木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

矢澤亜希子さん、2回目のバックギャモン世界チャンピオンに

既報の通り、バックギャモンの世界選手権で矢澤亜希子さんが2回目の優勝、世界チャンピオンになりました。本当におめでとうございます!

https://twitter.com/akikoyazawa/status/1026210698316140546

 

この大会は、ポーカーで言うところのWSOPメインイベントに相当する大会で、本当の世界チャンピオンです。

矢澤さんは2014年に優勝してます。2回の優勝は日本人初、女性初の偉業です。

自分は矢澤さんとはお互いがバックギャモンの超初心者の頃からよく一緒に遊んで来た仲で、もう知り合ってから17年になります。

当時良く一緒に夜通し遊んでいたのは矢澤さんの他に、2009年のチャンピオンで世界ランキング1位の望月さん、将棋のプロ棋士の片上七段、2011年のチャンピオンの鈴木琢光、T君、F君、Nプロなどなど。当時はみんなお金が無かったけど、とにかく若くて体力があったし、よく朝まで一緒に遊んでました。

矢澤さんは当時は阿部さんで、旦那さんの矢澤広伸さんは当時のバックギャモンの日本トッププレーヤーの一人。矢澤広さん、Nさん、Kさん、Iさんなどがプロではない当時のトッププレーヤーでしたが、みなさん他に仕事があったりであまり朝まで遊ぶことは無かったです。そう考えると、朝まで遊んでいたメンバーが世界チャンピオンになっているのはまあそうだよなあと言う感もありますが・・・

 

矢澤亜希子さんの特徴としては(少なくても自分にはそう見える、というものですが)、ぼやっと先を見通すのが非常に正確、という印象です。

それだけなら他のトッププロも強いのですが、矢澤さんは対戦相手が犯しやすいエラーを含めて先の局面を考える事ができる、という感じなのです。

そういう強みがあるので、一見感覚派かと思いきや、日本人のバックギャモンプロ4人(望月、景山、中村)の中では一番、数学の能力に長けています。

矢澤さんは体力がそこまで無く、ゲーム中にずっとピップカウントを追い続ける(ランニングピップカウント。ゴールまでの必要な総出目数を数え続けること。出来たら有利だけど体力をすごく消耗する)のは得意ではないですが、その分を必要なときの計算能力や処理能力で補っているのだと思います。

元々の、対戦相手要素を含めたぼやーっとした先の展開読み能力に加えて、(バックギャモンでは誰もがやっているけど)ソフトを使った研究で正しいアクションを身につけていく。さらに対戦相手に応じてプレーを適切に変える能力。そこに数学的な力が加わったプレーヤーなのです。

 

自分も仲間の活躍を見ると、またバックギャモンの世界選手権に出たいなあと感じます。なかなか家を開けられないですが。

数年前まではWSOPとかぶっている時期にやっていて、ポーカー以外の要素で出れなくなってから時期がWSOP後に変わったのですw

 

 

再びになりますが、矢澤さんおめでとうございます!

これからも活躍していくと思いますし、自分のブログの読者で彼女をご存じない方がいらっしゃったらぜひこの機会に覚えておくことをおすすめします。