実戦的最強のオールイン例:MTT
以前は、MTTでドショートになってしまった時のBBは、オールインかフォールドをすべきだというのがスタンダードな戦略でした。そしてそれを今でも使っているプレーヤーはかなりたくさんいます。
一方、そういうプレーヤーがBBにいる場合は、BBに対してはいくらでレイズしても一緒(オールインされてもオッズコールする)なので、その他のポジションのプレーヤーからの3ベットに対処する意味で、ドショートのBBにはミニレイズの方が得だという風に思っている人が今でもたくさんいます。そのような背景がある前提で・・・
ブラインドは400-800、アンティ100、9人テーブル。
自分は6000点から100点のアンティと800点のBBを支払ってます。
COまで全員降りて、3万点持ちのCOが1600点にレイズ。全員降りて自分のBB。
ハンドを見ると、6s8h
仮に相手がオールインだと仮定すると、5100点のリスクで5900×2+400+900=13100点のポットを取りに行くので、必要勝率39%。
まあ足りないですよね。なので、オールインするオッズは無いのでフォールド・・・
ではないのです。
今は、このミニレイズをコールするのがスタンダードです。すると、800点の追加で1600×2+400+900=4500点のポットに参加する事になります。
フロップ2s6d9c
残りスタックは4300点。
6がヒットしました。その瞬間に、先打ちオールインをするのです。
9がヒットされてたら負ける→その時は諦めます。
オーバーペアがいたら負ける→その時は諦めます。
しかし、相手がAJとかだったらどうすべきでしょうか。
相手から見たオッズコールラインは
4300÷(4500+4300×2)=4300÷13100=32.8%
仮に相手がAsJsだとすると、
ヒットされているハンドに対して26%弱。
必要勝率が33%弱で、ちょっとつかない組み合わせに対して26%。
一方こちらはヒットしていなかったら必ずチェックするわけじゃなく、ガットショット以上あればいずれにせよオッズコールすることになるので先にオールインします。すると相手はAJでもトータルでコールするかどうかのボーダーラインの選択を迫られるのです。つまり、こちらからのオールインが2オーバーに対して最強のオールインを突きつける事ができるのです!
相手を都合のいいハンドだけ選んでいるって?
まあそう考える事もできますが、もし詳しく調べてみたい人がいれば、エクイラボ等で相手のレンジを上位30%程度入れてフロップでの勝率を計算してみて下さい。こちらが有利なのが確認できるかと思います。
そして、このフロップはこちらにとって都合がいいフロップなのですが、こういうフロップ(こちらがヒットして相手がヒットしないフロップ)が落ちるのは20%以上あり、800点のコストで4500点のポットに参加できる、17、8%くらい最強のオールインが打てたら割に合うので、こういうプリフロップのコールは非常に価値が高いのです。
つまり、ドショートのBBに対して、ミニレイズでスチールを仕掛けるのは、相手がしっかりとBBを守って来る場合は非常に損なのです!
今までの考え方とは逆に、BBがそのことをしっかり理解しているドショートだった場合は、2.5bbや3bbのスチールをするべき(小さくレイズしても大きくレイズしても、BBのオールインにはいずれにせよオッズコールなのだから)なのです。
一方、BBで20bb以上持っている場合は、一見割が良いコールが出来るように見えても、オーバーペア等に突っ込んでしまった場合の損失が非常に大きいので、ドショートよりはBBを守りづらくなるのです。
ここらへんの感覚、ちょっと古い感覚とは真逆だと思うのですが、非常に大切なので是非身につけておきたいところです。