木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

ポーカーはスポーツか

ポーカーとスポーツを絡めて、よく

「ポーカーはEスポーツか」

とか、もっと単純に、

「ポーカーはスポーツか」

という論に、賛成反対の両方の意見を見ることがよくあります。

 

自分の考えは一つの意見に過ぎないですが、自分はこれについて、はっきりとした意見を持ってます。それは

「ポーカーはEスポーツ(もしくは単にスポーツ)ではない」

です。

 

 

ポーカーはスポーツではない、という側の論拠として、一番良く見るのは

「ポーカーのように運の要素が大きいものをスポーツとは呼べない」

というような論です。

しかし、運の要素という意味では、およそ全ての球技が運にかなり左右されます。

1ミリ当たる場所がずれただけで凡打かヒットかに変わる世界です。サッカーだって、蹴る場所が1ミリずれるだけで、ゴールとゴール外になります。それも含めてスキル?

では、たまたま上空で風が1m変わっただけで、ホームランだった打球が外野フライになったりとか、スキル部分が終わった後、プレーヤーが感知し得ないもので結果が変わるのです。これを運の要素と言わずして何と言えばいいのか。

そう、運の要素は球技だろうと否定できないので、運の要素を持ってポーカーはスポーツじゃないと言うのはおかしいと思うのです。

 

では何故自分がポーカーはスポーツじゃないと思っているのか。

スポーツとは、

「肉体の出力が結果に大きな影響を及ぼすもの」

だと自分は思ってます。

誰もがスポーツと認めるもので、この定義に当てはまらないものはないはずです。

その定義では、Eスポーツの代表格、格闘ゲームは、まさにスポーツと言っても良いのではないかと思います。瞬間的な判断と、それを入力する手の動き。それによって勝敗は大きく左右されます。ゲーム機を使うものなので、Eと頭についているだけで。

そういう意味では、ぷよぷよテトリスあたりもEスポーツと言えると思います。

一方、ポーカーは頭で考えたことをプレーする際に、一定のルールを満たせばどんな方法でも全く同じプレーとなります。囲碁将棋もそうですよね。

それは、スポーツの外側、ゲームという大枠に入るものだと思います。

 

ゲームの枠の中にいてスポーツの外側にいるポーカー。

スポーツは肉体の出力が結果に影響するので、例えば手に麻痺がある人は格ゲーでトップに登りつめることは不可能です。

一方、ポーカーは、そんなのは関係ない。

手がない人と対戦することもあるし、90代のおじいちゃんと対戦することもあります。

歳をとっても、障害があっても、テーブルに座れば平等。それがポーカーです。

そんな魅力のある「ゲーム」のポーカーなのだから、わざわざEスポーツのくくりに入れるようにとかする必要は全く無いし、ポーカー独自の魅力を広める方向に行けば良いと思ってます。