木原直哉オフィシャルブログ

プロポーカープレーヤー、木原直哉が、思ったことを書いていきます。道場やってます。https://lounge.dmm.com/detail/308/

ミックスゲームの勧め、スタッド

ミックスゲームの勧めシリーズ、続編です。

NLHE、PLOと来たら、次に勉強すべき種目としてオススメなのはFLO8かStud8と書きましたが、ルール説明の都合上、次に説明するのは、

スタッド(7スタッド。Stud。略称はS)です。

 

ルールとしては今まで見たことがないものだと思います。

まずは、全員が所定のアンティを払います。

今でこそ、NLHEが流行った影響で、アンティはトーナメントのもので、キャッシュゲームでは基本的に存在しないと思っている人が多いかと思いますが、元々はアンティはキャッシュゲームからスタートしているのです。

というか、ハンドを貰うのに払う場代、と考えると、むしろブラインドよりアンティの方が自然だと思いませんか?

NLHEをやりこんで、それが当たり前になっていると、ちょっと考えたらより自然なことがすごく不自然に感じられたりするのです。

 

スタッドでは、8人マックスで行われる事が多いです。

まず、全員が所定のアンティを払います。ここでは25/25/100/200としてルール説明をします。

まず、プレーヤーは25のアンティを払います。

トイレに行きたいとか電話したい等でハンドを受け取りたくない場合はアンティを払いません。ブラインド形式と違ってミスドブラインドというようなものは無いので、帰ってくる時も次のハンドで単にアンティを払うだけで良いのです。

 

全員が25のアンティを払ったとします。

すると、ディーラーは常にシート1から全員に2枚ずつカードを裏向きに配ります。その後、3枚目を、全員に「表向きに」配ります。

この3枚目のカードのことを「ドアカード」といいます。

そして、ドアカードが一番弱いプレーヤー(同じ数字の場合は、スートが弱い人。s>h>d>cの順です)が25のチップを出すか、いきなり100にベットすることが出来ます。

しかし、一番弱いカードを貰った人は普通は25だけにするのが自然です。この25をブリングイン(BI)と呼びます。

 

リングインのプレーヤーの左からアクションスタートです。プレーヤーの選択は以下の通り。

1、フォールド

2、25をコール

3、100にベット

ブラインド形式の場合は、最初のBBは「ブラインドベット」と呼ばれるように、強制ベットが入っているので、そこで金額を釣り上げたかったら、「レイズ(上乗せ)」になります。

しかし、スタッド形式でブリングインはベットではないので、最初のベットはベットであってレイズではありません。ただまあ、レイズと言っても通じますし、混乱もしないですし、実際にレイズと発声するプレーヤーは多々います。

また、25チップは100チップに満たない半端な金額なので、それをちゃんとした金額にするというような感覚で「コンプリート」という用語も使います。NLHEで、誰もレイズが入ってない時にSBでコールすることをコンプリートといいますが、同じ意味合いですね。

100にベットする際、何も言わないと25のブリングインをコールした扱いになるので注意。25を4枚で出すか、100チップ+更に何かのチップを投入して(余った分は後で戻す)ベットの意志を明確にするか、親指を上にして(いいね!みたいな感じ)ベットの意思表示をするか、ベットと言うか、コンプリートと言うか、レイズと言うかしましょう。

キャッシュゲームでは、100ドルチップは自動的にコンプリートになるという内輪ルールがあることもあります。

 

後は普通のFLHEと同様に進行しますが、25チップのまま上乗せされていない場合は、最初に25チップを出した人はベットの権利はありません。それがNLHEプレーヤーにとっては珍しいルールでしょうか。最初にいきなり100にする権利があったので、それを行使しなかった、って感じですね。

 

 

金額が揃ったら、生き残っているプレーヤーに4枚目(4thカード)をシート1から順に表向きに配ります。

ここから、アクションは、見せているボードが一番強い人が先アクションになります。その人はチェックか100ベットです。ただし、ドアカードと4thカードがペアになってる場合は100だけじゃなく200にダブルベットすることも可能です。金額は100-200-300-400といつものリミットゲームと同じです。

金額が揃ったら、5thカードをシート1から順に表向きに。

ここからベット金額は倍の200になります。FLHEやFLO8でターン金額が倍になるのと同じですね。

同様に6thもプレーし、7thカードに突入します。

7thカードはシート1から順に、「裏向き!」にカードを配ります。

そして、6thカードまでで一番ボードが強い人からアクションします。

最後まで行くとショウダウン。

ショウダウンする場合は、7枚から5枚を使って一番強い手を作ります。

それはNLHEと全く一緒ですね。

 

リングインの時にスートの強さで誰がブリングインするかが変わったりしましたが、ハンドの強さを見る時はスートは関係ないです。なので、4th以降で誰が一番最初にアクションするかの時もスートは関係なく、同じ強さの人が複数いる場合は、ディーラーさんの左側に近い方の人が最初にアクションします。

アメリカ社会やポーカー界は公平さを異常に重視するのに、ここの決めがこうなっているのは、不思議ではあります)

 

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スタッドの解説動画

 

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HORSEの解説動画

 

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8ゲームの解説動画

 

 

 

ポーカープロはサービス業だ

ちょっと過激なタイトルですが。

これ、賛否両論あって、特にプロ側から否定されることが多いのですが、自分は常々そう思ってます。

 

ポーカープロは何も生み出していない、とは良く言われることです。

別にそれを否定する気はないし、そういう価値観の人はそうなんだ、で自分としては完結です。そちら側の価値観にも賛同は出来ないですが。

 

しかし、言ってしまえば、例えば漫画喫茶だって無くても誰も生活に困らないわけです。任天堂のようなゲーム機メーカーだって無くても誰も生活に困らないわけだから、ゲーム機を作っているけど別にそれがないと生活が困るという人はいません。その流通とか、そこに既に関わっている人以外。その他サービス業の大半はそうなんじゃないでしょうか。

もちろん藤井七段や羽生結弦さん、大谷翔平選手だって、いなくたって誰も生活には困りません。卓球の平野、伊藤、張本選手だってそう。他の棋士や他のゲームのプロも同様だし、芸能人も同じです。

 

そういう人は何も生み出していないから価値がない、と言うのなら、別に自分はそういう価値観は全否定はしませんが、少なくても自分は賛同できない、と言うだけです。

そして、このような職業が許されることが、社会が豊かになってきている証でもあると思うのです。生活するための必需品だけじゃなく、みんなの生活を豊かにしていく、生活に潤いを与える職業。

 

ポーカーって、めちゃくちゃ面白いゲームだと自分は思います。

ポーカーを知って、程よい距離感で楽しむことが出来たら、生活は楽しくなると思うのです。もちろんそうじゃない人はポーカーをやらなくていいとは思うけど、本当は一生の趣味としてのポーカーに向いているのに、たまたまポーカーを知ることなく一生を終える人がいたとしたら、その人は人生を損していると思うのです。

そして、そういう人にポーカーの魅力を届ける、また、対戦相手としてポーカーを楽しませる。それによって対価を得て生活する人が「ポーカープロ」なのだと思います。

 

一方で、ポーカーは非常に競技人口が多いゲームです。

プロも数万人います。

しかし、数万人のプロのうち大半は、アマチュアのプレーヤーを楽しませることなく、単にお金を稼いでいる人たちです。

もちろん、最初はある程度しょうがないんじゃないかなとは思います。

プロ野球の選手だって、多くは二軍時代に給料をもらいながら、でもその対価以上に誰かを楽しませることは出来なかった人でしょう。

一軍のレギュラープレーヤーは、貰う給料は二軍の選手の数十倍ですが、ファンを楽しませて対価を貰うという観点からはむしろ、二軍の選手のほうがパフォーマンスが悪いのです。しかし、二軍の選手はそうやってスター選手が稼いできたお金の幾ばくかを貰いながら、いずれ一軍の選手の立ち位置になれるように努力しているわけです。

 

ポーカーも、ポーカーの魅力を世界中のファンに届けることが出来ているプロはかなりの少数です。ダニエルネグラーノはかなりの金額のスポンサー料を貰っていと思いますが、それでも彼は貰っている金額以上にポーカースターズ(ダニエルのスポンサー先)やポーカー界に対して貢献しています。

その一方、大多数のプロは、そういう有名プロが集めたポーカーファンから勝つことで生計を立てています。

 

結局、負けるプレーヤーが来てくれない限り、ポーカープロという職業は成立しないんです。

でもそれを悪く言うつもりはありません。ディズニーランドだって、お金を落としてくれる人がいないと業として成立しないんです。

現状そこまでの余裕がない、というのは仕方ないと思います。ダニエルだって、フィルアイビーだって、そういう時代を経て強くなったんでしょうし、他の有名プロも一緒です。野球の二軍選手とも同じです。

でも少なくても、一緒に打ってて、負けてもこの人に負けるんだったらまあいいかなと思われるような、一緒に打っている時に楽しいと思わせることができるような、そういうプレーヤーに、少なくてもそこはプロは全員目指さないといけないんじゃないのかなと思うわけです。

 

そうやって、相手を楽しませて(ポーカーの場合は長期的な期待値として)対価を頂く。これってサービス業の感覚そのものですよね。こういう感覚を持っていたら、ミスプレーをして結果的に引いて勝ったプレーヤーに対して怒るプロとか、ちょっとあり得ないと思うのです。もちろん引かれて残念という気持ちはあるし、短期的に落ち込んでもいいし、

「うわああ!!」

くらい声が出てもいいけど、対戦相手や、ましてディーラーを罵倒するなんて出来ないはずです。

 

 

今日、とあるプレーヤーに

「同じ負けるにしても、○○や△△のようなプロじゃなくて、君に負ける方がずっといいよ」

と言ってもらえて、普段から意識していることを認めて貰えたように思えて非常に嬉しかったし、今日のこのエントリを書くきっかけでもあります。

そして、より多くのプロがそういう心構えでいるならば、ポーカー界はずっと良くなります。現状、そういう心構えでポーカーをやっているプロは少数派だと思うので、こういう感覚を持つことは、短期的に得を逃すように見えても、実は長期的にはそのプレーヤー本人のためになると思ってます。

 

ミックスゲームの勧め、2-7TD

連載中のミックスゲームの勧めシリーズ、覚える順番としては、次はスタッドハイローをオススメするのですが、説明の都合上先に2-7TD(ドゥーストゥーセブントリプルドロー)です。

5枚配られて○回チェンジして強い手を作ったら勝ち、というのは日本でも昔からあるポーカー、5ドローです。

2-7はその逆、チェンジして弱い手を作った方が勝ちです。

ペアになったら強くなってしまうので、弱い順から5枚並べてみましょう。

23456

これだとストレート。ストレートはめちゃくちゃ強い役ですから、2-7ではめちゃくちゃ弱いハンドです。

なので、最後の6を7と入れ替えて、

23457

これが最強、ナッツです。2から7が最強。なので、deuce to sevenという名前になっているのです。NLHEでは、A2345のストレートのことをwheelと呼びますが、ローゲームでは最強のローのことをwheelと呼びます。なので、23457がnutsでありwheelです。

TDはtriple drawです。トリプルは3回。ドローは引く、なので、3回チェンジする、という感じですね。

ちなみに、1回だけチェンジしてノーリミットでやる、2-7NLSDなどもかなりの人気種目で、10ゲーム(10種競技)には含まれますが、8ゲームには含まれません。

 

ルールは、普通のブラインド形式です。

SBが1、BBが2とします。

今までのリミットゲームと全く同様に、コールは2、レイズは4です。

3ベットは6、4ベットは8です。

ベットが揃いました。

ディーラーをやっている人は、ここでついバーンカードを出さないように気をつけてください。

 

ファーストドロー。

バーンカードを出す前に、ポジションが悪い順にチェンジする枚数を前に出します。そして、全員のチェンジ枚数が確認し終わったら、ディーラーさんはバーンカードを出して、全員に捨てたカードと同じ枚数を配ります。

アクションは普通のNLHEと同じようにSBからですが、リミットゲームなのでベットする際は2、ベットに対してレイズしたかったら4です。

ここで金額が揃いました。

 

セカンドドロー。

また同様にチェンジします。

その後ベットしますが、ここでベット金額は4、レイズは8と2倍になります。これはFLHEやFLO8におけるターンと同じ感覚です。

また金額が揃うまでやります。

 

サードドロー(ラストドロー)。

同様にチェンジ。

その後もベットも4,8,12,16です。金額が揃うとショウダウンです。

 

片方が23459をショウ。

片方は34678をショウ。

さて、どちらが勝ちだと思いますか?

 

迷ったら、NLHEだったらどっちが勝ちかを考えると良いです。

NLHEだったら23459が勝ちですよね。なので、2-7という天の邪鬼なゲームでは、23459が負け、つまり34678の勝ちです。

 

普通のハイゲーム、例えば5ドローだと、手にトリップス(3カード)があったらかなり勝ちですよね。でも、ローゲームは234と強い3枚を持ってても、結局勝負を分けるのは5枚目のカードなのです。

5枚目のカードが同じ場合は4枚目になるわけですが、なので強いローカード

を持っているより、一番ハイカードが強いほうがいいのです。

 

5教科で合格を決めようとなった時に、一番点数がいい1教科しか見ないのがハイゲーム。一番悪い教科の点数で比較するのがローゲームなのです。

 

 

ちなみに、特殊ルールとして、2-7ではA2345はストレートにならないという決まりがあります。あまり見ない状況ですが、一応。

 

note.com2-7TDの解説動画

 

note.com8ゲームの解説動画

ミックスゲームの勧め、FLO8

連載化しようと思っているミックスゲームの勧め。

PLO、FLHEと来て、次に何をやるのがいいですか?とよく聞かれますが、自分的な回答ではこの次はFLO8かStud8のどちらかです。

ただ、説明の都合上、FLO8(リミットオマハハイロー)を先に説明してしまいます。そうすると、フロップゲーム(=共通カードがあるゲーム)はほぼ終了になるからです。

そう、ポーカーをやってると、フロップやコミュニティーカード(共通カード)があるのは当然と思うようになってきますが、ポーカーのゲームの中でも共通カードがあるゲームの方が実は少数派なのです!!!日本人だったらまず最初にやるポーカー、それは5枚配って1回交換する5ドローポーカーですよね。これ、フロップはないですね。

今現在プレーされている数で言ったら圧倒的にフロップゲームの方が多いですが・・・

 

さて本題に戻って、FLO8です。

オマハハイローとはそもそもどういうゲームなのかというと、

・全員に4枚のホールカードが配られる

・リミット形式でリバーまでプレー

・手札から2枚、ボードから3枚を使って最強の手を作る

ここまでは普通のオマハオマハハイ)と一緒です。

違うのは最後。

手札から2枚、ボードから3枚使って8以下のペアになっていない5枚を作る。より数字の小さい5枚を作った人がローの勝ち。

そして、ハイとローでポットを2等分(チョップ)します。

 

例えば、共通カードが

248TJ

だったとしましょう。すると、ローを目指す人は全員が248を使うことになります。

そして、手札にA3を持っていた場合、ローのナッツ(最強)です。これをナッツローといいます。

ちなみに、A7と35を持っていた人がいた場合、どちらが勝つでしょうか。

A7の人のローはA2478

35の人のローは23458

ですよね。

NLHEとかに慣れている人は、ついついAがある方が強いと勘違いしてしまいがちです。

しかし、ローの強さは、5枚目から見ていくのです。これはすべてのローゲームに共通なので、覚えておいてください。

この例では、お互い一番弱いカードは8です。

次に弱いカードは、A2478だと7、23458だと5です。

なので、2枚目に弱いカードが5なので、35の人がローの勝ちになります。

ローは慣れてても混乱するシチュエーションが多いですので、最初はある程度ゆっくり考えるのが良いし、分からなくてもゆっくり考える時間を貰ったほうが良いと思います。

 

基本的に、A2と持っていたら、3から8の6枚から3枚出た場合、ナッツローになります。そして、ナッツローが出来たら、それがナッツじゃなくなるのは6アウツしかないので、意外とナッツローって変わりにくいんです。

ただまた難しいところですが、せっかくナッツローを引いても、ハイが取れなくてチョップになったら全然儲からないし、相手もナッツローを持っていて1/4(ローの半分)ということもよくあります。ハイで2ペアの人相手にナッツロードローだけで

 ついていき、引けても半分というのはフリーロールされている状態と同じなわけで、結局ハイもある程度狙えるハンドじゃないといけないわけです。

逆に358とフロップで落ちて、相手がA24と持っていたら、88を持っていても非常に低いエクイティーしかありません。ハイしか無くても辛く、ローしか無くてもツラい。でも、両方とも強いハンドはなかなか来ない。そのバランスをどうプレーするかというのが、このゲームの面白いところです。

ちなみに、フロップ時点でHU(ヘッズアップ、1対1のこと)になっていると、ハイもローもそこそこだけどどちらもめちゃくちゃ強くはない、というようなハンドがかなり上位に来たりしますが、3人ポットになった瞬間に、Aさんにハイ、Bさんにローを取られて簡単に負けてしまうということもあったりと、色々面白いのがこのゲームです。

 

note.com

FLO8の解説動画

 

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HORSEの解説動画

 

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8ゲームの解説動画

 

ミックスゲームの勧め、FLHE アンケートの結果と解説

kihara-poker.hatenablog.com

 

こちらの記事の続きです。

先日、ツイッターでアンケートをさせていただきました。500人以上に参加してくださいました。ありがとうございます。

結果はこちら。

 

twitter.com

 

twitter.com

 

 https://twitter.com/key_poker/status/999910394134052864

 

 

(リンクの貼り付けが上手くいかない・・・)

 

3つのアンケートをしました。

1つ目。

NLHEと比べて、FLHEでは、22の価値は

上がる 29%

下がる 45%

同じくらい 9%

結果だけ見る 17%

そうですね、みなさんが想像する通りです。

まず、リミットゲームなので、セットを引いても大きく取れません。

前のエントリでも書きましたが、NLHEでクレイジーに突っ込んでくる相手を想定しても、オッズはなかなか合わないです。リミットならなおのことです。

また、相手がレイズ、こちらはBBでオッズコール。

フロップK94r

相手ベット、コール

ターン6

相手ベット。

この段階で、ポットには3ビッグベットあって、1ビッグベットを打たれてます。

これ、コールするか降りるか既にめちゃくちゃしんどい状況ですよね?

しかもリバーで打たれることも想定しないといけない。

つまり、インプライドオッズ面のマイナスが非常に大きいのです。

NLHEでも22のインプライドオッズはマイナスだと書きましたが、それでもセットを引いたときにある程度大きく回収できます。リミットではそれすらないのです。つまり、22の価値は非常に下がります。

 

 

 

2つ目は飛ばして3つ目、AToの価値は

上がる 46%

下がる 25%

同じくらい 10%

結果だけ見る 19%

こちらもみなさんが想像するとおりです。

AToはランダムハンドに対する勝率が結構高いです。

フロップでそこそこ強いハンドであることはそれなりにありますが、ナッツ級のハンドになることは非常に少ないです。Aが落ちてもTが落ちてもそこそこ強いけど、常に上のハンドが心配ですよね。

NLHEだと、COでオープン、BBコール。

A67 J 2

こんなATに取ってかなり都合が良いボードでも、2/3ポットを3発打ち切ってバリューを取りきるのは非常に難しいでしょう。途中でレイズされたら非常にプレーに困ります。

一方、リミットゲームだと、気楽に3発打ち切ります。

そして、レイズされたら最後までコールすればいいだけなのです。

リミットホールデムのほうが、ATはハンドの勝率をそのまま利益に結びつけやすいのです。

 

この2問は比較的簡単かなと思ってましたし、実際正解率も高いですね。

そして、自分が一番聞きたかったのは実は2つ目

67sのハンドの価値は

上がる 35%

下がる 43%

変わらない 6%

結果だけ見る 16%

 

本題とはそれて、ちょっと面白いと思うのは、他の2つの設問に比べて「上がる」と「下がる」の差が小さいにも関わらず、「変わらない」を選んだ人が一番少ないんですよね。これは統計という意味では非常に面白いですよね。みんな、何らかの差はあると思うにも関わらず、その回答が一番割れているということですから。

 

回答の前に先に解説しましょう。

67sはモンスターハンドに対する勝率はそこそこ高く、しかしランダムハンドに対する勝率もそんなに高くないハンドです。

また、フロップ以降にナッツもしくはナッツ級になりやすいハンドです。

NLHEなら、フロップで458とか5s8s2とか。ATでAA3と落ちても常に怖いけど、67sで663と落ちたら全然怖くないです。また、ATでAQTと落ちても怖いですが、67sで67Jと落ちてもフロップで100bbを気軽に入れられます。

 こういうところから、ナッツやそれ級を引いたとき、大きくチェックレイズしたりしてポットを膨らましたいところです。

また、578と落ちたり、Ts4s6と落ちたりしたときにAAなどとほぼ五分の勝率を持ってますが、そこで大きくレイズして降ろしたりしたいハンドです。オールインされても五分なので怖くありません。もしセット相手に突っ込んでしまっても、ATならほぼ絶望ですが、67sならまだ30%弱も勝率があります。

 

リミットホールデムなら、ドローになったときに気楽にオッズコール出来ると思っての選択でしょうが、

フロップAJ6 ターン8

ここでターンで3ビッグベットのポットに1ビッグベットをベットされてコールするかの判断は非常に難しいです。ストレートやフラッシュのドローになるよりこういうヒットをする方が可能性は高いわけです。また、NLHEならトップペアでもキッカーが弱いとチェックしてくれる可能性もそれなりにありますが、リミットホールデムではセカンドペアでもガンガンベットしてきます。より難しい判断になるわけです。

 

以上から、67sの価値はリミットホールデムだと下がる、というか、NLHEだと非常に価値がインフレするハンドなんです。個人的には、ここだけ不正解が多数派になるんじゃないかと思っていたのですが。

 

https://twitter.com/key_poker/status/999911814665142273

 

最後に、全体的にFLHEでは参加率は

上がる 46%

下がる 25%

同じくらい 9%

結果だけ見る 20%

そうですね、これも皆さんの言う通り、上がります。

NLHEだと、1.5bbを取りに行くのに2.5から3bbのコストを払います。

なのに、後ろから3ベットされて降ろされてしまうことも多いです。

ポジションを有効に使いやすいボタンのみ、NLHEではFLHEと同じくらい参加できるかなと思いますが、それ以外のポジションだと概ねNLHEではタイトに打たざるを得ないです。

また、BBでも、FLHEでは1bbモアでフロップを見れますし、フロップ以降もポジションを活かした厳しいベットをされる心配はないです。なので、気楽にオッズコールができますし、逆にしっかりとオッズコールができないと勝てないのがFLHEです。

ボタンのレイズに対しては、BBは85%くらいコールします。15%しかフォールドしません。NLHEだと60%しか降りない人はかなりコールするプレーヤーという印象ですし、40%しか降りない人なら即フィッシュ認定でしょう。一方、FLHEでは、40%降りる人がいたら、降りすぎてスチールしやすい楽なプレーヤーという意味でフィッシュ認定します。

そこらへんの感覚が全く違ってきます。

 

FLHEをやるようになると、特にリバーでの薄いバリューベットが如何に大切かが本当にわかります。バリューを取る相手のハンドを具体的に考えるようになります。

 

今はNLHEから覚える人も多いですが、ちょっと振り返ってFLHEをやってみるのも、色々発見があってオススメです。

 

ミックスゲームの勧め、FLHE

ミックスゲームの勧めの第2弾です。

NLHE、PLOとやった後、何をやったらいいですか?とはたまに聞かれます。

個人的に次にやるべきだと思うのはFLO8ですが、NLHEの助けになるという意味では、FLHEをやってみるといいんじゃないかと思います。

FLHEとは、

fixed limit hold'em

の略です。リミットホールデム、と略されます。ベット金額が固定されたホールデムです。

今でこそNLHEが主流とされてますが、昔はFLHEがスタンダードで、どこのポーカールームに行ってもNLHEはないけどFLHEはある、という感じでした。

ところで、自分は2年間ほど、五反田でポーカー初心者講習会を行ってましたが、そこで教えていたのがFLHEです。

初心者が経験者と混じって打つ場合、いくら打つのがいいのかというのが一番難しいところです。でも、FLHEだと、打つことが出来る金額が固定されているので、ルールを覚える際はこちらの方がいいんじゃないかと自分は思っています。

 

 

仮に2-4のFLHEだとします。

FLHEにおいて、2-4という数字はブラインドではありません。フロップ以降のベット額を意味します。

ブラインドはSBが1、BBが2です。

アクションは普通のNLHEと同じですが、誰かがレイズ(2ベット)したかったら、4にしか出来ません。そこにリレイズ(3ベット)したかったら6にしか出来ません。そこにリリレイズ(4ベット)したかったら、8にしか出来ません。

そして、多くの場合4ベットがキャップです。上限。それ以上のレイズが許されず、コール止まりで次のラウンドに行きます。ちなみにラスベガスは5ベットがキャップです。

 

フロップを開きました。

やっぱりベット額は2です。もちろんチェックも出来ますが。レイズは4、3ベットは6、4ベットは8です。

 

ターンに突入します。

すると、ベット額が4に上がります。2ベットが8、3ベットが12、4ベットが16。

リバーも同様です。

後はNLHEと同じようにプレーすることになります。

 

 

普段NLHEをやっている人から見て、どういうハンドの価値が上がり、どういうハンドの価値が下がると思うでしょうか。

 

ちょっと面白い話題なので、アンケートしてみます。

 

東京都の保育園問題最終回 認可保育園とプロ棋士

kihara-poker.hatenablog.com

 

保育園問題、最終回です。

認可保育園の選考基準を以前に書きました。

基本的に満点じゃないとそもそも勝負にならないというのは理解頂けたかと思います。

ところで、ポーカープロも、囲碁将棋のプロも、職業としてフルタイムで働いていると認めて貰えます。研究時間も仕事と思って貰えるようになってきたんです。以前からそれが可能だったかは不明ですが、少なくても今は可能です。

 

しかし!!!

 

多くの区では、自宅労働者は減点がつくのです。

満点にならない!

何故かと言うと、自宅で働いているなら、外で働いている人より子どもの面倒を見やすいだろう、ということなのです。

しかし、自宅で勉強していて、家に1歳児がいたら、とてもじゃないけど勉強になりません。

ゲームのプロは認可保育園へ子どもを預けるのは諦めて認証保育園に戦いに出るべきなのか・・・

もしくは週4で研究会を外でやるべきなのか・・・

 

いや、そんなことはないのです。

実は、文京区だけは、自営業者への減点がないのです!!!

恐らく、元から自営業者が多い地域だからじゃないかとは思いますが。

 

ということで、プロ棋士の方で子どもを持とうと思っている方、是非文京区に住みましょう!千駄ヶ谷も市ヶ谷も近いですよ!