木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

家賃保証会社の控除率は90%前後!なぜこんなことがまかり通るのか?

2021/3/22

データの見方に誤りがありましたので、記事を訂正しました。

 

 

今の法律では、賃貸住宅の住人が家賃を長期に渡って不払いでも、強制的に追い出すことが出来ません。なので、追い出せない間の家賃のリスクをなくすために、賃貸住宅の大家(会社なり個人なり)は、保証人を要求します。

しかし、その保証人を業として請け負う会社があって、それが家賃保証会社です。最近、特に都内では、保証人ではなく保証会社を要求することが増えています。

一般的には、入居の際に家賃の0.5から1ヶ月分を保証会社に支払い、その後1年ごとに家賃の月額の数%を払う、というのが一般的です。

 

で、これ、高すぎませんかね?

 

https://www.mlit.go.jp/common/001227824.pdf

 

これは国土交通省による、家賃保証会社が払った金額の資料です。

1年間で2万人分を、家賃保証会社が家賃を負担しています。

 

「【集計件数】20,886 件
※ 求償から一定期間が経過し、損害額とされた残額の調査であるため、
損害の発生していない件数は含まれません。」

「【調査内容】家賃、損害額
損害額については、家賃債務保証業者が借主に代わって貸主に支払った、
家賃、共益費、管理費、駐車場料金、更新料、残置物撤去費、修繕費、
違約金等の総額から、借主に求償して回収した金額を控除し、求償から
一定期間が経過し、損害額として判断された残額としました。」

 

この文面から、滞納したものの、敷金の範囲で支払いが済み、保証会社から大家さんにお金が振り込まれていないものは20000件に含まれないと読み取れます。

 

 

https://www.mlit.go.jp/common/001011169.pdf

 

この資料の5ページ目から、東京の賃貸住宅は340万戸、日本全体の数字は見れなかったですが、東京と同じ比率なら3000万戸くらい。地方は持ち家率が高いと思うと、まあ2000万戸くらいでしょうか。

そのうち、保証会社に登録していた人の比率はどれくらいでしょうか。少なく見積もって、仮に20%としておきましょう。すると、1年当たり400万件中2万件、つまり0.5%から損害の出る滞納が生じる計算になります。

 

 

2万件というのは、大手からは直近の1000件のデータに過ぎないようです。このデータは損害が発生した件数を調べる調査ではなく、1損害当たり何ヶ月分の損害になるのかを調べたもののようです。仮に3万件の損害が発生していても、ここには1000件しか登録されていないのです。そこを勘違いしてました。

そこで現状の事故物件の割合を調べたデータがあり、それによると少し前で3%、最近のデータだと2.1%(振り込み忘れ等のミスと思われる、1ヶ月未満の滞納は除く)とのことです。

news.yahoo.co.jp

 

 

ここで、資料の下の方から、一件の滞納当たり、平均で4から5ヶ月分の滞納額になります。これは5ヶ月としましょう。

 

 

損害が発生する人が仮に5年住んだ後に支払えなくなったとします。

保証会社の保証料は、契約時に0.5ヶ月から1ヶ月分、1年の更新ごとに1万円から0.3ヶ月の更新料です。

 

滞納する人が出る割合は、

0.5%×5=2.5%

平均で5ヶ月の滞納額になりますので、滞納の平均月額家賃は

0.025×5=0.125ヶ月分。

 

 

不動産屋さん側にすごく不利に見積もっても、家賃保証という保険の平均支払いは12.5%・・・ではないのです。

更にリンクの下の方に行ってほしいのですが、94%は滞納額を全額回収出来ています。全損になるのは3%だけ。

仮に一部返済があったものも全額回収できなかったとして計算すると

12.5%×6%=0.125×0.06=0.0075=0.75%

 

なんと、これだけ家賃保証会社の支払いが多くなるような仮定を入れまくって計算しても、家賃保証会社は1%すら変換していないのです。勿論、トラブルがあった時の回収や審査にコストがかかるのは分かります。それでもこの数字はいくらなんでもおかしくないでしょうか。

これはカジノ的な控除率の計算で言えば、99%を超える数字です。

 

1か月以上の滞納になっている人は3%いて、そのうち回収できない金額は6%とすると、5年間トータルで回収出来ない割合は

60×0.03×0.06=0.108(ヶ月分の家賃)

 

5年トータルで払う保証料は、安いところで0.8ヶ月分、高いところ(自分が今契約しているところは更新料が0.3ヶ月分)だと1.7ヶ月分。

 

安いところなら、

0.108÷0.8=13.5%

 

この計算は、還元率が出来る限り高くなるように各種数字を入れました。

1ヶ月以上の滞納を3%ではなく2.1%とし、更に自分が今契約している保証会社のように1.7ヶ月分として再計算すると

60×0.021×0.06÷1.7=4.5%

 

還元率5%弱、控除額で言えば95%になります。

 

 

 

 

 

バカラ控除率は1%

競馬の控除率は25%

宝くじの控除率は50%

各種保険は30%から70%

家賃保証会社は90%前後!!!

 

これっていくらなんでも異常すぎませんか?

 

でもここで、自然な疑問が湧き上がってきます。

そこに新規参入する業者がいれば競争が生まれるのでは?

 

普通の商売だとそうです。誰だって、同じ商品ならできるだけ安い方を選んで買いたいですよね?

しかし、家賃保証は安い商品を選ぶ事ができないのです!

それはなぜか。

賃貸を借りる際、実際は大家さんと直接契約ではなく、不動産管理会社との契約になります。そして、不動産管理会社は、提携している家賃保証会社しか受け付けないのです。

そう、どんなに顧客にとって魅力的な商品を出したとしても、顧客はそれを選ぶことが出来ない、なぜなら家賃保証会社を選んでいるのは不動産管理会社だから。

実際にお金を払う顧客が商品を選べないなら、当然割高で横並びの金額を家賃保証会社は設定します。更に、顧客の紹介料として、家賃保証会社から管理会社にキックバックもあるとのことです。つまり、

不動産管理会社も、家賃保証会社の保証料が高いほうが得

なのです!!!

商品を選ぶ側も商品を売る側も、高いほうが得なので、なんとなく払える金額なら高い金額にしますよね。当然、新規参入者が安い商品を出しても、管理会社に選んで貰えないから競争原理も働かないのです。

 

 

 

しかもしかも、殆どの家賃保証会社は、こんな高い料金を設定しているにも関わらず、一度も家賃もクレカも滞納したことがなく、数年間確定申告し続けている自営業の人の家賃保証を審査で落としているのです。正社員しか受け付けない。

何故か。これは推測に過ぎませんが、トラブルになった際、家賃保証会社の社員の仕事が増えます。審査を通した方が会社にとって得でも、回収という嫌な仕事が増える率が上がる顧客は拒否した方が仕事が楽だからでしょう。また、単体で見たら得でも、トラブルがほぼ無い人だけを入れれば、回収のために雇う人を大きく減らせるという会社の思惑もあるでしょう。

 

 

家賃保証会社は今こういうひどい現状です。ただ、不動産管理会社も家賃保証会社も違法な事は(多分)していないです。

このことを多くの人が知って声を挙げない限り、現状が変わること無く、一般の賃貸住人が搾取され続けることになるのです。

 

 

 

3/22追記

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7196/ir_material_for_fiscal_ym/97133/00.pdf

こちらはコメントで頂いた、CASAのデータです。

CASAは、実は自分が以前入居していた時に使っていた保証会社です。ここは大手家賃保証会社の中で

・手数料が(多分一番)安い

・ポーカープロという職業でも審査を通してくれた

という特徴があります。

更新料が年1万円と安く、更にフリーランスでも審査を通すので、前者の平均よりも回収できない割合が高いのではないかと予想されます。

それによると、コロナ以前で19%、今季はコロナの影響で増えて24%という数字のようです。更に訴訟費用等がかかることを考えると、この数字だとまだ若干高いかなとは思うものの、まあ妥当な範囲とも思います。

この表によると、大手の不動産管理会社への紹介手数料は、2020年は20%ほどにもなるとのこと。中小の管理会社へは10%ほど。なかなかひどい数字です。

結局、不動産管理会社が保証会社を選ぶというシステムが非常に良くなくて、各顧客が自分の保証会社と契約し、不動産管理会社はそれを拒否できないシステムになれば、この業界は一気に良くなるんじゃないかなと思います。

 

 

追記2

コメントで教えて頂いてます。CASAの滞納発生率は10%強。13社の平均の滞納発生率は7.5%。ということからやはり、CASAが広く保証を受け入れているのは間違いなさそうです。

そのCASAの還元率が19%(訴訟費用込まず)なので、平均的な還元率が13%、更新料が高く、審査でたくさん落とすところだと還元率5%というのは妥当な見積もりということを裏付けるデータだと思います。

 

 

 

 

ポーカーのルール覚えた。ハンドの強さの順番も覚えた。次は何を考えるべき?

ポーカーが強くなるには、いくつかのステップがあります。

 

・ポーカー(テキサスホールデム)のルール、ゲームの流れを覚える

・役を覚える

・プレイして、実際の手の強さを知る

・(ここから

 

 

・ここまで)

・レンジ対レンジの概念を実感として持ち、バランスを取ってプレイする

 

 

一番最後まで到達すれば、そこから先はしののさんが書いているように、その精度が上がっていく(相手の精度も上がるので、必然的にバランスを考えてプレイするようになる)だけで、すごく大きなステップがあるわけじゃないです。

 

でも、そこに到達するのは、早い人ならすっと理解できるだろうし、どうしてもピンと来ない人は来ないんじゃないかなと思います。

一番最後まで到達してそこから更に強くなりたいと思った人は、その時に初めてソルバーを利用すれば良いんじゃないかなと思います。

では(ここから・・・ここまで)に該当する人は、どういうことを考えてプレイすれば良いのでしょうか。それについて自分が思うことを書きます。当然個人差が非常に大きな部分なので、当てはまらない人も多いでしょうが、できるだけ多数が当てはまるんじゃないかなと思うことを書きたいと思います。

 

 

その範囲の人がついついやってしまうけれども、すぐにやめた方が良い考え方

✕相手のハンドのうち、1枚だけを考える

相手からレイズされてコール。

フロップK95

相手がべット。その時、

「相手はK持ちだ!」

と思うこと。

 

しかし、テキサスホールデムは2枚のハンドをプレイします。もう1枚はどこに行ったのでしょう?

 

そこで考えるべきこと

○相手のハンドを考える時は、常に2枚セットで考えること

 

これ、慣れるまでは結構たいへんです。それでもやり続けてみましょう。

 

次は

✕相手のハンドの可能性の中で、最初に思い浮かんだものを相手にプレイする

 

例えば、相手からレイズされてコール。

フロップK95

相手がべット。その時、

「相手はK持ちだ!・・・じゃなかった、AKかKQだ!」

と思うこと。そして、KQを相手にしたプレイをする。

 

でもですよ、本当にK持ちしか可能性は無いですか?QJとか無いですか?TTとか無いですか?78とか無いですか?あり得ますよね。

 

そこで考えるべきこと

○相手のハンドの可能性を、違う種類のものを5つ思い浮かべる

です。

1、KQとその仲間

2、JJとその仲間

3、AJとその仲間

4、67とその仲間

5、55とその仲間

 

という感じで。慣れるまではまずは3個、思い浮かべましょう。

 

 

この2つがステップ1です。これをまずは意識してハンドをプレイしましょう。

 

そのステップが自然に出来るようになったら、次です。

○ターン以降では、思い浮かべた組み合わせが、本当にあり得るか疑う。

 

です。

例えば、こちらがレイズ、相手コール。

フロップK95。

相手チェックに、こちらがべット。相手コール。

ターン6

相手チェックに、こちらがべット。すると相手からチェックレイズ。

思い浮かぶハンドに、78とか66とかが出てきますが、それは本当にあり得ますか?フロップでこちらのレイズをコールしているけれどもコールしますか。また、あり得るとしたらどの程度?

 

○思い浮かべた組み合わせから、ありえないと思うものを消去する。また、消去は出来なくても可能性は低いと思ったものの濃淡を薄くする。

 

 

そして、そのステップでついついやってしまう良くない思考。それは

 

✕自分がコールしないと思った可能性を全部消去してしまう

 

です。

そのボードで67はコールしない。フォールドかレイズ。

うん、その事自体は全く問題ありません。しかし、自分がコールしないと思っても、相手がコールしないとは限らないのです。相手のハンドをプレイするのは、あなたではなく相手です。

 

○この人はこのハンドをコールするだろうか、するとしたらどの程度だろうか、と思考する

 

 

ここまでがステップ2です。そして、ステップ3。

 

○思い浮かべたハンドに対して、どうプレイするのが得なのだろうかを考え、実行する。

 

これを考えて、実行します。

例えば、相手のレイズをJTでコール。

フロップK95

相手がべット。普通はフォールドです。

 

その時に、KQ、TT、AQ、67、99の5つに分類したとします。

ここでレイズしても、KQと99の分類は降ろせません。しかし、もし相手がレイズに対してTTやAQですらサクッと降りてくれる可能性がそれなりに高いと判断したら、ここでチェックレイズは有力な選択肢となります。逆に、TTやAQでも半分以上コールして戦ってくるのであれば、チェックレイズは却下すべきでしょう。

 

 

仮にブラフすることを決めたとします。そして、相手がKQを持っていて負けたとします。その時に

✕強いハンドに対してブラフしたこと(バリューべットに対してコールしたこと)を反省する

 

強いハンドを持っている可能性は承知の上でそのプレイを選んだはずです。それなら、そのハンドが出てきても後悔してはいけません。それは結果論なのです。

 

○想定したハンドに負けた時は、反省しない

 

この裏表として、

○想定していないハンドが出てきた時は、想定していなかったことを反省する

 

です。

 

 

まとめ

 

ステップ1

✕相手のハンドのうち、1枚だけを考える

○相手のハンドを考える時は、常に2枚セットで考えること

 

 ✕相手のハンドの可能性の中で、最初に思い浮かんだものを相手にプレイする

○相手のハンドの可能性を、違う種類のものを5つ思い浮かべる

 

 

 

ステップ2

○ターン以降では、思い浮かべた組み合わせが、本当にあり得るか疑う。

 

 ○思い浮かべた組み合わせから、ありえないと思うものを消去する。また、消去は出来なくても可能性は低いと思ったものの濃淡を薄くする。

 

✕自分が○○しないと思った可能性を全部消去してしまう

 ↓

○この人はこのハンドを○○するだろうか、するとしたらどの程度だろうか、と思考する

 

 

 

ステップ3

 ○思い浮かべたハンドに対して、どうプレイするのが得なのだろうかを考え、実行する。

 

✕強いハンドに対してブラフしたこと(バリューべットに対してコールしたこと)を反省する

○想定したハンドに負けた時は、反省しない

 

○想定していないハンドが出てきた時は、想定していなかったことを反省する

 

 

そのバリューベット、バランスとれた金額ですか?

COからQJでオープンしました。すると、ボタンとBBがコール。

ボードが

AJ3 T K (フラッシュ目なし)

フロップ、ターンとチェックで回ってリバーでBBがチェック。ポットは2000点。

こちらはナッツを持っています。さて、チェックしますか、それともベットしますか?ベットするならいくらのバリューべットを打ちますか?その金額を選んだ理由も一緒に答えてください。ツイッターのアンケートも貼っておきます。

 

A、チェック

B、500点

C、1500点

D、3000点

 

 

 

このボードはQがナッツで、相手にべットされた場合、たとえAAでもブラフキャッチにしかならないハンドです。

ナッツを持っているので、怖いところは全くありません。

「ナッツを持っているから、降りれないハンドを持っている人から取れるだけ取りたいから大きくベット!」

としてしまう人がそれなりにいるのではないでしょうか。

 

ここで考えるべきことは、

「ベットされた側はどの程度の頻度でブラフキャッチを行くべきか」

ということです。

もし500点のべットなら、Qなしでコールする側は

500÷(2000+500+500)=1/6

つまり、6回に1回の頻度で勝っているかどうかがコールするかどうかの分岐点になります。この計算がわからない人は、こちらの記事(100円です)を参考にしてください。

 

同様に、1500点のベットなら、

1500÷(2000+1500+1500)=30%

ブラフが30%あればコールが正当化されます。

 

ベットが3000点なら、

3000÷(2000+3000+3000)=37.5%

ブラフが37.5%あればコールが正当化されるのです。

 

これは逆に言えば、

ブラフが37.5%よりはるかに少ないのであれば、このべットサイズはバランスが取れていない

のです。勿論、相手がトップペアを降りれないというような情報があれば別ですが、それはエクスプロイット的な概念であって、バランスが取れているかどうかとは別です。

ところで、Qが1枚でナッツのこのボードで、あなたがべットした際、持っているQの可能性としては、QQ、QJ、QT、QXs、くらいでしょうか。AQならフロップでベットしているし、KQならターンでベットしているはずです。

まあ、オフスートのQTがレイズしていない可能性とかも考えると、組み合わせの数としては30通り前後。

ポットの1.5倍のオーバーべットをするのであれば、18通りくらいのブラフの組み合わせでも同じサイズのベットをしないといけないのです。

3000点のベットをすると思った方、このボードでQ持ちの時の60%ほど、18通りもブラフしていますか?

 

オーバーベットを選んだ多くの人は、そんなにブラフできていないのではないかなと思います。

こういうボードで、ポットの4倍くらい打ってくる人も結構います。半分近くブラフが混ざっていないといけないのですが、相手もQを持っている可能性があるわけだし、実際Qがほぼ100%出てくるでしょう。AAを持っててもスナップフォールド出来ます。

 

1500点を選んだ人、14通りくらいブラフをするのだと思いますが、実際にそれくらいブラフをする人はいそうですね。完全に滑ったスーコネをブラフ側に入れたらちょうど良いバランスになりそうです。逆に、それでブラフをしていないなら、1500点も打ちすぎです。

 

500点を選んだ人、こういうシチュエーションでブラフがあまり出来ないという人なら非常に有力なサイズです。これ以上小さくしてもしょうがないですし。

 

チェックは、同様に考えたボタンがある頻度でブラフしてくれることを期待してのプレイですね。こういうボードでのブラフ頻度が完全にゼロなら、十分ありえる選択肢でしょう。

 

その人のレンジや普段のプレイに応じて、1500点か500点が望ましく(選択肢に無いだけで、勿論1000点もありですね)、チェックはその次。このボードでオーバーベットは一番バランスが取れていないプレイだと思います。

 

 

テルとリバーステル1

  

https://www.youtube.com/watch?v=zC8RbeVfSBg&feature=youtu.be

 

こちらは、年末のポーカー名人戦のデイ2です。自分がブラフをして飛んだ時のハンド、10時間4分からのハンドで、ベットテルについてちょっと書いてみようと思います。(毛利名人、ネタにしてすいません!でも優勝したので許してくださいw)

 

とても有名なテルとして

「フロップで3枚同じスートが出た時(モノトーンボード)に、ハンドを見返したらフラッシュ完成していない」

というのがあります。オフスートを持っていて、どのカードがどういうスートだったかをチェックしているわけで、スーテッドだったら流石にスートも覚えているので見返す必要ないでしょ、というわけです。

さて、このテルは非常に有名で、なので

「モノトーンボードでは、フラッシュ完成していてもしていなくても、必ずハンドを見返しなさい」

とよく本にも書かれているし、記事やツイートなどでも見ますよね。

そして、それをちゃんと実行している人は多いです。

しかしですね、実はそれでもテルが出てしまうことは多々あるのです。

 

この動画の10時間4分ちょうどからスタートしたハンド。

自分がレイズしてBBの毛利さんがコール。

フロップでAc6c5c

毛利さんチェックして、自分のアクションに移りますが、10時間4分40秒、アクションがこちらに回ってきてプレイしようとしたタイミングで毛利さんはハンドを見ています。これが、フラッシュ完成していないテルなのです。

「フラッシュ完成していても見返すでしょ?」

と言われるかもしれません。

しかし、完成していても見返すのは、自身に注目が集まっている時、主にアクションが自分の順番になったタイミングです。

毛利さんが見返したタイミングは、アクションを終え、相手がこれからアクションをしようと動き出したタイミングなのです。自分に注目が集まっていない状態は人間は無意識の行動をとりがちなのです。

 

この時自分は、毛利さんがハンドを見返していたのを見ています。そしてベット。

アクションが毛利さんに返って、10時間4分50秒、毛利さんが再度ハンドを見ます。これがどのスートを持っていても持っていなくても必ずハンドをチェックするという「相手に見せる」ためのハンドチェックです。このハンドチェックでは、フラッシュが完成しているかとかドローがあるかとかは基本的に関係ありません。

ターンに3が来て、1時間5分10秒から20秒の間、自分のベットアクションの間に毛利さんはハンドを再確認していません。

アクションが毛利さんに返り、1時間5分55秒の時に毛利さんは再度ハンドを確認してます。これは注目を集めているタイミングなので、やはり持っていても持っていなくてもチェックするやつですね。

しかし、この時点で自分は、毛利さんがフラッシュの完成がしていないことを確信していました。そして、かなりの確率でクラブを1枚だけ持っていると思ってました。そしてコール。

リバーは4s

 

どこでフラッシュが完成していないことを確信したかというと、フェイクではない2つです。つまり、こちらのフロップのアクションの時にハンドを見返したことと、こちらのターンのアクションの時にハンドを見返さなかったことです。

 

毛利さんのハンドの可能性としてあり得るのは、まずは

・KcX

オフスートのKxがどの程度プリフロップのコールレンジにあるか不明ですが、自分はかなりルースに打っていたので、K8くらいまでは最低でも入っていそうですし、レイズサイズが小さいのでもっとローカードもあるでしょう。もっとローカードなら、653はペアになってるし、4ならオープンエンドなので、ターンで降りる選択肢はなさそうです。

KcTあたりをどうプレイしてくるかわかりませんが、ブラフに対してKハイはグッドの可能性が高く、コールに入ってくる可能性はそれなりにあるかなと思いました。

また、QcKとかQcJも一応可能性としては考えます。

また、8c7や9c7も可能性としてはあるところです。

 

ただ、本命はAxですね。Axのxがクラブです。

それまでのプレイから、AQoはほぼ3ベットが来たと思いますが、AJoは五分、AToはコールの可能性が高そう。

リバーで4で、4がペアになりました。

 

リバーで400kとかの普通のサイズのベットをしたら、相当コールされるでしょう。そこでオールインを考えます。その場合、

負けてるハンドをかなり降ろせそう→AJ、AT、A9、A8、K6、K5、K4

確実にコールされる→A7、K7、78、79

不明→A6、A5、A4、A3、A2、K2

 

ただ、A6やA5、A3はフロップかターンでチェックレイズオールインがありそうではありますね。また、7持ち(特に78)は先に打たれた可能性もあります。79などはターンで降りた可能性もあります。

60%弱くらい降ろせればよいのですが、まあそれくらいはあるだろうと判断してのオールインになりました。実際は2cAにコールされて負けたわけですが・・・

 

 

結論:

ハンドを見返すリバーステルは、注目が集まっている時にされるのが殆ど。

注目が集まっていないタイミングでの見返しは、かなり素が含まれる。

 

 

好きなことを仕事にする、について

 

こちらの北極冒険家の荻田さんの記事に触発されて記事を書きます。

「仕事」について荻田さんは2つに分解してて、北極を歩くこと自体は

「お金にならない仕事」

と仰ってます。それは間違いなくそうでしょう。一方で、荻田さんが現状行っている

「お金になる仕事」

のかなりの部分は、北極を歩くというお金にならない仕事によって付加価値がついた仕事、でもあるのでしょう。また、そのお金にならない仕事を継続するためには、トレーニングも当然続けているでしょうし、そう考えると、「お金にならない仕事をするための準備、という仕事」とかまで考えることになるのでしょうか。

将棋の棋士にとって、「対局」「指導」「イベント」などはお金になる仕事で、「将棋の勉強」はお金にならない仕事だけど、後者無くては前者の仕事がお金にならないわけで、切っても切り離せないものなのかなと感じたわけです。

 

で、もう一つの「好きなこと」について。

荻田さんの記事ではサラッと流して書いてあるというイメージでしたが、自分はこっち側をもっと掘り下げて考えたいのです。

一般的に

「一番好きなことは仕事にすべきではない」

と言いますよね。でもこれって、そうとも言えないのかなと思うのです。

それは、「好き」には程度差があるからです。

例えば、「ラーメンが好き」という人がいたとして、365日毎日ラーメンでも全く苦じゃないくらい好きなのか、それは流石に飽きる、という人もいます。というか、ラーメン好きのうちの大多数は後者でしょう。前者の人はたまにメディアで目にしますが、そういう人が「ラーメンが好き」ということをやっとマネタイズ出来るのです。

 

ゲームに関しても同じだと思うのです。

「ポーカーが好き」

と言っても、99%の人は年間3000時間を何年も続けられるほどポーカーが好きなわけではありませんよね。

一ヶ月は720時間。

240時間寝て、60時間で食事やお風呂など。月間150時間の普通の仕事をして、移動時間やスキマの時間が50時間。残りは220時間。それを50時間×4くらいに分割して、その一つとしてプレイするからこその好き、なのです。

しかし、プロになるということは、

「仕事の時間=ポーカー」

「趣味の時間A=ポーカー」

「趣味の時間B=ポーカー」

くらいポーカーにどっぷり浸からないといけないのです。それを何年も続けないといけない。

それでもやっぱりポーカーが好きでい続けられるほどポーカーが好きだと思いますか?

それに

「はい」

と即答出来るなら、その一番好きなポーカーを仕事にする第一段階クリアです。

その問いに対して即答出来ないなら、心から、ポーカーは趣味にして普通の仕事をすることをオススメします。

 

ここでは例としてポーカーを挙げましたが、これはポーカーじゃなくてもどんなゲームでも趣味でも一緒です。

「一番好きなこと」をどれくらい好きか。仕事にするほど好きなことってなかなか見つかりません。しかも、「一番好きなこと」が金銭的な意味でお金として成立する保証もありません。ジャンル的にも自身の適性的にも。

しかし、幸運なことに

「一番好きなことが年間3000時間を費やしても好きでいられて、更に仕事として成立するものである」

のなら、それを仕事とすることを考えてみても良いのかもしれません。

とか言いつつ、よほど多くの分野に才能を持った天才でない限り、迷う時点でだいたい適性がないとも思いますが・・・

 

何%のシェアを取れば成功か、によって取るべき戦略は変わる

物事によっては、取るべきシェアが違います。

例えば商売だと、日本全体の1%から満足される商品を売れば、100万(消耗品とか食品ならもっとたくさん)売れるわけで、大成功と言えます。なので、一般的には狭いファンとなり得る層にめちゃくちゃたくさんの選択肢の中からしっかり選んで貰えるように戦略を考えます。

 

選挙だと、中選挙区は10%ほどを取ればOK、市長、知事選では50%が必要です。中選挙区で50%を取る必要はないし、市長選挙で30%をとっても無意味です。

そうなると、中選挙区ではある程度の人に刺さることを主張するのが期待値が高く、過半数の人に消去法で消されても問題ありません。○○党や○○○○党なんかがこの選択肢に近い戦略であると思います。

一方、市長選などでは、本気で当選する気があるのなら、過半数の人に消去法で消される戦略は禁忌です。同じ選挙であっても、取るべき戦略は全然変わってきます。

 

感染症に関しては、90%以上の人が受け入れてくれる戦略を取らない限り効果は本当に小さいです。

日本の場合、マスクへの抵抗が元々無いので、

「まあ、コロナで重症化しない世代だけど、マスクくらいは協力しようか」

と、割と無頓着な人でも街中ではマスクをしてます。東京ではマスク着用率は99%をはっきり超えています。本当にマスクをしてない人を見かけない。真夏の、すごく暑くコロナが一旦落ち着いていた時期ですら95%くらいあったんじゃないかな。これこそが、同じ自由主義国家である欧米と日本で、ここまで結果に差が出た要因だと思います。

欧米では、どんなに政府が呼びかけても、マスク着用率が90%なんて遠い夢という話でしょう。日本とは桁違いの数の感染者数が出ているにも関わらず。

 

一方、行動に関しては非常に難しい。箱根駅伝では、沿道での観戦の自粛が呼びかけられた結果、例年の15%ほどの人出だったようです。結局、呼びかけても、15%ほどは無理なのです。更に、人間は生きる上でコミュニケーションを取らないといけない生き物です。どんなに聡明で自分自身で深い思考が出来る人でも、半年一切のコミュニケーションを取れなくさせると精神が崩壊するようです。自分はゲームが好きなので、オンラインでのコミュニケーションで十分満足出来るタイプですが、スポーツが好きな人はスポーツでのコミュニケーションを必要とするし、対面での飲食が無いと生きられない人、人との触れ合いが必須な人もいます。

その上で、そこに協力する人を90%以上にしようとアメとムチを使って頑張ろうとするのは、根本的に頑張る方向が間違えていると自分は思うのです。どんなにアメとムチを使ってもそこは90%を超えることは出来ない。コロナ対策は

中国のように、人権を思いっきり無視できる国なら、それを100%に近づけることも可能です。武漢で、家に外から鍵をかけて、食料などだけ一ヶ月半も配給したように。家の中で病気になっても放置して。当然だけど、自由主義国家ではそんなことは無理です。罰金がいいところです。

そもそも、人間は生きるために仕事をしないといけない。仕事をしなくても長期間生きていくためには、社会がそこまで豊かじゃない。自粛とか対策って、要するに働かずに生きていくという話になってくるので、結局の所贅沢品なのですよ。

 

自由主義国家が取るべき対コロナ戦略は、全体の90%以上が

「それなら協力しよう」

と思える内容を徹底し、90%が協力出来ないものは残念ながら諦める。経済で言えば、自由に活動してもらい、それを消費者が自分自身で安全を判断して選ぶしかないと自分は思うのです。結局、90%以上が協力できない内容ならば効果は薄い上に、

「正直者がバカを見る」

ということになりかねかい、というか、過去の施策をみても実際にそうなっています。それがまた、協力する人が減っていくことに繋がります。

 

 

・欧米の自由主義国家は、90%以上が協力することが出来るものが非常に少なかった。だからどう頑張っても感染拡大は避けられなかった。

・アジアの多くの国は、国家によって90%以上の、協力ではなく強制が可能だった。人権の代わりにパンデミックや戦争といった非常事態にはとても強いシステム。

・日本は自由主義国家にも関わらず、90%以上の協力が得られる範囲が非常に広いという特殊な国。この点で一番近いのは韓国かな。

 

 

成功とされるのに必要な数字を意識して、取るべき戦略をしっかり考えましょう、という話でした。

年末年始の生活

一ヶ月くらいブログを更新しないままに年が明けてしまいました。

 

12月中旬に、次男の同級生にコロナ陽性の人が出て、次男も濃厚接触者に。

保育園の濃厚接触者は全員陰性だったものの、次男は2週間登園出来ず。

役所は柔軟に判断するのが難しいということは重々承知の上ですが、一人でも陽性者がいるならともかく、全員が陰性ならその濃厚接触は感染力を持っていなかったと科学的に言える(それがダメなら、レストランに入っただけでアウト)し、そもそも濃厚接触から9日でOKということも分かっているのにいつまでも14日の待機をさせるのもどうなの?と思ったり。

更に、PCR検査場のスタッフのお兄さん、フェイスマスクの表面を手袋で触って着脱し、その手で頭を触ったりしてました。感染を抑制する方に舵を切るのはまあ良いとして、それならもっと科学的に正しくやって欲しいなあと思ったり。まあ愚痴ですw

 

2週間が明けたら、ちょうどそのまま冬休みに。

そういうわけで、ずっと次男が家(と近所の公園)にいたので、携帯からツイッターをするくらいは出来たけど、一ヶ月弱、パソコンの前には殆どいないという状況でした。

 

 

今日、本当にほぼ一ヶ月ぶりに子どもがいない状態で、ブログも更新出来てます。

保育園は本当に社会のインフラです。良い保育園に巡り合って、同級生も保護者仲間(友というより、同志というイメージです)にも恵まれてますし、そのおかげで子どもたちも楽しそうに過ごしてます。

子どもたちは社会の中で過ごすべき存在で、長期間親とだけ過ごすのは子どもが可哀想だと自分は思ってます。

 

なんかとりとめの無い文章になってしまいましたが、今年もまたそこそこの頻度でブログの更新をしようと思ってますので、宜しくおねがいします。