきたから産まれた進化です。
仮にゲーム理論の数学的知識がなくても、全く同様のソフトが登場して、全く同様にポーカーのレベルは上がってきていただろうと自分は思うわけです。
一部の人は大したことないとか言うけれど、ポーカースノーウイーは非常に強いポーカーAIですが、これはGTOソフトではありません。
最新のPioSolverを使って出されたプレーをGTOプレイと一般には言いますが、GTOという理論がこの進化に寄与した割合は非常に小さく、ソフトの進化がその大半を担っているのです。
なので、自分的には、GTOプレイではなく、「Pioプレイ」とか「Solverプレイ」もしくは単に「解析解」とか呼ぶほうが自然だと思うのです。
更に言うと、「オプティマル、最適」とありますが、実際のポーカーテーブルではGTOプレイよりもっと利益が出るプレイが殆どの場合存在します。
そうなるとGTOプレイは多くの場合、実際のテーブルでは「最適な」戦術とはなりえないはずです。「不正解ではないプレイ」であることは保証されていますが。
以上から、自分は「ソルバープレイ」や「解析解」という呼び方が適切なんじゃないかなと思うのです。