木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/08/30/153151?_ga=2.98090070.833669124.1538629919-1097867378.1515996544

 

フロップでの超小さいベットについての記事を一ヶ月ほど前に書きました。

以前にも記事で書きましたが、

「小さいベットやレイズにはフォールドを減らしてコールを多めに」

「大きなベットやレイズにはフォールドを多くしてコールは少なめ、レイズを多め」

というのがポーカーの基本です。

 

そこに、AIによる戦術の進化で、人間が思いつかなかったようなプレーがどんどん出てきます。

「大きなベットにはフォールドを多くしてコールは少なめでレイズを多め」にするのであれば、お互いのレンジ的に、相手にはレイズ出来ないようなボードの時にオーバーベットすれば良い」

という考え方が登場します。

http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/08/21/134354

 

次に、

「小さいベットに対してはフォールドを減らしてコールを多め」

に対しての対抗策として、コールしか出来なかった相手に対して、ターン以降でオーバーベットをバランスを取って行うことで、ポジションが無いところからのコールを牽制しているのです。つまり、小さいベットだからと広くコールしすぎると、ターンで大きなベットをされることでフロップでのベット分をみすみす奪われてしまう恐れがあるのです。ではポジションがない側はどうやって対抗すべきなのでしょうか。

 

ここで、ポーカーのもう一つの原則があります。

「広いベットには、フォールドを減らしてコールやレイズを増やす」

「狭いベットには、フォールドを増やしてコールやレイズを減らす」

 

ポットがそれなりに大きい時に、IPから1bbのベットをすることは損ですよね。何故かと言うと、相手に一方的にプレーの選択権を与えていて、コールされても殆ど追加で取れないからです。そう、このベットは相手にレイズする機会を与えている分、チェックより損なのです。

ポーカーに限らず、基本的にプレーの選択肢を相手に与えるということは損なことです。ただし相手が強い前提で、相手が格下だと、プレーの選択肢を与えたほうが得になることがありますが、原則という意味からは外れるのでそれは例外とします。

 

広く小さいベットをIPがするということは、こちらが有利なときにも広くレイズするチャンスをくれるということと一緒なのです。

また、この小さくベットするフロップは、お互いがモンスターハンドをヒットさせている可能性があるボードですから、オーバーポットが正当化されるようなレイズ出来ないボードではないのです。

 

相手はターンで、バランスを取ってオーバーベットを仕掛けて来ます。

それに対して、ターンでコール(やレイズ)してリバーの判断に持ち込む事ができるハンドとフロップではコールに値するけどターンではイージーにフォールド出来るハンドをコールにします。

そして、フロップですらコールするに値するか分からないようなハンドとモンスターハンドの7,8割をレイズに回し、それ以外をフォールドします。

 

ここで、NLHEのハンドを例にして説明します。

ボタンが2.5bbにオープン、自分がBBでコール。

フロップ9c7d5c

こちらがチェックに相手が30%ベット。

「ターンでコール(やレイズ)してリバーの判断に持ち込む事ができるハンド」

としては、78や76、キッカーの弱い9(9Tとか)などですね。

「フロップではコールに値するけどターンではイージーにフォールド出来るハンド」

の例としては、2オーバーカードなどが当てはまるでしょう。

そこに、ある程度の割合で強くないフラッシュドローをコールに混ぜます。

 

レイズに値するハンドは、2ペア+と2オーバーフラドロ、オープンエンドフラドロなどのモンスタードローがマジ手側。これらはターンでチェックレイズ要因として(ドローの場合はブラフになりますが)、コールにも混ぜます。

A6、A8、K6s、K8sなどのペアがないブロッカーハンド(+ドローの価値もある)がブラフとして。

基本的にA2からA4はチェックフォールド側ですが、Acを持っている場合はコールもレイズも(もちろんフォールドも)ありじゃないでしょうか。

A5やA7はどうしようかなとか、K7はどうしようかなとか非常に悩ましいです。

 

 

基本的なラインとしてはこういうことを考えますが、ここですごく大切な点として、相手はターンでどのくらいの頻度でオーバーベットをしてくるかを考えることです。

フロップで小さいベットを広くコールすることに対するエクスプロイトプレーは、ターンでのレンジの強さを活かしたオーバーベットです。

相手のターンでのベット率(特にオーバーベット)が高いと判断すれば、こちらはフロップのレイズを減らしてスロー側に多くのハンドを回して、ターンのチェックレイズやチェックコールを増やします。モンスターハンドと合わせて、ドローをターンでのチェックレイズにたくさん用意します。

一方、相手のターンでのベット率が低いならば、こちらはフロップで広くコールし、ターンで打たれたら強い手以外は素直に降りるのが良いです。

 

ソルバーで解析してわかるプレーは、相手が完璧にバランスを取ってプレーしてきた時のものです。

それを大体把握しておくことはとても大切ですが、でもそれだけだと、NLHE以外への応用が一切出来ません。

NLHEだけプレーできればいいよ、って人は多いかもしれませんが、真の意味で

「ポーカーが強い」

というのは、どんなポーカーのルールでも戦える、新しいルールでもその場で対応出来る、ということだと自分は思います。そのためには、ソルバーやスノーウイーが出した結果を覚えようとするのではなく、その元にある原則を理解しようとするのが近道だと自分は思います。