小さいベットとレイズ、ポーカーの基本原則とGTOに関する誤解
GTOを勉強している人は今は非常に多いです。
自分自身はソルバーをまだ導入してないですが、GTO的な概念についてはそれなりに理解しているつもりです。
で、多くの記事やプレーで、誤解されている点があると感じたので書きます。
http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/08/21/134354
http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/10/04/150615
以前にいくつか記事を書いてますが、
原則1「大きなベットにはフォールドを多くしてコールは少なく」
(実質的に降りない時のレイズの割合は高くなる)
原則2「小さいベットに対してはフォールドを減らしてコールを多く」
(実質的に降りない時のレイズの割合は小さくなる)
原則3「狭いベット(=強いレンジ)には、フォールドを増やしてコールやレイズを減らす」
原則4「広いベット(=弱いレンジ)には、フォールドを減らしてコールやレイズを増やす」
この4つが基本原則だということを何度も書いてきてます。
しかし、よく聞くのは
「GTOはフロップの小さなベットには高頻度でレイズを返すので、木原の書いてるのは間違いだ」
です。
まあGTOが小さなベットには高頻度でレイズを返す、というのは正しいのですが、考え方の方向としてはかなりずれていると思うのです。
もう一つ、ノーリミット、ポットリミットのポーカーの基本的な考え方として
原則5「広くベット(レイズ)する時は小さめに」
原則6「狭くベット(レイズ)する時は大きめに」
という基本原則があります。(個人的には、この3組6つで基本原則はすべてだと思ってます)
「相手の小さいベット」→「原則5より、相手の広いベット」→「原則4より、広くコールやレイズ」→「レイズする際は、こちらもそこそこ広いので原則5で小さめ」
ということで、そこそこ広く小さめのレイズを返して行くのです。
*追記1
逆に、相手が強い場合は、大きなベット→原則6から相手は狭いベット→原則3からコールやレイズは減らす(特にレイズはもっと減る)
ということが起こるため、対戦相手がしっかりプレーしてくるならば大きなベットに抵抗するうちのレイズの割合は下がります。
しかし、これは原則1の反例なのではなく、原則3の方がより効果が出てくるからであって、相手が同じような組み合わせでベット金額だけ大きい場合は原則1が当てはまるのです。
*追記2
オールインがかなり近いスタックの場合は、レイズしなくてもオールインに届きます。その場合は、大きいベットはよりレイズする価値が下がるのでコールが増えます。
しかし、それはオールインが近いからそうなるのであって、原則1の反例ではないです。だって、ポットが100ドルにスタックが70ドル。相手が70ドルをベットした場合は、レイズは0%ですが、相手が30ドルベットした場合はレイズすることは普通にあります。
あくまでこの原則は、オールインというルールがない状態(=無限スタック)の前提です。実質的にスタックが非常に深い状態でのものです。
この原則を語る際に、フロップのボードがどうだとか、一切出てきてないですよね。
つまりこれらはNLHEに限らず、PLOやPLO8、NLSD2-7、BigO、その他のあらゆるビッグベットゲームで共通の基本原則なのです。
この原則、言っていることは非常に単純で簡単かつ、言われてみたらなるほどと思う内容だと思うのですが、トッププロ以外殆ど認識しておらず、またこの事に言及している記事も殆ど見たことがありません。
恐らく、抽象的な内容過ぎて全然具体的じゃないので、初中級者が好まない内容だからだと思います。
GTOが主張するプレーは、自分の目からみたら、この6原則を本当に忠実に守っているのだと常々感じますし、だからこそ強くバランスが取れているのです。