木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

ポーカーをプレイするということ

https://note.com/mianiki/n/n54952bdad747

こちらの記事を読んで。

 

うん、非常に良い記事だと思います。特に対botでプレイする上では非常に大切。

良い記事なんだけど・・・

ポーカーにおける、すごく大切な前提が抜け落ちているんです。

 

マクロ的には、ミクロ的には、って、プロ同士の対戦では非常に大切です。

例えば、こちらがボタンからQdJsで2.5bbにレイズ、BBがコール。

フロップ4d6Jh

3bbのべット(ハーフ強)を打ったら、10bbにレイズされました。どうする?

 

ここで一番最初に考えるべきことは何かというと

・相手はAJ、KJでレイズをするか

・相手は44,66でスロープレイをするか

・相手は78ccのような手でレイズをするか

・相手はKd5dのような手でレイズをするか

 

ボードがどちらに有利で、その条件下でレイズをしてきた云々・・・

という話って、相手もそのボードがどちらにどの程度有利なのかを把握している前提の話です。

でもですよ、相手がそういうことを一切考えてない場合、それを考えることの意味って無いのです。

相手が一切ブラフをしないなら、相手のレイズには全部降りるべき、というのと同じ思考です。

 

ポーカーって結局のところ、対人ゲームなのです。

ともすれば、解析的な面ばかりに目が行きがちですが、モニターの向こうにはコンピュータがいるのではなく(いや、コンピュータかもしれないけどw)、基本的には人間が座っていて、その人間はやはりこちらを倒そうと色々考えながらプレイしているわけです。ポーカーでいちばん大切なことは

「こいつはどう考えてプレイしているのか」

「こいつはこちらのことをどういうプレーヤーだと思っているのだろうか」

これなのです。

レンジとかバランスとかGTOとか、そういうのはプレイする基本的な思考のベースになります。しかし、それはあくまでベースラインがどこにあるかを知るためのもの。本当に大切なのは、相手の思考を知ることなのです。

 

「こいつのプレイはめちゃくちゃだから、思考なんて知るのは無理!」

と思うかもしれません。

でもですよ、プレイはめちゃくちゃに見えても、その裏にはその人の思考は必ずあります。そして、弱いプレイヤーの方が思考ははっきりわかるのです。

「ブラフで降ろすのが楽しい!」

という思考だったり、

「ガンガンギャンブルしたい」

という思考かもしれません。もしくは

「こいつにだけは負けても降ろされたくない」

という思考かもしれません。ヒストリーがあって。

何れにせよ、どういうハンドを持っているかは分からなくても、何を考えているのかについて常に考え続けないと行けないのです。

安易にGTOに頼ろうとするのは、ポーカーの本質であるこの点から目を背け、無思考の楽なポーカーを目指しているのと近いと自分には感じてしまうのです。