木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

正しいハンドリーディングとは

久しぶりに真面目なポーカーの戦略系の話を書こうと思います。

 

一般的に、相手の手を読むというと

「あの人は○○を持っている」

というのを当てることだと思っている人が大多数でしょう。

もちろん、状況によっては相手のハンドが分かることが極々極々たまにあります。しかし、ポーカーにおいて、真の意味で読むとは何なのかを説明していこうと思います。

 

例として、お互い200bb持ちのキャッシュゲーム。

COからスタンダードなプレーヤーが3bbにレイズ。自分がBBで7s7dでコール。

 

フロップ(6.5bb)

3d4h8c

 

自分がチェック、相手ベット5bb。コール。

 

ターン(16.5bb)

3d4h8c Jh

 

自分がチェック、相手ベット12bb。コール。

 

リバー(40.5bb)

3d4h8c Jd Kh

 

自分チェック、相手ベット32bb。どうする?

 

 

こういうシチュエーション、よくありますよね。そこで相手が何を持っているかを考えるわけですが、そんなの正直分かりようがありません。こういう時の正しいリーディングを書いていきたいと思います。

 

 

以下、線の間は長いので、読み飛ばしても可。ただ、真剣に勉強したい人は読んでください。入れた数字は適当です。

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一番簡単なのは強い順に考えます。

相手がKKだったら

プリフロップレイズ? Yes(100%)

フロップベット? Yes(95%)

ターンベット? Yes(80%)

リバーベット? Yes(100%)

KKは有り得そうですよね。

同様に、JJ、88、44、33は?

Yesが4つ並びます。全部ありえます。

 

次に強いのはKJですが

プリフロップ? Yes(95%)

フロップベット? わからない(?%)

ターンベット? Yes(70%)

リバーベット? Yes(100%)

フロップでベットしてくるかどうかだけ分からないですよね。

 

次はK8ですね。

プリフロップ? スーテッドだったら半々?でも薄いかな。

フロップベット? Yes(80%)

ターンベット? わからない

リバーベット? Yes(100%)

 

次はK4、K3ですが、プリフロップ?で普通Noだし、仮に参加してもターンでNoの可能性が高く考慮から外します。

 

次はJ8ですが、プリフロップ?スーテッドなら半々?

フロップベット? Yes(80%)

ターンベット? Yes(95%)

リバーベット? Yes(80%)

プリフロップで参加していたらリバーまでこういうアクションになりそうですよね。

 

J4、J3、84、83、43はスーテッドでもプリフロップでNoですよね。

 

次はAK、KQです。

プリフロップ? Yes(100%)

フロップベット? わからない

ターンベット? わからない

リバーベット? Yes(70%)

AKでフロップとターンの両方をベットしてくる可能性はどれくらいあるんでしょうか。KTだと?

 

次はJ持ち。AJ、QJJTですが、

プリフロップ? Yes(100%)

フロップ? わからない

ターン? Yes(70%)

リバー? わからない

 

次にペア。QQ、TT、99

プリフロップ? Yes(100%)

フロップ? Yes(80%)

ターン? Yes(70%)

リバー? わからない

 

次に8持ち。

A8、T8s、98s、87s、86sくらいかな。

プリフロップ? Yes寄りだけど分からない

フロップ? Yes(70%)

ターン? わからない

リバー? No

 

最後に、これがめちゃくちゃ重要なのですが、こちらが勝っているハンド。

A4、A3 

プリフロップ? スーテッドならYes。オフスートならわからない。

フロップ? Yes寄り

ターン? 多分No

リバー? No

あまりなさそう。

 

AQ、AT、A9、A7、A6

プリフロップ? Yes(A7、A6はスーテッドのみかな)

フロップ? わからない

ターン? わからない

リバー? わからない

何とも分からないですよね。

 

A5、A2

プリフロップ? スートならYes、オフならNo寄り。

フロップ? Yes寄り

ターン?  わからない

リバー? わからない

ただし、AQ、ATよりは3発打ち切ってくる可能性はありそう。特にハートのスーテッドなら。

 

QT,Q9、T9は?

プリフロップ? スートならYes、オフはQTがYes寄りでQ9とT9がNo寄り。

フロップ? わからない

ターン? わからないけどYes寄り

リバー? わからない

 

76s、75s、65sは?

プリフロップ? Yes

フロップ? Yes

ターン? わからない

リバー? わからない

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わからない、と書いたところが結構ありますよね。

そして、リーディングとは、その相手が自分に対して、「わからない」と書いた部分をどうプレーしてくるか。それを読むのです。それこそがリーディングなのです!!!

 

例えば、ラスベガスの5/10に良くいるような

「ドローがあったら絶対ベットするし、リバーで滑っても頑張ってくるけど、マージナルなハンドはすぐチェックする30代くらいの専業風」

が相手だとしましょう。

すると、AK、KQなどのわからないはNo寄りになります。

Jヒット系も、リバーでNoがつく場合が多そうです。

そして、A5、A2はYes寄りになり、ドローになるようなQT9の組み合わせはかなりYes寄りになります。

765の組み合わせもかなりYes寄りになります。

そう考えていくと、そういう相手には

「リバーでベットされたので勝率が十分高いと判断できる」のです。だって、バリューでリバーを打つ組み合わせ、少なくないですか?

 

一方、本当に強い人相手だと、薄いバリューもしっかり打ってくるので、こちらが負けているハンドでバリューを打ってきたり、ドローの時に途中でチェックが混ざる可能性から、3発打ち切った時にバリューベットである頻度がずっと高くなり、リバーでコールした時にはトータルで負けている可能性が高いでしょう。ただ、必要勝率は30%くらいなので、ブラフが30%混ざっているかどうかを真剣に検討するのです。

 

再びになりますが、今日のエントリのまとめ。

「リーディングとは、相手のハンドを当てることではなく、相手が特定のハンドをどうプレーしてくるかを読むことである」