PLOのイメージ、三国志バージョン
PLOとは、4枚配られてそのうち2枚を使うゲームです。
どうしても複雑になるので、ぱっとイメージが沸かないという人も多いかと思います。
最近はもっと漠然と勝率とかのイメージを持てるようになったのですが、そこそこやりこみ初めた時のPLOに対する自分のPLOのイメージは、次のようなものでした。
PLOは4枚中2枚使います。
その組み合わせは6通り。
例えば、KQJTなら、KQ、KJ、KT、QJ、QT、JTの6通り。
別の人がAAを持っているとすると、AAとKQとKJとKTとQJとQTとJTの7人で戦うようなものです。
NLHEをプレーしてて、AAでレイズして6人にコールされた時の気持ちを考えてみてくださいw
しかもずるいことに、6人がコールしたら6倍のポットになるはずだけど、1人分しかお金を出さないで良いのです。
とはいえ、AA側もAAだけではありません。
AA94なら、AA、A9、A4、94と、一応3人の従者がいるのです。
AAという呂布に、雑魚武将が3人護衛についてて、そこそこ武将6人と戦うのです。いくら呂布といえども苦戦して当然です。
しかし、もし対戦相手がKQJ2だったら?
KQ、KJ、QJ、K2、Q2、J2の6人で戦うことになります。
そこそこ武将3人に、雑魚武将3人です。これだとフロップ以降を考えても不利な戦いを強いられることになるでしょう。奇襲要員の2が大活躍しない限り・・・
一方、AA側でも、AAA8rというハンドがたまに来ます。これって
AAとA8の二人で戦うようなものです。これは勝率的にも厳しいし、フロップ以降のプレーのしやすさ的にも厳しい。
また、フロップにAが来る確率が半分になってますし、AAからみて都合が良いAK、AQ等のハンドを相手が持っている可能性も半分になります。
AA(呂布や張飛)クラスの武将ならともかく、QQ(関平)などは護衛が強くないと結構プレーするのが大変なのです。
QQJTdsとかだと、QQ(関平)の他に、QJ、QT、JTというそこそこ武将が護衛についてます。しかもフラッシュも2種あります。フラッシュ1種につき、武将が1人増えるくらいのイメージです。なので、KQJTdsだと8人のそこそこ武将です。Aスートはそこそこ武将1.5人分くらいです。
一方、QQ73rとかだと、QQ(関平)のほかは、Q7、Q3、73の護衛。うーん、関平が大活躍しないと勝つのは難しそう。
NLHEが一騎打ちなら、PLOは集団戦です。良い護衛がいるチームが強いのです。
たまに、AAQTdsのような、呂布+AQ、AT、QT、Aスート2人というような鬼チームも出来ますが、そんなのは早々来ないです。ただ、そんなチームになっても、フロップを開いたら、水上や湿地帯の弓矢がメインの戦いになったりして、黄忠の方がずっと強くなったりもします。鬼のチームを編成したからと言って、過信は禁物なのです。
PLOについてのイメージでした。当たらずも遠からずという感じだと、今でも思ってます。
PLOの勝率見積もり
PLOのハンドの勝率見積もり問題です。
A、AsAd6c5s
B、Ac8s7s4c
C、JdJh9c8d
D、KsQsTc3h
誰がベストハンドで、それぞれの勝率は?
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
回答
なんと、JJ98ssがダントツのベストハンド。
AA65が25%、A874dsが18%、JJ98ssが35%、KQT3ssが22%。
まあ、カードが殆どブロックされてませんから。とは言え、ベストハンドになるとは驚きです。AA65ssもそこまで悪い形ではないのでなおさらです。
なお、他の二人のハンドをデッドカードとして、二人だけの勝率を見ると
こんな感じなので、JJ98がAAに勝つ場合は、他の二人に取られることが47%中12%しかないってことなのですね。面白い。
今日はこれだけw
ライブトーナメント初入賞:2010年LAPCメインの話
ロスに行って、昔のことを少し思い出したので書こうかなと思います。
この話は、自分の1冊目の著書
「運と実力の間」
にも書いてます。
自分がポーカーを初めたのは2007年。本格的にやるようになったのは2008年夏くらいから。今からするのは、2010年2月の話です。
この時は自分は大学に復学した後です。
復学したのは2008年の冬学期(10月から)でした。2年の冬学期の専門科目の単位を色々忘れ物していたので、冬学期からの復学をしたのです。
普通、大学は休学をカウントせずに8年間まで在籍出来る(4回留年出来る)のですが、東大はシステム的に、駒場(1,2年)を4年間、本郷(3,4年)を4年間で卒業しないといけないのです。駒場を3年で卒業してしまったので、自分のトータルの在籍可能年数は7年。
休学する前に既に本郷に2年通ったにも関わらず、単位をほんの少ししか取れてなかったので、事実上後がない状態でした。
で、東大は夏学期を終えて卒業ということがシステム的に出来ない+冬学期から復帰したので、2009年の冬学期をさらに半年休学することになっていたのです。
前置きが長くなってしまいました。で、その復学した後の休学期間中でした。
2月10日過ぎ、突然小倉くんから電話があって
「木原くん、ロスに行かない?」
言われた日にちは、電話をもらった3日後w
なかなか急な誘いですが、まあ行くことに。
一緒のホテルに泊まるも、部屋はシェアせずに別々。移動だけ半分くらいタクシーをシェア。
自分は5-10NLHEをメインに打ちます。
3週間くらいで、2万ドルくらい浮いていました。
その時は、トーナメントの存在は殆ど知らなかったですが、その時に小倉くんに
「木原くん、メインのサテに一緒に出ようよ」
と誘われます。なんでも、その次の日にある1万ドルメインイベントのサテライトがその日にあって、バイインは1100ドル。面白そうだったので参加(自分は実は結構こういうノリで色々参加するのが好きですw)。せっかくなので、10%ずつ持ち合うことに。
サテライトは自分だけ運良く通過。今の目線で考えるとぬるいプレーも多かったですが、その時はサテライトなんて初めて打ったし、まあしょうがなかったかな。
そしてメインイベント。
初日、セットが3回きて、なんと3回ともオールインになるという幸運。2万点スタートが10万点、全体5位でデイ2へ!
二日目は途中でKK<AAを食らうなど、7万点まで減ってデイ3。
デイ3の最後に入賞が決まります。
紆余曲折あったものの、14万点まで増えて残り73人。72人から入賞です。
正直、入賞までじっとしていようと思ってました。入賞の19000ドルは当時の自分にはあまりに大きいです。しかも、出したのは1100ドルなので、約束の10%を払っても十分すぎるくらいです。
そして、幸か不幸か(?)、ハンドフォーハンドの時に、ボタンでTTが来たのです!
ブラインドは1500-3000のアンティ500です。
そして、ビッグブラインドには参加率50%を超えていて、50万点くらい持ってるチップリーダーが。
その当時の平均的なオープンレイズサイズは7000点くらいでした。
しかし、その場でポットを取るだけで構わないというのと、強いハンドだとあえてバレても良いや、ということで、9000点にレイズ。
すると、そのチップリーダーが24000点に3ベット!
・・・・
・・・・
・・・・
分かっています。オールインするのが一番期待値が高いことは。
オールインすべきなことは分かっています。
当然オールインすべきです。大体降ろせます。分かってます。
今だったら、少しの迷いもなくオールイン出来ます。
3週間かけて稼いだ2万ドル。それに近いくらいの金額を、降りるだけで確保出来るのです。その当時、2万ドルを合わせても、自分の資産は5万ドルないくらいでした。そこに、19000ドルの90%が上乗せされるのです。
・・・・
・・・・
・・・・
フォールド・・・
降りました。
自分の人生で、ミスプレーは数えきれないくらいやってきてます。
しかし、自分のポーカー人生で、こうした方が絶対的に正しいと分かっていつつ、それを選ばなかった、選べなかったのはこのときが唯一です。
「運と実力の間」ではこのハンドを「人生最悪のプレー」という表現になってます。
そこまでひどいプレーには見えないかもしれません。
しかし、正しいと分かっていて、マネープレッシャーに押しつぶされて選べなかったプレーという意味では唯一じゃないかな。自分の人生で悔やまれるプレーのトップ3、ある意味一番かもです。
当然ですが、小倉くんにはすごく怒られました。まあそりゃあそうですよね、自分でもそう思いますw
そのハンドが終わった時、別のテーブルで飛びが出てデイ3終了。
デイ4では、KQs<99の後、ATs<99で飛びました。
勉強しているのに強くならない人
(書いた後の感想、ちょっときつすぎる言い方になっちゃったかも。該当する可能性があると思った人は覚悟して読んでください)
勉強しているのに強くならない人。結構居ますよね。
勉強してないのなら強くならないのは自然として、結構勉強しているはずなのに・・・という人。
傍から色々見てて、これが原因だよなあと思うことがそれなりにあるので書いていこうかと思います。
100bb持ちのキャッシュゲーム。ボタンから78sで2.5bbにオープン。BBがコール。
フロップKT5レインボー(バックドアフラッシュドローあり)
相手チェック。
ここで、まず何を考えますか?何を考えるかを下に行く前にちょっと考えてみてください。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
まあ正解というのはないのですが、ここで、
「Kハイボードはレンジベットするべきだからエニーハンドで3bbベット」
って思った人、既に一通り勉強して強いと自他ともに言える人以外は、「勉強しているのに強くならない人」認定です。
「フロップはとりあえずCBを打つ」
と思った人もやっぱりダメですが、自分的にはそれよりも重症に見えます。
ポーカーとはどういうゲームか。
それは
「チップを増やすゲーム」
です。それ以上でもそれ以下でもないです。
GTO戦略であってもエクスプロイト戦略であっても結局、チップを増やすための戦略、ツールの一つでしかないのです。
先程の問題ですが、
「フロップミスった。残念。打たないと勝てないからとりあえず打つか」
と考える人のほうがずっと良いですし、
「打たないと勝てないけど、打ったらどういうハンドを降ろせるだろうか。また、打つならどれくらい打ったら一番得だろうか。フロップコールされてターンで降ろせるのはどれくらいあるだろうか」
こんなことを考えるのが標準的な強い人だと思います。
将棋とか他のゲームに例えたいところだけど、余計に分からない人が続出しそうなので、結構多くの人を切り裂いてしまいやすいけど、勉強の数学の例えで。
数学を勉強する際のことを考えてください。
数学で公式がいっぱい出てきますよね?
そして、それを覚えてテストで使おうとしますよね?
そして、覚えた公式を使って問題集を解いて、テストでもいい点数を取ろうとしますよね?
これに、「ウンウン、そうだよね」と思った人、「勉強しているのに強くならない人」である可能性が高いんじゃないかな。
これ、ほぼ同じことだと思うのです。
数学における公式は、問題を楽に解くためのツールなんです。道具なんです。
数学の勉強の目的は、少なくても大学受験までにおいては「色々な問題を解けるようになる」ことなのに、勉強している時に、「どうやったらその問題が解けるか」を考えずに、「公式を覚えて、どの公式を当てはめることが出来るか」を考えているのです。
そう、時間を使って勉強しているように見えても、実際に問題に真剣に向き合ってどうやって解くかは考えておらず、覚えた公式を如何に当てはめるかばかり考えているのです。自分に言わせると、
「真に頭を使って考えることを放棄し、楽することばかり考え、実際はサボっているのと大して変わらないのに、勉強した気になって自己満足している」
状態なのです。
(うわ、ついつい、めっちゃ色々飛び火してザクザクと多くの人に切りかかっちゃった・・・だから勉強のたとえは良くないのに・・・)
ポーカーの話に戻って。
結局、ポーカーはチップを増やすゲームなのです。
ただ、そこにスキルが介在するだけであって。
そして、チップを増やすことを真剣に考える。これこそがポーカーに真摯に向き合うことです。
その方法は、ベットするかしないか。ベットされたらフォールドするかコールするかレイズするか。ベットやレイズするならいくらにするのが良いか。結局それしか我々には出来ないのです。
そのためのツールとか方法論とか戦略とかが、GTOだったりエクスプロイットだったりするし、その戦略をより効果的に使うためのツールが、テル読みだったり、勝率の見積もりだったりするのです。
結局、勉強しているのに強くならない人は、
「相手はどういうハンドを持っている可能性があるか、相手はどういうことを考える人であるか、相手からみて自分はどういうハンドを持っているように見えているか、相手から見て自分はどういうプレーヤーであると見えているか、相手は自分が相手をどう思っていると思っているか」
これらのことをその都度しっかり考えることをサボり、それらを踏まえてどうプレーするのが得かを考えるのをサボり、その代りに公式を丸暗記しようとして、それで勉強した気になって自己満足しているのです。
繰り返しますが、ポーカーは、チップを増やすゲームです。その手段はベット、レイズ、コール、フォールドしかないです。相手からチップを奪い取ってやるという気概がないと強くなるのは難しいです。どうしたらよりチップを増やせるかを強欲に考え続け、プレーしていきましょう。
ロスから帰ってきました。
3週間、ロスに行ってました。帰国してからすでに2週間以上経ってますが・・・
移動日を含めてちょうど21日。ポーカー打った時間は230時間、ポーカールームに居た時間は250時間くらい。それの他に10時間ほどランニング。なかなか充実したポーカーライフでした。
ロスのコマースカジノは、ホテルの部屋からポーカールームまで2分かつ、テーブル上でまあまあな食事が食べられるので、稼働時間が長くなっても負担が少ないのが良いですね。そして、ハイレートで打ってると毎食6ドル引きになるので、毎日2食好きなだけ食べてもコンプが余ります。
また、マカオやラスベガス等、他のどの地域のポーカールームと比べても、テーブルの間隔が広い!圧倒的です。これもまた、長時間打っても疲れにくい理由でしょうね。
コマースはディーラーのレベルはなかなか低いですw
そして、結構英語にも難がある。人種も雑多で、今年の漢字みたいに一言で言うと「雑」って言うのがピッタリくるような場所です。
そして、自分はその雑さがすごく落ち着きます。ある意味一番好きなポーカールームですね。ラスベガスに行くと、高揚感と、ラスベガスに来た!という独特な雰囲気があって好きなのですが、ロスは「帰ってきた」という雰囲気がある、不思議な場所です。
一ヶ月以上ぶりの更新がこんな雑な投稿ですいませんw
またボチボチ更新していきます。
ロスの気候
明日からロスに3週間ほど行ってきます。
海外に出かけるのは去年のWSOP以来ですね。
こういう話をすると、よく聞かれるのは、ロスの気候です。
まあたわいの無い話ではあるのですが、多分一般にはあまり知られてない地球物理的な事実があるので、海外によく行く人には参考になるかなと思って書きます。
基本的に、
「海が東(右)にあって、陸が西(左)にある地域は四季の差が大きい」
「海が西(左)にあって、陸が東(右)にある地域は四季の差が小さい」
という事実があります。
日本は東に太平洋があって、西側に存在する陸地なので、前者に当てはまりますね。なので、四季の変化が大きいです。
え?日本海側の地域はどうかって?この話は千キロメートル単位のスケールの話をしているので、日本海側であっても前者に当てはまります。
ロスはアメリカ西海岸にあるので、後者に当てはまります。
なので、冬でもそこまで寒くなく、夏でも東京ほど暑くなりません。
真冬でも、最高気温が15度を超えることが多く、20度になることも珍しくありません。一方、夏は最高気温が30度を超えたら、かなり暑い日という感じです。
ヨーロッパも気候が安定しているイメージが無いですか?それはやはり同様の理由なのです。ロンドンは、緯度で言うとサハリンの位置ですが、冬の気温は東京とさほど変わらないくらいです。
なぜこんなことが起こるか。
すごく簡単に言うと、地球の自転の関係で、
「東に海があると夏に南風、冬に北風が吹く」
「西に海があると夏に北風、冬に南風が吹く」
からなのです。(説明は全部北半球です)
ではラスベガス等の内陸は?
多くの人がご存知の通り、水は温まりにくく冷めにくいという性質を持っています。
夏に南風、冬に北風が吹いていても、それでも海が近くにある方が気候はずっと安定するのです。なので内陸は年間を通した気温の差が非常に大きいのです。
なのでラスベガスは、夏(WSOPの時期)は最高気温は連日45度!、冬は東京と変わらないくらいです。緯度は東京と同じくらいなので、夏の最高気温が10度ちょっと高い分くらい、振れ幅が大きいですね。
(どうでもいいけど、気温のグラフを持ってきて貼れよと思いますが、そこら辺は意識低い系のブログなのでご容赦くださいw)
ブラフとバリューベットの間(あわい)
http://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2019/02/01/130849
この記事の続きです。
話がややこしくなるので、とりあえずヘッズアップ(残り2人)の話で。
ブラフとは、負けていると思っている時に、降りて欲しくてするベット、ですね。
一方、バリューベットとは、勝っていると思っている時に稼ぎたくてするベット、です。
この連載の第1回、フォールドエクイティーと全く一緒なのですが、例えば勝率80%、ポットが10bbのときに、ポットベットをしたとしましょう。
これは確実にバリューベットですよね。
そしてそのバリューは、10bb×0.2=2bbです。
これは、フォールドエクイティーそのものです。
(正確にはフォールドエクイティーは
降ろせる確率×おろした時の利益
なのですが、この場合は相手はハンドが見えていて降りるべきなので)
お互いのハンドが見えていれば、相手は絶対にコールしませんが、実戦はハンドが見えていません。もし相手がコールをしたとすれば、
30bb×0.2=6bbが相手の取り分です。
相手は追加で10bbを支払うので、コールすることによる損失(比較対象はフォールドした場合)は4bbです。
勝率が80%でポットベットをしたら、相手が降りた場合、FEと等しい2bbのバリューが得られ、相手がコールした場合は、2bb+4bb=6bbのバリューが得られます。
当然ですが、相手がレイズしてきた場合は、もっと大きなバリューが得られます。
ところで、こちらの勝率が20%だとします。
そこで、ポット10bbに対して10bbのベットをしたとしましょう。
相手がフォールドした場合は、相手の取り分の8bbを0にすることが出来たので、8bb得します。
相手がコールした場合は、追加で増えたポット20bbの20%がこちらの取り分なので、4bb。10bbを投入して4bb返ってくるので、コールされた場合の追加のリスクは6bb。
これはブラフですね。そのリスクがメリットに見合うかどうかを考えます。
相手が降りる確率をpとすれば、
8bb×pがFE
6bb×(1-p)がコールされるリスク
分岐点のpは、以前の記事にも書きましたが、
リスク/(リスク+リターン)で表せます。ここでは
6/14=42.9%
降ろせれば、このブラフは肯定されます。
では、こちらの勝率が55%だったとしましょう。
ポットが10bbに対して10bbのベット。
ベットが無かった場合の相手の取り分は4.5bb。
相手がコールした場合は、追加で10bb払って30bbのポットに勝率45%で参加することになるので
30bb×0.45=13.5bb
追加で10bb投入するので、フォールドするより3.5bb得です。
それでも、こちらもベットをすることで、相手の取り分が4.5bbから3.5bbになるので、コールされると分かっていても若干ベットしたほうが得ですよね。降りてもらった方がもっと得ですが。
そう、勝率が50%前後だった場合、ベット/コールが入った場合もチェックで回った場合も、どちらも期待値は変わらないんですね。その場合は、降りてもらえる可能性がある分だけ、FEで得になるのです。そういうベットをセミブラフと呼びます。
イメージでは
0 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 1
ブラフ セミブラフ バリューベット
そして、どこからブラフ、どこからセミブラフ、という明確な境界線があるわけじゃないです。勝率が30%以下なら大体ブラフと呼んで良いと思うし、70%以上なら大体バリューベットと呼んで良いと思います。勝率が48%から52%は完全なセミブラフでしょう。しかし、その間は
「バリューベット寄りのセミブラフ」
とか
「ブラフ寄りのセミブラフ」
という感じになるのでしょうか。
勝率が50%前後のセミブラフ、実はかなり打ち得です。
コールされてもリスクはほぼ無しで、相手が降りてくれたら非常に得をします。
このセミブラフの問題点としては、相手にレイズされた時です。
一般的にセミブラフと言うと、フラッシュやストレートのドローがある時を呼ぶことが多いです。
しかし、そうであるとは限らないのです。
前回のポストで書いた、AK、Q73rのボード。
これは相手のレンジに対して58%くらいあると見積もりました。
実際は相手はペアでコールしてくる可能性もあるし、ドミネイトしているハンドが出てくる可能性もあります。実際は平均で55%とかでしょうか。
これだけの勝率の見積もりがあるのなら、レイズされないのなら、それだけで打つ価値はあるんです。そして、実戦はこのボードはレイズした側に有利なボードで、相手にレイズする事ができるような強いハンドが入っているのはかなり稀です。
このAK、バリューベットにもブラフにもならないとよく言われますが、結局これはかなりバリューベット寄りのセミブラフであって、非常にベットする価値が高いのです。