木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

コンボ数を数えようとしてはいけない

テキサスホールデムは、スターティングハンドが1326通りしかありません。

52×51÷2ですね。2で割るのは、AdKcと来るのと、KcAdと来るのが同じものだからです。

これは、AcKdとAdKcを別のハンドとみなした上での数です。

1326って、多いように見えて、実は結構少ないのです。人間が何とか出来ちゃうレベルの数字なので。同じ不完全情報ゲームの麻雀では、手牌の組み合わせって何通りあるのでしょう。正直、途方もつかないですよね。

 

で、人間にカウント出来る数なら、カウントしちゃおうよ、となるのです。

プリフロップでAKは、4×4=16通り。これを16コンボ、と言います。

AKsは4通りなので、必然的にAKoは12通りになります。

AA以下、ペアは全て6通り。

ペアは13種類あって、ペアじゃないのは13×12÷2=78種類あるので、

13×6+78×16=1326、確かに1326通りになります。検算終了。

 

ところで、相手がボタンからレイズしてきました。自分がBBKdThでコール。

フロップKs8h2d

この時、こちらはKK、88、22、K8、K2、82、AK、KQ、KJに負けてます。

K8とK2はスーテッドだけ相手がプレーしていて、82は全部含まれていなくて、他は全部レイズの可能性に含まれるとしましょう。

すると、KKは1通り(KhKcのみ)、88と22が3通りずつ。

K8sはKc8cの1通りのみ。K2sはKh2hとKc2cの2通り。

AK、KQ、KJはそれぞれ8通りずつ。

すると、こちらが負けているコンボは1+3+3+1+2+8+8+8=34コンボ。

一方、相手のハンドの全てのコンボ数は、すでに5枚カードが判明しているので、

47×46÷2=1081コンボ。

相手のボタンからのオープンレイズ率が40%だとすると、相手のコンボ数は432コンボ。432コンボのうち34コンボに負けてる。

一方、この34コンボは必ずベットをしてくるけど、そうじゃないハンドはそれなりにチェックしてくるとすると、ベットされた時にこちらが勝ってる可能性は・・・

 

とかやるのですが・・・

 

 

そもそも、ポーカーとはどういうゲームでしょうか。

相手のハンドを当てたらチップが貰えるゲーム、ではないですよね。

相手のレンジを当てたらチップがもらえるゲーム、でもないですよね。

相手のコンボ数を当てたらチップが貰えるゲームでもないですよね。

どうしたらお金が貰えるか。それは、正しいアクションをしたら、長期的にチップが増えるのです。そして、コンボ数を数えると言うのは、それ自体が目的なのではなく、正しいアクションをする上で手助けにするために数えるのです。

 

でもですよ。仮に相手のコンボ数が38が正しいとして、数え間違えて34と思ったとします。それ、どの程度こちらのプレーに影響するでしょうか。

結局、多くの場合は差がないですよね。それだったらそこまで厳密に考えることにどれくらいの価値があるのでしょうか。真の世界トップを争う戦いをしているのでなければ。

 

個人的なオススメとしては、上のハンド「群」で考えることです。

このフロップでのKTは、

KK、88、22、K8、K2、AK、KQ、KJの次、8番目くらいかな、という感じです。

 

次に、こちらがAAでレイズ、相手がBBからコール。

フロップJT9r

強い順から、KQ、Q8、87、JJ、TT、99、JT、J9、T9、AA

QJ、QT、Q9、J8、T8、98相手には、AAはほぼ五分です。

つまり、このフロップにおけるAAは既に10番手であり、さらに6種類とはほぼ五分なのです。しかも、今挙げたハンドたちは全部ありえますよね。

こういうふうに考える事ができたら、このAAを降りれないということも無くなるでしょう。K82rにおけるKTより弱いんですから。

いたずらに難易度を上げるからいざ数えようとするときに大変になるのですが、もっと大雑把に数え、それを判断材料にする。それだけでプレーはガラッと変わるのです。