途中経過とはいえ、あまりに衝撃的だったからNLHEに変えてもう一問。
— Naoya Kihara🌤️木原直哉 (@key_poker) April 2, 2019
NLHEをプレーしています。
ターンでボードは2233。フラドロなし。4人ポット。
88対AK対QJ対T9
あなたは88を持っています。勝率はおよそ
確率に関する認識がどんなものなのか知りたくて、こんな問題を出してみました。
1200人を超える投票をして頂いてありがとうございます。
そして、正直、あまりの正解率の低さに驚きました。
結果だけ見る、が21%なので、
45%と答えた人→30%
55%と答えた人→28%
65%と答えた人→42%
という結果です。
正解は、55%です。なんと、3択にも関わらず、正解率が1/3行ってないという結果です。
軽く解説すると、2233と4枚出ていて、AK、QJ、T9、88と8枚見えているので、残りのカードは40枚。
そのうち、Aから9までの6種、6×3=18枚が負けで、2から8までの7種、2と3と8が2枚ずつ、4から7が4枚ずつの、2×3+4×4=22枚が勝ちです。
22÷40=0.55なので、55%というのが正解です。
(何名か、2と3は引き分けと勘違いした人がいるようですが、2も3も勝ちです。ただ、こういう勘違いは、別にそこまで重症だとは自分は思いません)
これ、最後のカードがAから9なら負けで8から2まで勝ちと説明を入れてセンター試験に出したら、□□に数字を2つ塗りつぶす形式で、正解率が28%を超えると思うんですよね。今回誤答した人のうち、それなりの割合の人は、大学受験生時代にこの問題を解いたら正解してたと言い切れるんじゃないでしょうか。
しかし、65%との誤答が非常に多かったです。なぜでしょう。
その多くは、1アウツ=2%と「丸暗記」していたため、負けるのが18枚なので、18×2=36%。なので勝つのは64%、としたのでしょう。
同様に、45%と回答した人のうち、それなりの割合の人は、22枚で勝てるので、22×2=44%、としたのでしょう。
日本人が他の国民と比べて、平均的に勤勉で真面目なのは知っていたつもりですが、逆に相当多くの人が、1アウツ=2%と「知って」いたことが個人的には驚きです。真面目です。
しかし!!!
自分からすると、その「真面目」さの方向がズレていて、かなり多くの人が間違えた努力をしていて、それによって、「頑張っているつもり」だけど成果が出ない、という人もまた多いんだろうなと思います。これが、公式丸暗記の弊害じゃないでしょうか。
具体的に正解を説明していきましょう。
そもそも、1アウツ=2%の法則ってどこから来るのでしょうか。
自分のカードしか見えてない状態で、ターンでは、場に4枚、自分の手に2枚見えているので、見えていない情報としては、52-6=46枚です。
なので、1枚あたり
1÷46=0.0217・・・≒2%
なのです。しかし、もし8枚見えていたら、場の4枚と合わせて12枚見えているので、見えていない情報は40枚。すると
1÷40=0.025=2.5%
そう、見えている情報が増えると、結果は2%からどんどん遠ざかっていくのです。
見えている情報が一番少ない時で、1アウツ2%と暗記するのは、真の値から8%ほど(0.17%は2.17%の8%くらい)ずれるのです。
それくらい良いじゃん、と思うかもしれません。
もちろん、それを理解して1アウツ2%と言うのなら良いです。
ところで、3.14の0.14は4.5%です。
円周率を3として計算させることを批判した人は、それくらい良いじゃんとは絶対に思ってないですよね。4.5%の誤差はダメなのに、8%の誤差はOKとか、まさかそんなわけないですよね。
結局の所、1アウツ=2%と言うのは、計算を簡易的に行うための精度の低い「近似値(近似された値)」なのです。近似に過ぎないものは近似だと認識しておかないといけないし(円周率だって、3にしても3.14にしても近似値です)、使いたいのならそれを知った上で使うようにする。
一番根本にある土台部分。これがしっかりしてないと、どんなに色々なものを学んだとしても、結局、全然身につかない。これはポーカーに限らず、あらゆる学習に共通するものだと自分は思うのです。