木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

将棋のタイトル戦とマスク

最近、将棋のタイトル戦に限らず、たくさんの対局が生中継されるようになってきました。タイトル戦は、渡辺名人(三冠)、豊島竜王(二冠)、藤井二冠、永瀬王座が中心です。

この4名、特に終盤の持ち時間が減ってきて勝負が架橋に入る頃、マスクを外します。

残り10分になったらどう秒読みするかを記録係に聞かれるのですが、その際はタオル等で口を抑えて返事をしてます。

そして、投了するときに、おもむろにマスクを取り出してマスクをつけてから投了します。勝った側も、それを受けてマスクをしてから、感想戦やインタビューをしています。

そう、対局中に(ぼやいたりとか)声を発することがない4人なので、マスクは不要なのです。

このような対策を取っている将棋界。今までに誰もコロナに感染していません。関係者が数百人になる組織にも関わらず、です。

 

これは実は一般の場でも同様です。

・風邪のような症状がなく(=突然咳やくしゃみをすることが殆どない)

・喘息や花粉症などの症状もなく

・言葉を発することがない

これらがしっかり担保されていれば、本来はマスクをする必要すらないのです。

 

これを一般にアナウンスするとどうでしょうか。

一つ確実に言えるのは、

「3つの条件が全て当てはまったらマスクをしなくて良い」

と政府や医療従事者が公に言うと、3つの条件を満たしていないにもかかわらず、

「マスクしなくて良いと言ったじゃないか」

と言い出す人がそれなりにたくさん出てきます。

将棋界のタイトルホルダーのように、そんな誤解をするわけがない人同士であれば良いのですが、やっぱりそれらの立場の人から公式に言うのには無理がありますよね・・・

 

3つの条件が整えば、本来はマスクをしなくても良い。

それでも、道を歩いている人がノーマスクだった時、そういう常識を持った人かどうかの判別は不能です。

しかし、やはりマスクをするのは、この灼熱の中では非常に大変です。

 

なので、自分が提案したいのは、

・3つの条件が整っていて、外にいる時は、鼻出しマスクを推奨する

ということです。

 

だって、本来はマスクすら不要なんだから、鼻を出すとか出さないとか、全く関係ないです。人間にできる我慢には限度があります。その我慢を、感染対策に不要なことに使ってしまうのは非常にもったいないと自分は思います。

 

 

ポーカーを教わってはいけない人

初心者で新しくゲームを始めるにあたって、やっぱり一番最初は誰かに教わるのが手っ取り早いです。

しかし、最初にたくさん教わる相手によって、その後の上達にめちゃくちゃ大きな違いが出ます。

自分は幸運なことに、ポーカーはzakiさんに教わり、バックギャモンは(現世界ランキング1位の)望月さんに教わりました。しかし、そういうしっかりした方が身近にいるかどうかは完全に運だと思います。

 

ここでは、「こういう人には師事しないほうが良い」という人の特徴を書いてみたいと思います。タイトルでは「ポーカー」と書きましたし、内容はポーカーを意識して書きますが、これはどんなゲームでも、もっと広く学問とかあらゆることに当てはまると思います。

 

レッドカード

1,オープンな場(もしくは強い人が複数含まれるコミュニティ内)で教えず、初心者しかいない場でしか教えない人

2,具体的なプレイを直接的に教え、考え方を教えない人

3,教わる側からの質問を嫌がる(しっかり答えない)人

4,自分が才能に満ち溢れている、というような内容の発言する人

 

イエローカード

5,プレイや考え方を広く教えると損をする、と主張する人

6,弟子から学ぼうとしない人

7,発言内容がプロのマジョリティの発言と違う

 

 

1番から。

クローズドな場でしか教えないのは、自分のプレイを他の上級者に突っ込まれるのを避けるためです。つまり、教えている内容に自信がないんですよね。もしくは悪意を持って嘘を教えている可能性もあります。

どんなに強い人でも、ポーカーの神様からみたらずっと弱いです。議論するのは少しでも近づきたいと思う気持ちの現われです。その議論を避けるということはどういうことなのでしょうか。

2番。

これは、その人自身が、プレイを言語化出来ていないということです。言い換えると、はっきりした理由なしにプレイを選んでいるということです。

3番。

教わる人からの質問を嫌がるのは、2番と近いですが、プレイの理由がないからです。

4番。

強くなればどんどん強い人と戦うことになりますが、どんな世界でも本当に才能に満ち溢れた人がたくさんいて、その格差に愕然とさせられます。本当にその人が藤井二冠のような人で無い限り。

そして、藤井二冠のような人は、そこそこ無名でくすぶることが出来ません。ポーカー界ではTruetellerなどがそれに当たります。そうなると、本人が無名でいたいと思っても、勝手に有名になってしまうのです。

強くなればそういう人と戦う機会はたくさんあります。そうすると、とてもじゃないですが自分自身が才能に溢れているなんて言葉は出てこないのです。世界的に有名で無い限り、井の蛙かブラフかのどちらかです。

 

次からはイエローカード。ただ、自分中ではレッドカードと近いと思ってますが、例外が多いのでイエローカードにしました。

 

5番。

本当に強い人は、自分自身のプレイや考え方を教えたところで、教わった相手がその人と同レベルまで来ることは本当にマレです。なので、教えても全然問題ない。

また、教わった人が本当に同レベルまで登ってきたなら、その人は一緒に切磋琢磨する相手として最適だし、抜かされたのなら、今度はこちらが遠慮なく色々聞ける素晴らしい師匠になります。

例外として、対戦が狭いコミュニティである場合。

その場合は同じ相手と何度も戦うことになります。その場合は、戦術が他の人を通してでも伝わってしまえばかなりの損をしてしまいます。例外ではあるけど、かなりありえる例外なんですよね。

 

6番。

特に不完全情報ゲームは、自分より弱い人であっても、特定のスポットでは強い人より正しくプレイできることは多々あります。教えていても、そういうスポットに敏感に気づけることが強くなるためには必須だし、こういう意識を持っているかどうかは分かるはずです。

例外としては、プロ棋士をアマ級位者くらいの差がある場合は残念ながら参考になることを見つけるのが難しいのですよね。なので、初心者が教わる相手を探す時の参考にしづらいです。

 

7番。

プロのマジョリティの意見は、よほど飛び抜けた人で無い限り、ある程度同じような話になるんです。そこからずれているということは、飛び抜けているか、正しくないか。ただ、飛び抜けている場合、4番と一緒で勝手に有名になっちゃうんですよね。

ただ、初心者からすると、誰が「プロ」なのか本当に見分けづらいのと、師匠がマジョリティじゃない場合、その周りにいる「プロ」もマジョリティにはならない人で構成されている可能性が高いのです。なので、初心者がセカンド・サードオピニオンを探そうとしても、それが本当にセカンドオピニオンになり得るのか判断するのが難しいのです。

 

 

いちばん有名な人が「ニセモノ」である可能性もあります。狭い世界だと、外に向けたアピールが上手な人が有名になったりすることも多々あります。

また、(例えば世界チャンピオンだとか東大卒だとか)立派な肩書があっても「ホンモノ」を保証しません。

また、肩書は過去に対してつくものですが、過去は確かに「ホンモノ」であったとしても、そこから闇落ちしてしまうこともあります。

自分が師事する人がホンモノかどうかは、自分の目で判断しないといけないのです。

ブラフやブラフキャッチと、ブロッカー

ブロッカーという概念、PLOや2-7で結構重宝されてきていて、それがNLHEにも輸入されてきて久しいです。

5年くらい前はトップクラスのプレーヤーだけのものと言って良いような概念だったのが、色々な記事や動画、その他で解説された結果、多くのプレーヤーが知るところとなりました。

「本手をブロックしていて、ブラフをブロックしていないからコール!」とか。

新しい概念を知ると、ついつい使いたくなるのが人間のサガです。しかし、ブラフやブラフキャッチをする上で、ブロッカーよりもっともっと大切なものがあるのですが、それがおざなりになっているイメージがあります。それを2つ、挙げたいと思います。

 

COがオープンして、BBからAh4hでコールしました。

ボードがAc2c3s Ks 8h

相手からのトリプルバレルを

「45のストレートとAをブロックしていて、フラッシュドローをブロックしていないからコール!」

とかですね。

 

1、そのコンボが相手のレンジにどの程度あるか。

 COから45oでオープンしませんよね?45sが低頻度で入るくらいです。なので、45はそもそも相手のレンジにほとんど無いですよね。そんなナッツストレートをブロックしていることが、ブラフキャッチにどの程度価値があるのでしょうか。

 

2、相手はどれくらいのハンドでトリプルバレルバリューべットを打ってくるのか。

(45s?)、AA、KK、33、22、AK、A3s、A2s、AQ位でしょうか。A8sはターンでチェックが入りそうです。AJがどちらもありそうではあります。

結構たくさん組み合わせがありますよね。コンボ数とか気になる人は数えてみてください。Aをブロックしていても結構沢山あります。

 

3、相手がどれくらいの頻度でトリプルバレルブラフを打つのか。

これが一番大切です。相手の自然なブラフの組み合わせとしては、QJTの組み合わせとフラッシュドローミスでしょうか。で、この相手は、それをどのくらいの頻度でそれらのハンドでブラフで打ってくるのか。リバーだけでなく、ターンでは?

 

仮にリバーがポットベットだったとすると、ブラフ:バリューが1:2以上あるかどうかがオッズが合うかどうかの分岐点です。

ここまでコールしてきたBBは、かなりの確率でAを持っているでしょう。そんなトップペアをCOはブラフで降ろしに来るでしょうか。来るならどの程度の頻度で?

 

 

相手が強い人なら、リバーでポットベットをしてきた場合、しっかりと

ブラフ:バリュー=1:2

に近い頻度になってます。正確に1:2を達成できるわけではないけど、大きくずれません。そういう割合で打ってきているなら、コール判断にブロッカーを考慮することは価値があります。ブロッカーを1枚持っていると、相手が打ってきた時の条件付き確率で、ボードによりますが多くの場合ブラフの割合が2%から4%ほど上昇します。

しかし、相手のブラフの割合が33%より5%以上ずれている場合。

具体的にはポットベットのブラフ率が28%以下だったり38%以上だったり。

その時は、ブロッカーを考えるまでもなくコール/フォールドのプレイが決定するのです。

ハイレベルになると、相手のブラフ率が33%から大きくずれている可能性は下がるでしょう。その時は、この2%や4%が長期的に大きくものを言うのです。

 

相手はどの程度ブラフをしてくるのか。それまでのプレイから推測したり、相手からみたこちらのイメージを考えたりしてそのブラフ率を見積もらなければなりません。

それまでのプレイ履歴から相手がどういうプレイをするかの情報を手に入れたり、お互いのイメージを考察したりすることをサボって、

「ブロッカー」

というかっこよさげな概念にばかり頼ってプレイするのは本末転倒なのです。

 

 

 

ポーカー界と天才プレーヤーのタイプ

ポーカーをやっていると、本当に天才だと思うプレーヤーが本当に沢山います。

一番一般的な「天才性」という意味では、「プレイする上での天才」です。

この手のプレーヤーは、得るべき情報を本当に素早く、しかも的確に把握できます。速い判断をすることが出来るので、多面してもプレイクオリティの低下が小さいです。そして多くのプレーヤーより多面出来るので、同じ時間あたりにプレイできるハンド数も多く、それがまた情報を判断する根拠となっていくのです。

 

ここに入る有名プレーヤーでは、

・ビクターブロム(イシルダー)

・ポールボープ

・ランディールー(ナノノコ)

・フィダーホルツ

・チャーリー

などが当てはまるんじゃないかなと思います。多面うちが出来るオンラインと非常に相性が良く、現在のトッププロのバックグラウンドはかなりオンラインポーカーなので現在のトッププロはこの天才が非常に多い印象です。

そして、日本人でこの手の才能に最も恵まれたプレーヤーは、何度か言ってますが、公聖君だと自分は思うのです。

 

 

一方、この手の天才性はあまり持っていないものの、理詰めで考えること、学習することへの天才性を持っているプレーヤーもいます。

経験値(ハンド数)が高くなくても、色々なシチュエーションを理詰めで考える事ができる。なので、びっくりするくらい少ないハンド数で飛躍的に強くなる事ができるプレーヤーです。かなり研究者気質です。

また、理詰めで考えるので、ルールの変化にも非常に強いです。例えば、SBとBBが逆、というルールでゲームをやることになったとします。ボタンからの参加レンジは当然変化するのですが、どういう方向に変化するのか、方向性を大きく誤ることは稀です。

その代表例が、

・ダニエルネグラーノ

・ライナス

などだと思います。日本人でこの才能に恵まれているプレーヤーは、小倉君とリリアンさんのイメージです。

 

 

3種類目の天才。それは、この両方を高いレベルで保有している人。

両方とも90点、という感じで。

代表的な有名プレーヤーは、

・フィルガルファンド

・ショーンディーブ

が挙げられるんじゃないかなと思います。日本人だと、じゅにあ君とcisさんがここに該当すると思います。

そして、これを95点で両立する怪物プレーヤーがtruetellerじゃないでしょうか。

天才3は、基本的に何をやらせても伸びます。しかし、絶対数は一番少ないですしm,多くの場合は花形のゲームをやります。

 

 

じゃあ木原はどういうタイプかというと、天才性が70点、理詰めの学習力が80点という感じで、そこそこの才能には恵まれたものの、どちらも中途半端、というタイプだと思ってます。

この手のタイプはどういう戦略を取るべきか。

それは、

・そこそこ経験値が必要なゲーム

・汎用的な知識が生きるゲーム

これを選ぶのが合理的なのかなと。それが、ドローゲームやハイローゲームを含むミックスゲームに相当するのだと思います。

天才プレーヤーのようなゲームセンス、情報の取捨選択やバランス構築は出来ない。

理詰め学習の天才ほど、一つのゲームを突き詰めることが出来ない。

その分、立ち回りとゲーム選択、またこれから流行るであろうゲームを先行して学ぶ。これらを突き詰めて行かないといけないタイプの人間なのかなと思ってます。

 

 

世の中にはポーカープロはたくさんいます。

ポーカーでは考えるスポットは非常に多いです。

どんな要素をどんな比重で考えていくか。それは本当に人それぞれです。

ポーカーの神から見れば本当は的確なバランスはあるのでしょう。しかし、人間はどんなに強くなってもそんなレベルとはかけ離れていて、どのバランスが正しいかなんて絶対にわからない。分かることは無理という前提上で自分なりに考えてプレイを選択していくのがポーカーなんじゃないかなと思います。

 

 

去年の予測の振り返りと、今後の予測

kihara-poker.hatenablog.com

 

去年の4月、コロナ騒動の初期にこんな記事を書きました。当時は日本の死者数はまだ2桁でした。

1年ちょっと経って、この予測がどうだったかを振り返ってみたいと思います。

 

 

自分はメインでは1番目の、日本でも感染爆発が起こる可能性が高いという悲観的な予測をしてました。死者数は1年間で数万人。

2番目は可能性としてはあるものの、その可能性は低いと思ってました。

3番目が楽観的な可能性です。

 

1年経ってこの予測がどうだったか。

起こったことは、1番目の悲観と3番目の楽観のちょうど中間的な感じだったんじゃないかなと思います。

 

自分の予測と違ったのは、

・気温が上がることによる楽観的な可能性がそれなりに正しかった

(それによって、夏にある程度の体力回復が出来た)

・ここには書いてないけど、マスクの効果が当時思われていたよりずっと大きかった

・強力なワクチンがかなり早く登場した

 

自分の予測が大体合っていたのは、

・日本人の真面目さによってすぐに感染爆発しなかった

・封じ込めは日本のような法律では非現実的である

・秋から冬にかけての緊縮が続き、精神的、経済体力的限界がきた

 

こういう感じでしょうか。

強力なワクチンが想像以上に早く登場したので、この夏でしっかり接種をすれば次の冬は大丈夫そう、こういう予測が立ったので、2月3月は感染爆発せずに済んだのかなと思います。

1月、今回と、それでも緊急事態宣言に協力するところがやっぱり多かったです。しかし、それはやはり、今回を乗り切ったらなんとかなる可能性が高いと思えるようになったから。もしワクチンの見通しが立ってなかったらもう協力することは出来ないという事業者は桁違いに多かったでしょう。

 

kihara-poker.hatenablog.com

 

一方、この記事で自分は子どもが10万人減るとしたら、という文脈で予測を書きました。

この数字も、大体予測通りなのかなと思います。

 

 

では今後の予測です。

少子化に関しては、今後更に深刻になっていき、回復しないでしょう。コロナの直接的な影響は小さくなって来ていますが、

「何かあったら子どもの保育と教育を犠牲にする」

という政府の姿勢をはっきりと見せつけられた以上、子どもを産むことへの覚悟は以前よりはるかに高いものになりました。これは子どもを持つ親としてまざまざと実感させられたことでもあります。また、今の高校生大学生の世代は、親というより当事者としてそれを実感している世代でもあります。

 

一方、ワクチンの接種に関しては、日本人は欧米より最終的には高い接種率になると思います。70%は超えてくるんじゃないかなと。

ワクチンを強制することは出来ず、基本的には任意接種です。それは民主主義国家ならばどの国も同じ。しかし、最近アメリカやイギリスではワクチンの接種率が頭打ちになってきました。イギリスで50%台、アメリカで40%台という低さです。希望すればワクチンは打てるにも関わらず。

反ワクチン活動家は日本にもたくさんいますが、それでも日本人の科学リテラシーは欧米より遥かに高いです。任意接種ですが、2021年度の終わりまでには、最終的に70%は超える数字になると思います。それによって集団免疫とまでは行かないまでも、かなりの抑制につながるでしょう。そして、2022年にはやっと日本経済は正常化する、というのが自分の予測です。

 

 

 

子ども連れ去り問題、橋本八段の件

少し前にA級まで登りつめた橋本八段が、30代にもかかわらず突然の引退、そしてその後の告発動画などが話題になっています。

この件、痴漢と痴漢冤罪の話にかなり近い問題だなあと思いました。一方で近くない部分もあり、そこの部分を橋本八段が問題視しています。

 

news.yahoo.co.jp

twitter.com

 

参考までに、記事とツイッターアカウントです。

 

 

まず、近い点。

痴漢をする男はごくわずかです。

痴漢冤罪をでっち上げる女もごくわずかです。

 

痴漢も痴漢冤罪も、どちらもはっきりとした犯罪ですし、許される行為ではありません。

難しいのは、事件が起こった際、それが痴漢なのか痴漢冤罪なのかを100%確定させることは非常に困難なのです。

本当に痴漢なら、それを告発する行為は正当な行動ですが、嘘なら当然非常に罪深い行為です。

 

 

次に、子どもの連れ去りについて。

DVから逃れる為に子どもを連れて緊急避難することは正当な行動です。

一方、相手が親として非がないにも関わらず、同意なく子どもを連れ去るのは未成年者略取の犯罪です。

しかし、これは痴漢と同様に、本当にDVがあったのかなかったのか、それを外部の人間が判断するのは非常に難しいのです。判断が難しいということは、実際に事件が起きた際に、どういう裁きをするのがベターなのか、それを判断することすら難しいということでもあるのです。

 

 

次に、一番大きな違いです。

これこそが橋本八段が一番問題にしているところです。

痴漢冤罪に関しては、弁護士が

「冤罪をしてお金をゆすろう」

と加害者に入れ知恵することはありません。また、その手助けをすることもありません。

しかし、子どもの連れ去りに関しては、

「子どもを連れ去って離婚裁判と養育費の交渉を有利に進めましょう」

と積極的に勧める悪質な弁護士が多々いるのです。そして、連れ去った側が獲得した養育費や慰謝料(DV被害者だと名乗らせるので、慰謝料まで請求してきます)から手数料を受け取るのです。

連れ去られた側の親としては、問題を大きくすれば裁判費用も膨らむし、何より今後子どもに会えなくなります。養育費だけは取られるのに。更に、連れ去られた側の方が収入が多い場合、婚姻費用の負担まで要求されるのです。被害者が犯罪者に対して、です。

でも、争っても勝つ判例がなさすぎて、連れ去られた側が勝つ見込みは殆どないのです。(僅かな例外として、連れ去ったのが父親の場合は勝つ例があるようです)

勝てないなら少しでも実を取ろうということで、交渉を受け入れてしまう。そしてそれがまた勝つことが難しいという結果を後押ししてしまうのです。

 

 

橋本八段の個別の件については、外部の人間だし、何よりお母さんの反論も聞けてないので、判断を保留しています。

しかしそれは一旦置いといて、悪質な弁護士が、割合で言えば小さくても、多々いるのは事実です。その連中は、復縁したら貰えるお金はほんの僅かなので、冷静な話し合いの場を設けたりせずに最初から慰謝料の請求をするなど、関係を壊そうとすらするのです。

 

 

橋本八段は、許せないのは相手弁護士と、思考停止の裁判官だと主張しています。繰り返しになりますが、個別の案件について言うのは難しいけれども、これらの問題への提起として橋本八段の件は注目して行きたいと思います。

 

ブラフは嘘をついているわけではない

色々な記事で、

「ポーカーではブラフ(嘘、はったり)で勝つ事もできる」

と書かれることがありますよね。

 

「ブラフ」というポーカー用語を一般に説明する時に、手っ取り早く説明するのは確かにこの言葉なんですよね。

嘘とは

「真実ではないことを言うこと」

です。

 

でも、ブラフを正確に表現すると、

「弱い手を持っている時に、相手が降りてくれることを願ってポットにチップを投入すること」

なのです。

 

ブラフをする時は、相手もこちらのハンドが弱い可能性があることを十分承知した上で対処します。チップを賭ける時は、強い手の時だけではないですし、そのことはお互い承知の上でポーカーというゲームをやっているわけです。

ベットした時に強かったら

「本物、real hand」

という表現は確かにします。しかし、嘘とは表現して初めて嘘になるわけで、

「本物を持っている」

と発言せずに単にチップを賭けているだけだし、そもそも相手もブラフの可能性を重々わかった上でプレイしているので、嘘という表現は二重に間違えていると感じるのです。

 

強いポーカープレーヤーは、イメージと裏腹に、嘘をつくのが嫌いという人がめちゃくちゃ多いです。

人狼は、ゲームをする上で、嘘をつくことが必須です。また、世間的なあらゆる交渉事でも、嘘はあちこちに登場します。

しかし、ポーカーをプレイする上では嘘をつく必要が一切ない。嘘を一切つかずに、心理的な駆け引きを楽しむ事ができる、それがとても心地よいのです。